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休職 復職 復職支援(リワーク) メンタル不調 うつ病

うつ病社員の復職の判断基準は?仕事復帰の目安や進め方を解説

うつ病で休職した社員の復職を検討する際、「どの段階で復帰を認めるべきか」と判断に迷う人事担当者や管理職は少なくありません。復職の可否を決める権限は企業側にあり、主治医の診断書だけでなく産業医の面談結果も踏まえた慎重な見極めが求められます。

本記事では、復職可否を判断するための具体的な基準や仕事復帰の目安に加え、復帰後のフォロー体制の整え方までを解説します。

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うつ病社員の復職の判断のために企業が行うこと

うつ病で休職した社員の復職を判断する権限は、企業側にあります。そのため、主治医から提出された診断書の内容だけで可否を決めるのではなく、産業医との面談結果も踏まえて慎重に検討する姿勢が求められます。

復職の判断にあたっては、医学的な回復度合いに加えて、実際の業務を遂行できる状態かどうかを多角的に見極めることが重要です。

主治医の診断書受理と内容の精査

社員から「復職可能」と記載された主治医の診断書を受け取ることが、復職プロセスの第一歩となります。ただし、精神科主治医の判断は、抑うつ症状の軽減といった病態レベルの回復にもとづくケースが多く、職場の実情を十分に把握していない場合も少なくありません。

たとえば、主治医が求める軽減勤務の内容が現場の業務体制と合わないことも想定されます。診断書だけで復職を認めてしまうと、回復が不十分なまま再休職に至る恐れもあるため、診断書はあくまで判断材料の一つとして捉え、その内容を慎重に精査することが大切です。

産業医面談による業務遂行能力の確認

主治医の診断書に加えて、職場の状況を把握している産業医との面談を実施し、医学的な見地から「実際に働ける状態にあるか」を確認することが欠かせません。

復職判定は病気が完治したかどうかを問うものではなく、決められた時間に出勤し、待遇に見合った労務を提供できるかどうかを見極めるものです。厚生労働省の職場復帰支援に関するガイドラインでも産業医面談の実施を重要視しており、産業医や人事担当者など複数の関係者による合議のもと、組織として判断を下す体制を整えることが望ましいといえます。

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うつ病社員の仕事復帰の目安となる4つの判断基準

うつ病からの復職判断では、7~8割程度の回復が一つの目途とされています。病気の種類によって細かな違いはあるものの、仕事に復帰できる状態かどうかを見極める上で共通する目安が存在します。

企業の人事担当者や管理職が押さえておきたいポイントは、「心の症状の改善度」、「生活リズムの安定」、「集中力の持続」、そして「通勤や勤務を継続できる体力」の4つです。

以下では、それぞれの基準について解説します。

関連記事:復職を判断する条件・基準とは?安心して復職できるまでの流れもご紹介

心の症状が仕事に耐えうるレベルまで改善している

復職の前提として、うつ病の症状が業務に支障のないレベルまで回復していることが重要です。たとえば、夜十分に眠れず疲労が取れない、気持ちの落ち込みが続いている、頭が回らずミスを繰り返すといった状態が残っている場合、職場での実務をこなすことは困難といえます。

こうした症状が治療によって改善し、日常の業務に対応できる段階に達しているかを確認する姿勢が欠かせません。なお、周囲の職場関係者が「腫れ物に触るような対応」を求められるような状態であれば、まだ復職に耐えうるレベルには達していないと判断すべきです。

起床・就寝時間が安定し生活リズムが整っている

復職にあたっては、勤務していた頃と同じ時間に起床し、同じ時間に就寝する生活リズムが整っていることが大切です。休職中は治療に専念するために睡眠時間が長くなり、昼夜逆転を起こすケースも少なくないためです。

回復状況を客観的に把握する手段として、2週間程度の生活記録表(生活リズム表)への記入が役立ちます。睡眠の詳細や日中の過ごし方を確認し、週に何度も1日中休まなければ疲れが取れないような状態が続いていれば、回復が不十分として復職判断の延期を検討する必要があります。

一定の時間連続して作業に取り組める集中力がある

業務内容によって求められる水準は異なりますが、2時間程度は連続して作業に取り組める集中力が復職の目安となります。具体的には、読書やパソコンでの作業、趣味の活動などにどのくらいの時間集中できるかが判断材料の一つです。

途中で投げ出してしまい、短時間しか持続できない状態では、職場での実務に対応することは難しいといえます。生活記録表を活用して日中の活動量を確認し、思考力や判断力が業務に支障のないレベルまで回復しているかを見極めることが大切です。

通勤やフルタイム勤務を継続できる体力が戻っている

休職中は身体を動かす機会が減り、体力が低下しているケースもあります。復職に向けては、まず15分程度の散歩など軽めの運動から始めて、段階的に体力を回復させていくことが望ましいとされています。

回復の度合いを確認する方法として、朝9時に実際の職場へ来てもらうことが挙げられます。満員電車に耐えられない、あるいは通勤だけで疲れ切ってしまうような状態であれば、安定した勤務を続けられる状態にはまだ至っていないと考えることができます。

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適切な復職タイミングと復帰後のフォロー体制

復職の判断基準を満たしたとしても、職場に戻ればすべてが解決するわけではありません。復職した社員は再発への恐怖や業務内容、人間関係への不安を抱えているケースが多く、復帰後1年程度は何らかの心配ごとを持ちながら働いている状態といえます。

企業には、本人が安心して無理なく働き続けられるよう、継続的なフォロー体制を整えることが求められます。

以下では、復帰後の負荷調整や職場環境の見直しについて、具体的な進め方を解説します。

段階的な負荷調整と定着支援

労務規定などで状況は異なりますが、段階的な復帰が可能である職場であれば、その制度を利用しましょう。

たとえば、当初の3~4週間は1日6時間程度の時短勤務から始め、残業なしの条件で通常業務へ移行する方法が考えられます。

また、復職した社員は復帰後1年程度にわたって何らかの不安を抱えている状態が続くため、人事担当者や上司が定期的に面談を実施し、困りごとの有無を確認し続ける姿勢が欠かせません。

本人の同意を得た上で、所属部署の同僚にも配慮すべき内容を共有し、周囲の理解を得ながらスムーズな再適応を支えていくことが重要です。

配置転換や業務内容の見直し

休職の原因が職場の人間関係や業務環境にある場合は、復職にあたって部署変更や軽易な作業への配置転換が可能であれば検討することも選択肢のひとつです。産業医の意見をもとに、どのような環境であれば本人が安定して働けるかを十分に話し合い、具体的な復帰プランを作成することが望ましいといえます。

復職した社員のなかには、休職していた分を取り戻そうとして無理を重ねてしまう方もいるため、上司が業務量を適切にコントロールする配慮も求められます。再発のリスクを軽減するためには、復帰後も継続的にフォローを行い、本人が安心して働ける環境を維持することが大切です。

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監修者

別府 拓紀

医学博士・産業医

2012年産業医科大学卒業後、大学病院や市中の精神科病院、大手企業の専属産業医などに従事。2025年10月より福岡市にこもれび訪問クリニックを開院し、精神科・認知症を中心とした訪問診療を行っている。また、産業医として嘱託産業医を約20事業所受託している。産業医ではメンタルヘルスの対応を得意としており、複数企業に高く評価されている。資格は精神保健指定医、精神科専門医、公認心理師、認知症サポート医、日本スポーツ協会公認スポーツドクターなど。

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