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ニューロリワーク所沢センター

復職後のリアルな「波」を、主体的なSOSと企業の連携で乗り越えた6ヶ月の軌跡

こんにちは。ニューロリワーク所沢センターです。
当センターでは、休職・離職された方が長く安定して働けるよう、一人ひとりに寄り添った復職支援(リワーク)を行っています。

今回は、うつ病により一度は退職された方が、前職の企業へ「再入社」を果たした事例をご紹介します。復職後に直面したリアルな現場の波を、本人がリワークで培った「SOS発信スキル」を活かして、企業の「上司・産業医との迅速な連携」でどのように乗り越え、安定就労に繋げたかをご紹介します。

管理職・産業医の強固な連携と、本人の「主体的な環境調整力」が定着のカギ

取り組みの背景

対象の利用者の方は、非常に責任感が強く「会社に貢献したい」という強い想いをお持ちの方でした。しかし、大規模プロジェクトでの過負荷、プライベートでのライフイベントなどの環境の変化が重なり、当時は自分を守るための「休息」や「セルフモニタリング」ができず、うつ病と診断され休職。その後、一度は退職となりました。

その後、当センターに半年間通所され、以下の課題を設定して訓練を開始しました。

  • 自分の体調悪化の傾向(ストレスサイン)をつかむ
  • 異常時には一人で抱え込まず、すぐに周囲に相談する
  • 自身の体調・健康を第一優先にする

「もう一度、あの会社で働きたい」という強い気持ちを形にするため、焦らず少しずつのペースを意識しながら、スモールステップで復職(再入社)に向けた訓練を開始しました。

訓練の内容

約半年間の通所期間を通じ、再発防止と復職後の適応力向上に向けて以下のプログラムや環境調整に軸を置きました。

① 認知行動療法に基づくプログラムによる「客観視(メタ認知)」とブレーキの習得

認知行動療法に基づくプログラムを通じて、自分自身を一段高い視点から客観的に見つめる「メタ認知」の力を強化しました。これにより、過度な責任感やプレッシャーから自分を追い詰めがちな思考パターンに自ら気付き、「これ以上は危険」という体調悪化のサインを事前にキャッチしてブレーキをかけられる力を養いました。

② 実践的な「アラート(SOS)発信」の訓練

「異常時にはすぐに周囲に相談する」ことを目指し、センター内でスタッフを相手にロールプレイを反復。周囲に迷惑をかけるのではないかという不安を解消し、適切なタイミングで自分の状況を正確に伝えるスキルを定着させました。

③ 復職面談や1on1を想定したシミュレーション

復職後の面談や上司との1on1の場を想定し、「薬を服用していること」や「長期的に働くために睡眠時間の確保を最優先したいこと」など、自分の状況や希望を正確に上司へ共有・相談するためのシミュレーションを行いました。

ここがポイント

本事例の最大のポイントは、復職(再入社)後の6ヶ月間で生じた「現実の波」に対し、本人がリワークでの学びを活かしてSOSを出し、企業側がそれに応えて環境調整を行った点です。

【第1の危機】復職直後のプレッシャーと、迅速な配置転換(11月)

復職1ヶ月目、周囲に追いつこうと空回りしてしまい、一時的に睡眠障害やうつ症状が再発して不安に襲われました。しかし、ご本人は一人で抱え込まずに会社を休んでリワークへ相談。上司とも現状を共有したことで、12月1日付で無理のない別のプロジェクトへの【配置転換】がスムーズに行われました。

【第2の危機】業務増加による残業30時間の負荷と、産業医への相談(1月)

復職3ヶ月目の1月、業務の繁忙期に伴い残業が30時間に急増。体調に疲労を感じ始めた際、リワークスタッフからの提案を受けて本人は即座に【産業医へ相談】を求めました。産業医の判断を最優先にした企業側は、翌月の残業を10時間に抑制。段階的な慣らし勤務のコントロールを徹底しました。

【第3の危機】同僚からの不満・嫌味に対する、毅然とした対応(2〜3月)

残業免除や夜間対応の免除に対し、現場の同僚から感情的な不満をぶつけられる摩擦が生じました。しかし、ご本人は「自分も無理をして体調を崩すわけにはいかない」と軸を持ち、「上司に判断を仰ぐ」と毅然と対応。すぐに上司へ共有し、理解のある上司が間に入ってトラブルを仲介し、解消されました。

成果

数々のリアルな波を乗り越え、再入社から6ヶ月が経過した現在、Aさんは非常に安定して自分らしく働かれています。

① 「自分を守るスキル」の定着と主体的な環境調整

周囲への過度な気遣いや罪悪感を克服し、医療(主治医・産業医)、企業(上司)、そしてリワーク(定着支援)を主体的に巻き込みながら、自ら「働きやすい環境」を維持できるようになりました。

② 安定就労と前向きな就労意識の継続

現場の摩擦や残業時間のコントロールを上司・産業医のバックアップで乗り越え、現在は問題なく週5日勤務を継続されています。新しい主治医のもとで「睡眠薬の減薬」という次のステップへ前向きに取り組んでおり、「働けた方が人生ずっと楽しい!」という前向きな気持ちで稼働されています。

企業の担当者の方へメッセージ

復職支援において、現場での「残業抑制に対する周囲の不満」や「人間関係の摩擦」は、現実的に起こり得るハードルです。
重要なのは、それらをゼロにすることではなく、「本人が限界を迎える前にSOSを出せること」、そして「管理職や産業医がそのアラートを真摯に受け止め、迅速に環境を調整できる体制(ラインケア)があること」です。

・復職者が周囲に気を使って無理をし、再休職してしまうのを防ぎたい
・現場の同僚との摩擦や不満に対し、管理職がどう間に入ればいいか知りたい
・産業医や外部専門機関と連携し、確実な定着支援を行いたい

このような課題や、現場でのリアルな対応に悩まれる企業様は、ぜひニューロリワーク所沢センターへご相談ください。
医療機関などの専門機関とも緊密に連携しながら、ご本人と企業の双方が安心し、長く働き続けられる職場環境づくりをサポートいたします。