リワークや就労支援、復職に関する基本用語・専門用語の解説集です。
休職中の基礎知識
- リワーク
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リワークとは、メンタルヘルス不調で休職している方が、元の職場へ戻るために行う復職準備です。「Return to Work」をもとにした言葉で、生活リズムの改善、体力づくり、ストレスへの対処、コミュニケーション練習、仕事を想定した作業などに取り組みます。医療機関、地域障害者職業センター、障害福祉サービスの事業所などで受けられますが、対象者や内容、費用は施設ごとに異なります。目的は、早く職場へ戻ることではなく、復職後も安定して働き続けられる状態を整えることです。リワークを修了しても復職が自動的に決まるわけではないため、主治医や会社と相談しながら利用を進めます。
- 復職支援
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復職支援とは、病気やけがで休職している従業員が、安全に職場へ戻り、復職後も安定して働けるように支える取り組みです。休職中の連絡や相談、主治医の診断書、産業医等との面談、復職できるかどうかの判断、勤務時間や業務量の調整、復職後の面談までが含まれます。リワークが主に本人の復職準備を指すのに対し、復職支援は会社側の受け入れ準備も含む、より広い考え方です。企業は本人の努力だけに任せず、長時間労働、業務量、人間関係など、職場側に不調の原因がなかったかも確認します。本人、主治医、会社、支援施設が役割を分担することが重要です。
- セルフリワーク
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セルフリワークとは、休職中の方が自宅や図書館などを使い、自分で行う復職準備のことです。法律で定められた正式な制度ではなく、一般的な呼び方です。睡眠や食事、気分、疲労を記録するほか、決まった時間に起きる、読書やパソコン作業をする、通勤時間帯に外出するといった練習を行います。費用を抑えて始めやすい一方、自分の回復状態や活動量を客観的に判断しにくい点には注意が必要です。作業後に寝込む、睡眠が乱れる、気分の落ち込みが強くなる場合は、活動量を減らして主治医へ相談してください。一人での継続が難しい場合は、専門的なリワーク施設の利用も検討します。
- 段階的復職
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段階的復職とは、休職前と同じ勤務時間や業務量へ一度に戻すのではなく、体調を確認しながら仕事の負荷を少しずつ増やす復職方法です。例えば、最初は短時間勤務や負担の少ない定型業務から始め、その後に勤務時間、担当業務、責任範囲を広げます。復職直後は緊張によって一時的に働けても、数週間後に疲れがたまることがあります。そのため、出勤できたかだけでなく、睡眠、作業の正確さ、帰宅後や翌日の疲労も確認します。会社は、短時間勤務を行う期間、残業や出張の制限、通常勤務へ戻す条件を復職支援計画へ記載し、定期面談で見直すことが大切です。
- 再休職予防
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再休職予防とは、復職した方が同じような不調を繰り返し、再び休職することを防ぐための取り組みです。本人は、休職に至った経緯、体調が悪化する前のサイン、ストレスを感じやすい状況、必要な対処方法を整理します。例えば、眠れない日が増える、ミスが多くなる、焦りが強くなるなどの変化を初期サインとして決めておきます。サインが現れたときの相談先や休み方も準備しておくことが重要です。ただし、再休職の予防を本人の自己管理だけに任せてはいけません。企業も、業務量、残業、役割、人間関係などを確認し、定期面談や勤務調整を行う必要があります。
利用できる支援機関・福祉サービス
- 医療リワーク
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医療リワークとは、精神科や心療内科などの医療機関が、治療の一環として行う復職支援です。医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、心理職などが関わり、病気への理解、生活リズムの改善、認知行動療法に基づく学習、運動、個人作業、グループワークなどを行います。症状や薬について医療職へ相談しながら進められるため、治療との連携を重視したい方に適しています。健康保険や自立支援医療制度を利用できる場合がありますが、すべての医療リワークが同じ内容とは限りません。対象となる病気、通所頻度、費用、現在の主治医を変更する必要があるかなどを、利用前に確認することが大切です。
- 職リハリワーク
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職リハリワークとは、地域障害者職業センターが行うリワーク支援を、医療リワークと区別するために使われる呼び方です。正式な制度名ではありません。「職リハ」は職業リハビリテーションの略で、働くために必要な力を整え、職場へ戻りやすくする支援を意味します。生活記録、作業課題、ストレス対処、コミュニケーション練習などに取り組みます。本人への訓練だけでなく、会社に対して、復職後の仕事内容や必要な配慮について助言する点も特徴です。原則として民間企業などに在籍する休職者が対象となり、公務員などは対象外となる場合があります。本人と会社の双方がセンターへ相談して進めます。
- 福祉リワーク
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福祉リワークとは、自立訓練や就労移行支援などの障害福祉サービスを利用して行う復職支援の通称です。「福祉リワーク」という名前の正式な制度があるわけではありません。生活リズム、運動、体調管理、ストレス対処、コミュニケーション、パソコン作業などを通して、復職や就職に必要な力を整えます。医療リワークが治療との連携を重視するのに対し、福祉リワークは日常生活や社会参加、働くためのスキルを幅広く支援する傾向があります。利用には市区町村への申請が必要です。障害者手帳がなくても対象になる場合がありますが、利用できるかどうかは自治体が判断するため、事業所と市区町村の両方へ確認します。
- 企業内リワーク
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企業内リワークとは、会社が自社の休職者に対して行う復職準備のことです。統一された正式な制度ではないため、内容は企業によって異なります。通勤練習、職場への短時間滞在、研修資料の閲覧、社内での作業練習などが行われる場合があります。実際の通勤経路や職場環境に近い場所で、復職への準備状況を確認できることが特徴です。一方、休職中の従業員に会社の指示で仕事をさせる場合は、賃金や労働時間、労災保険などの整理が必要です。本人と上司だけで曖昧に始めず、人事担当者や産業医等を交え、目的、期間、実施内容、中止する条件、事故が起きた場合の対応を事前に決めます。
- 地域障害者職業センター
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地域障害者職業センターとは、障害や病気のある方の就職・復職と、企業の雇用管理を支援する公的な専門機関です。各都道府県に設置され、メンタルヘルス不調で休職している方には、主治医の助言を得ながらリワーク支援を行います。本人は生活記録、作業課題、ストレス対処、コミュニケーション練習などに取り組みます。企業は、復職後の仕事内容や受け入れ方法について助言を受けられます。医療機関ではないため、診断や治療、薬の調整は行いません。また、センターが復職を決定するわけでもありません。対象者や利用方法は地域によって異なるため、本人と企業の双方が管轄のセンターへ相談します。
- 就労移行支援
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就労移行支援とは、障害や病気があり、一般企業への就職を目指す方を対象に、働くための知識や能力を身に付ける障害福祉サービスです。利用期間は原則最長2年間で、体調や生活リズムの安定から始まり、パソコンや軽作業、コミュニケーション練習、企業実習など幅広くサポートします。基本的には新しい職場への就職を目指すサービスであり、事業所が直接仕事の斡旋(職業紹介)を行うことはありませんが、応募書類の作成や面接対策など、実際の就職活動に必要なサポートは支援員が一緒に行います。また、一定の条件を満たす休職者が、元の職場への復職(リワーク)のために利用できる場合もあります。
利用には市区町村への申請と障害福祉サービス受給者証の交付(支給決定)が必要です。休職者が復職目的で利用する場合は、会社や主治医との連携に対応している事業所かどうかを事前に確認することが大切です。
- 自立訓練(生活訓練)
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自立訓練(生活訓練)とは、障害や病気のある方が、安定した日常生活や社会生活を送れるように支援する障害福祉サービスです。睡眠、食事、服薬、金銭管理、家事、外出、人との関わりなど、生活の基礎を整えます。休職者向けの支援を行う事業所では、運動、ストレス対処、自己理解、作業練習などを組み合わせ、復職準備を進める場合があります。就労移行支援が就職活動や仕事の技能を重視するのに対し、自立訓練は生活の安定を重視します。利用には市区町村への申請が必要です。すべての事業所が復職支援を行っているわけではないため、会社との連携やプログラムの内容を見学時に確認します。
- 就労定着支援
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就労定着支援とは、障害福祉サービスを利用して一般企業へ就職・復職した方が、職場で働き続けられるように支援するサービスです。働き始めた後に生じる生活リズム、体調、業務、人間関係などの悩みについて相談でき、必要に応じて勤務先や医療機関との調整も行います。支援者は、本人が体調を管理する方法や、会社が実施できる配慮を一緒に考えます。2024年の制度見直しにより、福祉サービスを利用して元の職場へ「復職」した方についても本サービスを活用できる仕組みが明確に整理されました。原則として、復職から6ヶ月が経過した後に利用を開始し、最長3年間の支援を受けられます。ただし、休職・復職したすべての方が利用できるわけではなく、対象となる福祉サービスの利用歴などに条件があります。利用を検討する場合は、自分が対象になるかを事業所と市区町村へ確認する必要があります。
- 就労継続支援
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就労継続支援とは、通常の事業所に雇用されることが困難な方に対し、働く機会の提供や、知識・能力の向上に必要な訓練を行う障害福祉サービスです。雇用契約を結んで働きながら支援を受ける「A型」と、雇用契約を結ばずに体調に合わせて自分のペースで働き、工賃を受け取る「B型」の2種類があります。就労移行支援が「一般企業への就職(または復職)」を目指し最長2年間利用できるのに対し、就労継続支援は利用期間の制限がなく、事業所内で働き続けることを目的とする点に違いがあります。
復職(リワーク)・就労支援プログラム
- ジョブリハーサル(模擬業務)
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ジョブリハーサルとは、実際の仕事に近い課題や役割を設定し、復職後の働き方を練習するプログラムです。資料作成、データ入力、予定管理、チームでの課題、報告・連絡・相談などを行い、集中力、作業の正確さ、時間管理、コミュニケーション、疲労への対処を確認します。単なるパソコン練習ではなく、期限、役割分担、予定変更など、仕事で起こりやすい負荷を取り入れる点が特徴です。課題を終えられたかだけでなく、どの場面で疲れや焦りが強くなったか、必要な休憩や相談ができたかを振り返ります。ただし、実際の仕事そのものではないため、この結果だけで復職できるかを判断することはできません。
- 職場実習(企業実習)
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職場実習(企業実習)とは、就労移行支援の訓練の一環として、実際の企業に出向いて数日から数週間程度の就労体験を行うプログラムです。実際の職場で作業を行うことで、自分に合った業務内容、必要な体力や集中力、通勤の負担、求められる合理的配慮などを具体的に確認できます。企業側にとっても、本人の作業能力や特性を事前に把握できるメリットがあります。実習は原則無給で行われ、実習後の振り返りを通して課題を整理し、採用面接や職場定着に活かします。
- 模擬就労
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模擬就労とは、事業所内を実際の職場に見立てて、出勤から退勤までの一連の業務フローを体験するプログラムです。例えば、挨拶、朝礼、指示受け、データ入力や軽作業、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)、休憩の取り方などを実践形式で行います。単なる作業スキルだけでなく、上司役(支援員)や同僚役(他の利用者)とのコミュニケーション、作業に遅れが出た場合の対処、疲労の蓄積度合いなどを確認します。実社会に近い緊張感の中で、自身の課題や必要な配慮を浮き彫りにすることが目的です。
- 職場復帰支援プログラム
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職場復帰支援プログラムとは、休職した従業員が職場へ戻るまでの手順を、企業にあらかじめ決めておく仕組みです。休職中の連絡方法、診断書の提出、産業医等との面談、復職可否の判断、勤務条件の調整、復職後のフォローなどを定めます。会社全体で共通して使うルールであり、従業員一人ひとりに作成する「復職支援計画」とは異なります。判断者や必要書類が曖昧だと、担当者によって対応が変わり、本人とのトラブルにつながる可能性があります。企業は就業規則や休職規程との整合性を確認し、人事担当者、上司、産業医等の役割や情報共有の範囲まで具体的に決めておくことが大切です。
制度・費用・手続き
- 障害福祉サービス受給者証
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障害福祉サービス受給者証とは、自立訓練や就労移行支援などの障害福祉サービスを利用するために、市区町村から交付される書類です。利用できるサービスの種類、利用期間、利用できる日数、自己負担の上限額などが記載されます。障害者手帳とは別の書類であり、手帳を持っていなくても、医師の診断書や意見書などによって交付される場合があります。一般的には、市区町村の窓口へ申請し、本人の生活状況や希望する支援について確認を受けます。申請から交付まで時間がかかることもあるため、休職期限が決まっている方は早めに相談しましょう。必要書類や手続きは自治体によって異なるため、住民票のある市区町村へ確認します。
- 自立支援医療制度
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自立支援医療制度のうち精神通院医療は、精神疾患の治療を続ける方の通院医療費を軽減する制度です。対象になると、指定された医療機関や薬局における自己負担が原則1割となり、所得などに応じて1か月の負担上限額が設定されます。診察や薬だけでなく、精神科デイケアや訪問看護などが対象になる場合もあります。医療リワークが精神科デイケアなどとして行われている場合は、この制度を利用できる可能性があります。ただし、福祉施設で行うリワークや交通費など、すべての費用が対象になるわけではありません。利用には申請が必要なため、通院先、リワーク施設、市区町村へ対象範囲を確認してください。
支援の進め方・評価
- 就労アセスメント
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就労アセスメントとは、本人の得意な作業、苦手な環境、体力、疲労の現れ方、必要なサポートなどを客観的に整理・評価するプロセスです。利用初期や定期的な面談で実施されます。単に「作業ができるか」をテストするのではなく、どのような環境や配慮があれば安定して力を発揮できるかを把握することが主な目的です。評価結果は本人と支援員で共有され、施設での「個別支援計画」の作成や、企業へ伝える「合理的配慮」の整理に活用されます。自身の特性を理解する「自己理解」を深める上でも重要です。
- 個別支援計画
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個別支援計画とは、障害福祉サービスの事業所などが、利用者一人ひとりの希望や課題に合わせて作成する支援計画です。復職支援では、「生活リズムを整える」「週5日通所する」「疲れのサインに気づく」「会社へ必要な配慮を説明する」など、具体的な目標を設定します。そのうえで、利用するプログラム、支援者が行う対応、達成状況を確認する時期を決めます。会社が復職後の勤務条件をまとめる「復職支援計画」とは異なり、個別支援計画は主に施設内での支援内容を整理するものです。事業所が一方的に決めるのではなく、本人と話し合いながら作成し、体調や復職予定の変化に応じて見直します。
回復・再発予防
- 生活リズム改善
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生活リズム改善とは、起床、就寝、食事、服薬、外出などの時間を整え、勤務日に近い生活を安定して続けられる状態を目指す取り組みです。休職中は出勤する必要がなくなるため、朝起きる時間が遅くなったり、昼寝が長くなったりして、夜に眠れなくなることがあります。リワークでは、毎日の睡眠、活動、気分、疲労を記録し、決まった時間に施設へ通うことで生活を整えます。大切なのは、一日だけ早起きできることではありません。日中に活動したあとも体調を崩さず、同じ生活を繰り返せることです。急に休職前の生活へ戻そうとせず、主治医や支援者と相談しながら段階的に調整します。
- 疲労マネジメント
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疲労マネジメントとは、自分がどのような場面で疲れやすいかを知り、休憩や活動量の調整によって体調の悪化を防ぐ方法です。復職準備では、作業中は問題がなくても、帰宅後や翌日に強い疲れが現れることがあります。そのため、作業時間だけでなく、集中力、ミス、頭痛、肩こり、焦り、睡眠なども記録します。例えば、疲労を10段階で記録し、一定の数値を超えたら休憩する、予定を減らす、支援者へ相談するといった対応を決めます。疲れを完全になくすことが目的ではありません。早い段階で疲労に気づき、悪化する前に対処できる状態を目指します。企業側も、休憩や業務調整を行える環境を整えることが必要です。
- ストレスマネジメント
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ストレスマネジメントとは、自分が何にストレスを感じ、心や体にどのような反応が出るかを把握し、負担を軽くする方法を身に付ける取り組みです。リワークでは、仕事で負担になりやすい状況を整理し、相談する、予定を調整する、問題を小さく分ける、呼吸を整えるなどの対処方法を練習します。ストレスを完全になくすことが目的ではありません。ストレスが強くなる前に変化へ気づき、その場に合った対処方法を選べることが大切です。また、休職の原因を本人の考え方や性格だけに求めてはいけません。業務量、残業、役割、人間関係などに問題がある場合は、企業側も職場環境を見直す必要があります。
- 認知行動療法(CBT)
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認知行動療法とは、ある出来事をどのように受け止めたかという「考え方」と、そのときの感情や行動の関係を整理する心理療法です。英語のCognitive Behavioral Therapyを略してCBTとも呼ばれます。リワークでは、「失敗してはいけない」「周囲へ迷惑をかけてはならない」など、自分を追い込みやすい考え方に気づき、ほかの見方や行動を考えます。単に前向きに考えたり、悪い考えを否定したりする方法ではありません。また、休職の原因を本人の受け止め方だけに求めるものでもありません。医療機関で治療として行われる認知行動療法と、リワークの講座で考え方を学ぶプログラムでは、内容や目的が異なる場合があります。
会社との調整・復職手続き
- 復職支援計画
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復職支援計画とは、休職者が安全に職場へ戻るために、復職後の働き方や支援方法を個別にまとめた計画です。復職日、勤務時間、担当業務、残業や出張の制限、上司との面談頻度、通常勤務へ戻す条件などを記載します。会社全体の基本的な手順を定める「職場復帰支援プログラム」と異なり、一人ひとりの状態や仕事内容に合わせて作成します。主治医の診断書、産業医等の意見、本人の希望、職場の受け入れ体制をもとに検討します。本人の病名や詳しい面談内容を上司へすべて伝える必要はありません。必要な配慮や勤務上の注意事項に情報を絞り、復職後の状態に応じて計画を見直します。
- 復職判定
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復職判定とは、休職中の従業員が職場へ戻れる状態かどうかを、会社が判断する手続きです。主治医から「復職可能」という診断書が出ても、それだけで復職が決まるわけではありません。主治医は治療や日常生活の回復を中心に判断しており、実際の仕事内容を詳しく知らない場合があるためです。会社は、通勤、勤務時間、集中力、判断力、対人対応、予定する業務、職場の受け入れ体制などを確認します。産業医等がいる場合は面談を行い、医学的な意見を参考にします。判断基準が人によって変わらないよう、必要書類、面談の流れ、判断する担当者、再判定の方法を社内規程で明確にしておくことが重要です。
- 復職可能診断書
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復職可能診断書とは、主治医が医学的な視点から、患者が職場復帰を検討できる状態にあることを会社へ伝える書類です。法律で統一された名称や書式はなく、「復職可能」「就労可能」など、医療機関によって表現が異なります。主治医は患者の日常生活や治療経過を把握していますが、会社で行う具体的な仕事までは知らない場合があります。そのため、診断書が提出されても自動的に復職できるわけではありません。会社は産業医等との面談や本人への聞き取りを行い、予定する業務との適合を確認します。必要に応じて、本人の同意を得たうえで、勤務時間や業務内容を主治医へ伝え、必要な配慮について意見を求めます。
- 産業医面談
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産業医面談とは、産業医が従業員の健康状態と仕事内容を確認し、安全に働くために必要な配慮を会社へ伝える面談です。復職時には、治療状況だけでなく、睡眠、生活リズム、通勤、集中力、疲労、不調の初期サイン、本人が希望する配慮などを確認します。主治医が治療を中心に考えるのに対し、産業医は職場環境や実際の業務を踏まえて意見を述べます。例えば、短時間勤務、残業や出張の制限、業務量の調整などです。ただし、産業医が最終的な復職可否を決めるわけではありません。会社が産業医の意見を参考に判断します。健康情報は必要な範囲に限定し、上司へ詳しい病状をそのまま伝えない配慮も必要です。
- 通勤訓練
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通勤訓練とは、正式に復職する前に、実際の出勤時間や通勤経路を使って移動し、通勤に耐えられるかを確認する練習です。職場付近まで移動し、近くの図書館などで一定時間を過ごして帰宅する方法もあります。確認するのは、職場付近まで行けたかだけではありません。朝に起きられたか、電車の混雑に対応できたか、移動後や翌日に強い疲れが残らないかを記録します。一度できても、週5日継続できるとは限らないため、複数回行って体調を確認します。職場の建物へ入る場合は、会社へ事前に相談してください。実際の仕事や社内研修を行う「試し出勤」とは、目的や会社での扱いが異なります。
- 試し出勤
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試し出勤とは、正式な復職前に休職者が職場へ出向き、職場環境への適応や勤務への準備状況を確認する制度です。職場で過ごすだけの場合もあれば、研修や簡単な作業を行う場合もあり、内容は会社によって異なります。通勤経路を移動するだけの通勤訓練とは違い、職場へ入り、上司や同僚と接することが特徴です。実際に仕事を行う場合は、賃金、労働時間、労災保険、傷病手当金への影響などを整理する必要があります。本人と上司だけで始めず、人事担当者や産業医等を交えて、目的、期間、行う活動、中止する基準、事故が起きた場合の対応を決めます。会社は人事労務上の位置づけを明確にしておくことが重要です。
- 合理的配慮
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合理的配慮とは、障害のある方が職場で働く際の困りごとを減らすために、企業が過重な負担にならない範囲で行う個別の調整です。2024年4月の法改正により、すべての事業者による合理的配慮の提供が義務化されました。具体的には、指示を文章でも伝える、静かな席を用意する、定期的な面談を行う、通院時間を確保するなどが考えられます。なお、障害者手帳を持っていなくても、医師の診断や意見書等により対象となる場合がありますが、休職したすべての方に自動適用されるわけではありません。本人が仕事上の困りごとを伝え、会社と話し合って内容を決めます。希望した対応が必ずそのまま認められるとは限らず、業務への影響や企業の負担を確認し、難しい場合は別の方法で支障を減らせないか検討することが求められます。
- 復職後フォローアップ
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復職後フォローアップとは、職場へ戻った従業員の体調や仕事への適応を定期的に確認し、再休職を防ぐ支援です。復職直後は緊張により働けていても、数週間後に疲れがたまることがあります。そのため、出勤状況、睡眠、疲労、集中力、ミス、業務量、人間関係などを継続して確認します。復職直後は週1回、その後は隔週や月1回など、状態に合わせて面談頻度を調整します。安定していれば業務を少しずつ増やし、不眠や疲労が強くなった場合は、残業制限や業務量を見直します。復職支援は復職日に終わるものではありません。通常勤務へ移行し、安定して働ける状態を確認するまで続けることが大切です。
離職後の就職・働き方
- 障害者雇用枠と一般枠
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障害者雇用枠と一般枠とは、企業が採用を行う際の求人区分のことです。障害者雇用枠は障害者手帳をお持ちの方が対象で、障害特性に応じた業務調整や合理的配慮を得やすい特徴があります。一方、一般枠は手帳の有無を問わず応募できますが、配慮の範囲は企業との相談によります。また、障害を開示して働く「オープン就労(障害者雇用枠や配慮付き一般枠)」と、開示せずに働く「クローズ就労(一般枠)」という働き方の違いもあります。