ニューロリワーク大宮センター
当たり前の生活を取り戻すー生活習慣を見直して復職を実現した事例
こんにちは。ニューロリワーク大宮センターです。
当センターでは、復職後の安定就労や再発防止を見据え、生活習慣の改善やセルフケアの定着を重視した復職支援(リワーク)を行っています。
今回は、複数回の休職を経験された方が、生活習慣の見直しと企業連携を通じて復職につながった事例をご紹介します。
「再び不調を繰り返さないために何が必要か」を整理し、企業側にも取り組み状況を可視化しながら支援を進めたケースです。
『当たり前の生活習慣へ戻すこと』が不調改善の近道
取り組みの背景
今回の対象者様は、過去に3回の休職歴があり、同じような不調を繰り返していたことから、主治医の勧めでリワーク利用を開始されました。
不調のきっかけは、人間関係に対してネガティブに捉えやすくなってしまうことでした。
一方で、ストレスへの対処方法を十分に持てておらず、不調時には「とにかく寝る」という行動が中心になっていました。
休職によって一時的に職場環境から離れることで体調は回復するものの、復職後に再び同じ環境へ戻ると、考え方の切り替えがうまくできず、不調が再発してしまう状況が続いていました。また、これまでの休職中の過ごし方や復職後の様子を振り返る中で、不調時には食事が疎かになり、睡眠中心の生活になっていたことも確認されました。セルフケアが十分に機能していないことで、回復後も再発予防につながる行動が定着しにくい状態となっていました。
さらに、複数回の休職歴があったことで、復職面談では企業側から慎重な確認を受ける場面も増えており、「復職後に安定して働ける状態か」を客観的に示す必要性も課題となっていました。そのため今回は、思考面だけでなく、まずは基本的な生活習慣を整えることを軸に、再発防止に向けた支援を進めていきました。
このような背景から、復職面談では「本当に復職して大丈夫?」と確認されるようになってしまい、復職へのハードルがますます上がっていました。そこで、基本の生活習慣に戻り、日常生活を崩さないための対策をメインに再発防止を考えていくことにしました。
訓練の内容
①生活習慣の見直し(ブレインフィットネスプログラム)
生活リズムや食事、睡眠などを振り返り、調子の良い時と悪い時の違いを整理しました。特に、不調時には「食事を準備することが負担に感じる=食べない」という状態になっていたため、“最低限でも食事を摂る”という行動を維持することをテーマに取り組みました。また、「寝ることで嫌なことを忘れようとする」傾向も見られていましたが、睡眠だけでは気持ちの切り替えにつながっていないことも整理し、別のセルフケア方法を検討していきました。
②ネガティブに考えてしまう思考の癖を見直し(FITプログラム)
認知行動療法に基づく考え方を取り入れながら、悲観的に捉えやすい思考パターンに自分自身で気づく練習を行いました。すぐに考え方そのものを変えることを目的とするのではなく、「今、自分は悪い方向に考えているかもしれない」と客観視できる状態を目指して支援を進めました。
③リワーク実績を提出、企業へ安心材料を提供
復職面談や産業医面談に向けて、本人が作成した再発防止策に加え、センターからも通所状況や取り組み内容をまとめた報告書を提出しました。リワークでの取り組みや変化を“見える化”することで、企業側にも回復プロセスを共有し、復職判断の安心材料につなげました。
ここがポイント
・生活習慣の変化を“不調のサイン”として捉える
メンタル不調時には、「食事が取れない」「身の回りのことが後回しになる」など、日常生活に変化が現れることがあります。体調面だけではなく、生活習慣の変化にも目を向けることで、早期に不調へ気づきやすくなります。
企業においても、勤務状況だけではなく、本人のセルフケア状況を確認する視点が再発防止につながる場合があります。
・思考の癖は短期間では変わりにくい
考え方の癖が定着すると、同じ捉え方を繰り返しやすくなります。
今回も、不調時は「寝てやり過ごす」対応が中心となっていましたが、睡眠だけでは思考の癖そのものは変わりませんでした。そのため、認知行動療法に基づく考え方を取り入れ、自分の思考傾向に気づく練習を実施しました。
まずは「自分がどう考えやすいか」を理解することが、物事の見方を見直す第一歩になります。
・企業連携によって復職プロセスを共有
復職時には、本人の「復職したい」という気持ちだけでなく、企業側が安心して受け入れられる材料も重要になります。リワークでの成果物や通所実績、支援内容を共有することで、本人・企業双方が復職後のイメージを持ちやすくなり、復職面談も進めやすくなりました。
成果
①不調時でも“寝る以外の対処”へ目を向けられるようになった
これまでは、不調時に睡眠だけで対応する傾向がありましたが、「簡易的な食事でも良いから何か口にする」といった行動にも意識を向けられるようになりました。通所中にも実践を重ねることで、「食事を摂ってから休んだ方が翌日の調子が良い」と本人自身が実感できるようになり、生活習慣の重要性への理解が深まりました。
②ネガティブな思考に自分で気づけるようになった
利用期間の短さもあり、思考の癖そのものを大きく変える段階には至りませんでしたが、「今、自分は悲観的に考えすぎているかもしれない」と、自分自身で気づける場面が増えていきました。現在も定着支援の中で、一緒に切り替えの練習を行っています。
③復職面談がスムーズに進んだ
再発防止策やリワーク報告書を提出したことで、企業側にも取り組み状況が伝わりやすくなりました。また、通所を通じてコミュニケーション面にも変化が見られ、復職面談では企業担当者から安心感を持っていただける結果につながりました。
企業の担当者の方へメッセージ
不調時には、本人も気づかないうちに生活習慣が崩れているケースがあります。
「しっかり休む」ことだけではなく、食事や睡眠、日中の過ごし方など、基本的な生活習慣に目を向けることで、不調悪化を防ぐヒントが見つかる場合もあります。
ニューロリワーク大宮センターでは、復職だけでなく、復職後の安定就労や再発防止も見据えた支援を行っています。
休職者対応や復職支援(リワーク)についてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。