ニューロリワーク春日部センター
企業連携により実現する、再発防止と持続可能な復職支援のかたち
こんにちは。春日部センターです。
当センターでは、休職中の方が安心して元の職場へ戻り、その後も長く安定して働き続けられるよう、一人ひとりに寄り添った復職支援(リワーク)に取り組んでいます。
今回は、ご本人の体調に合わせた段階的な通所から始め、担当カウンセラーや企業担当者の方と緊密に連携しながら、復職へのハードルを一つずつ解消し、理想的な職場復帰と部署異動を実現した事例をご紹介します。
カウンセラー・企業と連携し、復職へのハードルを解消
取り組みの背景
対象の利用者の方は、「障がいに関わる仕事」に強いやりがいを感じておられました。ご自身の身体障がいの経験を活かせる仕事であり、「会社に貢献したい」という熱い思いをお持ちの一方、復職に向けては2度目の休職ということもあり、大きな不安を抱えておられました。
具体的には、業務における「電話応対時の聞き取りへの不安」や、身体障がいのため「パソコンを持って通勤することによる身体的負担」があり、これらが復職への大きなハードルとなっていました。
また、通所当初は以下のような課題(苦手なこと)も明確になっていました。
- 時間管理の難しさ
- 電話応対時のメモ取りや応対そのものへの苦手意識
- 直属の上司に対する苦手意識やコミュニケーションへの不安
「貢献したい」という強い気持ちが焦りにつながらないよう、支援員は「少しずつのペースで良い」「決して焦らないこと」を支援の軸に据え、週3日の半日通所からスモールステップで通所を開始しました。
訓練の内容
約6ヶ月間の通所期間を通じて、再発防止と苦手克服に向け、以下のプログラムや連携支援に取り組みました。
① 外部専門機関(カウンセラー)とのワーク連携
ご本人が並行して利用されていたカウンセリングを活かせるよう、支援員がカウンセラーと密に連携しました。センター内だけでなく、カウンセリングの時間でも「時間管理のワーク」に取り組めるよう環境を整え、多角的なアプローチを実施しました。
カウンセリング内で行った時間管理ワークの内容は支援員にも共有いただき、そこから見えてきた課題を一つずつ整理しながら解決につなげていきました。
② センター内でのスタッフとの実践ロールプレイ
電話応対への不安や苦手意識を払拭するため、通所中に様々なスタッフが交代で相手役となり、電話応対やメモ取りの練習を繰り返し行いました。
電話応対の実践前には、動画を見ながらメモを取る練習も実施し、できていることや工夫できそうな点をフィードバックしました。それにより、ご本人が自ら成長を実感できるよう支援し、不安の軽減につなげました。
③ 上司との橋渡し
直属の上司とのコミュニケーションに不安を感じていたご本人に対し、センターが上司の方と連携しながら、ご本人の希望と上司の方の期待や要望を丁寧にすり合わせ、中立的な立場で橋渡しを行いました。
また、ご本人がネガティブに捉えていた上司の言動についても、センターが間に入りながら積極的なコミュニケーションを支援し、伝わりにくかった思いを丁寧にフィードバックしました。その結果、上司に対する苦手意識が徐々に解消され、コミュニケーションへのハードルも下がっていきました。
さらに、通勤への不安についても上司へ共有し、在宅勤務や自宅近隣のワークスペース利用を組み合わせることで、通勤時の負担を軽減し、働きやすい環境づくりにつなげることができました。
ここがポイント
本事例の重要なポイントは、専門機関や企業を巻き込んだ多角的な環境調整と苦手克服です。
「言いたいことが言える」関係性の再構築
企業との連携を重ねたことで、復職前の月1回の面談や復職後の定期面談において、上司への苦手意識が解消されました。お互いの意図が伝わるようになったことで心理的安全性が確保され、ご本人が自身の意見や体調について率直に伝えられるようになりました。
スモールステップによる自信の回復
週3日の半日通所から段階的に負荷を上げていったことや、スタッフ総出で電話応対のロールプレイを繰り返したことで、「できた」という成功体験が積み重なり、復職への自信につながりました。
成果
本取り組みにより、ご本人は6ヶ月でセンターを卒業され、自分らしく活躍できる環境で働くことを実現されました。
①新しい部署への異動と、いきいきとした就労
復職後は、適切にコミュニケーションが取れるようになったことに加え、以前から好意的に見守ってくれていた別の上司からの声かけもあり、ご本人の希望が叶う形で新しい部署への異動が実現しました。
現在はやりがいを持って、いきいきと働かれています。
②企業とご本人の信頼関係構築
外部機関と連携しながら、ご本人の課題と企業が認識する課題を整理しました。そのうえで、各支援機関がそれぞれ解決策を検討し、協力体制を構築することができました。
③ ご本人の課題に対して全スタッフがサポート
担当支援員だけでなく、ほかのスタッフもご本人の課題解決をサポートしました。
復職をあきらめることなく、その方の希望を実現するためにチーム全体で支援に取り組んだことで、ご本人のモチベーション向上と安定した就労の実現につながりました。
企業の担当者の方へメッセージ
復職支援においては、ご本人の訓練だけでなく、ご本人が苦手意識を持つ職場環境(人間関係・通勤・業務負荷など)に対して、周囲がどのように歩み寄り、調整していくかが重要です。
- 復職を支援したいが、ご本人とのコミュニケーションや配慮事項のすり合わせに悩んでいる
- 復職後の再休職を防ぐため、業務内容や部署の調整を行いたい
- ご本人のポテンシャルを活かせる形で職場復帰をサポートしたい
このような課題がございましたら、ぜひニューロリワーク春日部センターへご相談ください。
医療機関などの外部資源とも連携しながら、ご本人と企業様の双方が納得し、長く働き続けられる仕組みづくりをサポートいたします。