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休職 復職 復職支援(リワーク) メンタル不調 労災

休職と労災の関係は?休業補償の期間や手続き、認定基準を解説

従業員が業務上の傷病やメンタルヘルスの不調で休職した場合、労災認定や休業補償の対応に迷う人事・労務担当者は少なくありません。

本記事では、労災の基本的な仕組みから、休業補償給付の要件・支給期間・申請手続きの流れ、精神疾患における労災認定基準までを体系的に解説します。職場環境の改善策や復職支援の進め方についても取り上げていますので、適切な労務管理にお役立てください。

社員がメンタル不調で休職…どう対応すべき?
復職支援(リワーク)という選択肢と具体的な支援内容

社員がメンタル不調で休職した際、「復職までどう支援すべきか」と悩む企業担当者は少なくありません。対応次第で、再休職や離職リスクが高まるケースもあります。
本資料では、再発防止と安定就労を目的とした復職支援(リワーク)の具体的な支援内容や流れや企業との連携方法についてご紹介します。自社での対応に限界を感じている方は、ぜひご活用ください。

従業員の休職と労災の基礎知識

労災(労働災害)には、業務が原因で発生する「業務災害」と、通勤中に生じる「通勤災害」の2種類があります。この制度は正社員に限らず、アルバイトやパートタイマーにも適用されます。なお、労災による休業中は会社の就職規則に基づく「休職」制度が適用されるケースが一般的ですが、法的には「休業」として保護されます。

労災による休業中は、労働基準法第19条によって労災による療養のために休業する期間、およびその後30日間は解雇が禁止されているため、従業員は法的に保護された状態で療養に専念できます。また、適応障害やうつ病といったメンタルヘルスの不調も、業務に起因する場合は労災認定の対象となり得ます。

参考:e-GOV法令検索|労働基準法(解雇制限)第十九条

業務災害と通勤災害の定義

業務災害とは、「業務遂行性」と「業務起因性」の2つの要件を満たす傷病を指します。業務遂行性とは労働者が使用者の支配下にある状態を意味し、業務起因性とは業務と傷病の間に相当な因果関係があることを意味します。

一方、通勤災害は、住居と就業場所の間の往復など、合理的な経路・方法による移動中に発生した傷病が該当します。どちらの災害に分類されるかによって、労災保険の請求時に使用する様式が異なり、業務災害の場合は様式第8号、通勤災害の場合は様式第16号の6を提出する必要があります。

精神疾患の労災認定基準

精神疾患の労災認定には、認定基準の対象となる精神疾患を発病しており、発病前のおおむね6ヶ月の間に業務による強い心理的負荷が認められること、加えて業務以外の要因により発病したとは認められないことが条件となります。

心理的負荷の評価では、生死にかかわる重大な負傷や、セクシュアルハラスメント、過度な長時間労働などが「特別な出来事」として評価の対象になります。実際の認定事例として、新規事業のプロジェクトリーダーに任命された従業員が、月90〜120時間の時間外労働を続けた結果、適応障害を発病し、労災認定されたケースが厚生労働省から公表されています。なお、長時間労働だけでなくパワハラや過重な責任など、複数の要因が複合的に評価される点に注意が必要です。

参考:厚生労働省|業務による心理的負荷評価表
参考:厚生労働省|精神障害の労災認定 過労死等の労災補償 Ⅱ

社員がメンタル不調で休職…どう対応すべき?
復職支援(リワーク)という選択肢と具体的な支援内容

社員がメンタル不調で休職した際、「復職までどう支援すべきか」と悩む企業担当者は少なくありません。対応次第で、再休職や離職リスクが高まるケースもあります。
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労災保険の休業補償給付とは?

休業(補償)給付は、労災による傷病の療養のために働けず、賃金を受けていない労働者に対して、失われた収入を補填する制度です。支給額は、給付基礎日額(平均賃金相当額)の60%にあたる休業(補償)給付に、20%の休業特別支給金を加えた合計80%となります。

なお、通勤災害による休業給付を受ける場合は、初回の給付額から一部負担金として200円が控除される点に注意が必要です。

参考:
厚生労働省|労働災害が発生したとき
厚生労働省|請求(申請)のできる保険給付等 請求(申請)のできる保険給付等
厚生労働省|休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続

給付の対象となる3つの要件

休業(補償)給付を受けるには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 業務上の理由や通勤による負傷・疾病であること(業務災害または通勤災害)
  • 療養のため労働することができない状態であること(労働不能)
  • 労働できないために賃金を受けていないこと(無給状態)

これら3つの要件を満たした上で、労災保険からの給付が始まるのは休業4日目からとなります。最初の3日間は「待期期間」と呼ばれ、労災保険の支給対象には含まれません。休業日数が3日以下の場合には、休業(補償)給付そのものを受給できないため、休業が4日以上にわたるかどうかが支給の分かれ目になります。

参考:e-GOV法令検索|労働者災害補償保険法 第十四条

最初の3日間(待期期間)の扱い

休業開始から3日間の待期期間中、業務災害の場合は労働基準法第76条に基づき、企業が平均賃金の60%を休業補償として支払う義務を負います。企業によっては、給与相当額を全額支給するケースも見られます。この支払いは労災保険からではなく、企業が直接負担する法定の補償責任であるという点に注意が必要です。一方、通勤災害の場合は、この3日間について企業に法的な償義務はありません。

そのため、通勤災害で休業する従業員は、有給休暇を取得して収入を確保する方法が考えられます。つまり、待期3日間を有給休暇にすることで、結果として企業が賃金を負担する形も取り得ることが可能です。4日目以降は労災保険から休業(補償)給付が支給されます。

参考:e-GOV法令検索|労働基準法 第七十六条(休業補償)

社員がメンタル不調で休職…どう対応すべき?
復職支援(リワーク)という選択肢と具体的な支援内容

社員がメンタル不調で休職した際、「復職までどう支援すべきか」と悩む企業担当者は少なくありません。対応次第で、再休職や離職リスクが高まるケースもあります。
本資料では、再発防止と安定就労を目的とした復職支援(リワーク)の具体的な支援内容や流れや企業との連携方法についてご紹介します。自社での対応に限界を感じている方は、ぜひご活用ください。

休業補償の期間はいつまで支給される?

休業(補償)給付は、健康保険の傷病手当金とは異なり、支給期間に上限が設けられていません。原則として、傷病が治癒するか、医学的にこれ以上の改善が見込めない「症状固定」と診断されるまで、前述の3つの受給要件を満たす限り支給が継続します。

ただし、症状固定後の障害の程度や、療養が長期にわたる場合には、別の給付へ切り替わることがあります。

参考:厚生労働省|請求(申請)のできる保険給付等 請求(申請)のできる保険給付等

症状固定と打ち切りのリスク

症状固定とは、これ以上治療を続けても医療的な改善が見込めないと判断された状態を指します。痛みや症状が残っていても、医師が症状固定と診断すると「療養のため」という要件を満たさなくなり、休業補償の支給は停止されます。

症状固定後に障害が残った場合、障害等級第1級から第7級に該当すれば障害(補償)給付(年金)へ、第8級から第14級であれば一時金へ切り替わります。

また、療養開始から1年6ヶ月が経過しても傷病が治癒せず、傷病等級第1級から第3級に該当する場合は、労働基準監督署長の職権により傷病(補償)等年金へ移行します。

短時間出勤やリハビリ通勤時の扱い

リハビリのために短時間だけ出勤した場合でも、休業補償がただちに打ち切られるわけではありません。所定労働時間の全部は働けず、一部しか働いけないため賃金も一部しか支払われていないという状態であれば、休業補償が支給されます。その場合、短時間勤務で得た賃金が給付基礎日額を下回るときは、給付基礎日額から実際に支払われた賃金を差し引いた額の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。

また、出勤できる状態になっても、リハビリ通勤のために休業が必要な日があれば、その日に賃金が支払われない限り補償の対象となり得ます。ただし、働いていない時間に対して給付基礎日額と実際の賃金との差額の60%以上が企業から支払われている場合は、給付の対象外となるため注意が必要です。

労災の申請手続きと振込までの流れ

休業(補償)給付の請求手続きは、企業が代行するケースが多いものの、被災した従業員が個人で申請することも可能です。

手続きの大まかな流れは、次の3段階で進みます。

  1. 労働者(請求人)による請求書の作成・提出
  2. 労働基準監督署による調査と支給・不支給の決定
  3. 厚生労働省(労働局)による給付金の振込

参考:厚生労働省|労災保険請求のためのガイドブック

支給が決定すると、指定口座に補償金が振り込まれます。不支給決定に不服がある場合は、労働者災害補償保険審査官への審査請求などの手段で申し立てを行うことができます。

1ヶ月ごとの定期的な請求

休業(補償)給付の請求権は、賃金の支払いを受けられなかった日が到来するたびに発生します。従業員の賃金が月給制の場合は、1ヶ月ごとに請求権が生じるため、生活費を確保する観点から毎月の請求が望ましいとされています。

2回目以降の請求時にも、医師による「療養のため労働できなかった」旨の証明を添付する必要があり、請求のたびに労働不能の状態が確認されます。なお、請求権の時効は発生日ごとにその翌日から2年間です。時効内であればまとめて請求することも可能ですが、速やかに手続きを進めることが、従業員の経済的な安定につながります。

企業側が用意すべき書類と対応

企業は、労働災害により従業員が死亡または休業した場合、遅滞なく「労働者死傷病報告」を労働基準監督署長に提出する義務があります。加えて、休業(補償)給付の請求書には事業主証明欄があり、賃金台帳や出勤簿の写しなどを添付して手続きに協力することが求められます。

従業員が適応障害などのメンタルヘルス不調で休職する際は、就業規則に基づいて休職期間を定め、休職中の給与や手当の有無を明確にしておくことが大切です。

労災認定を受けている場合は休業補償給付の対象となりますが、私傷病による休職では企業に給与を支払う法的義務はないため、制度の違いを正確に把握しておく必要があります。

社員がメンタル不調で休職…どう対応すべき?
復職支援(リワーク)という選択肢と具体的な支援内容

社員がメンタル不調で休職した際、「復職までどう支援すべきか」と悩む企業担当者は少なくありません。対応次第で、再休職や離職リスクが高まるケースもあります。
本資料では、再発防止と安定就労を目的とした復職支援(リワーク)の具体的な支援内容や流れや企業との連携方法についてご紹介します。自社での対応に限界を感じている方は、ぜひご活用ください。

メンタルヘルス不調による休職を防ぐ職場環境の改善

メンタルヘルス不調による休職を未然に防ぎ、復職後の再発を防止するためには、企業による組織的な取り組みが欠かせません。定期的なストレスチェックを実施して従業員の心理的負荷を把握するとともに、職場環境そのものを見直すことが、不調の早期発見と予防につながります。

従業員個人のセルフケアに頼るだけでなく、産業医との連携や復職支援体制の整備といった仕組みづくりが重要です。

産業医との連携と適切な配慮

ストレスチェックで高ストレス者と判定され、本人が面接指導を希望した場合、産業医などの医師が面接を実施することが労働安全衛生法で定められています。産業医は従業員への指導に加え、事業者に対しても就業上の措置に関する意見を述べる役割を担っています。

主治医の診断だけではなく、職場環境や業務内容を把握している産業医の見解を取り入れることで、より実態に即した配慮が可能になります。主治医と産業医の意見が異なる場合については、職場復帰の最終決定権は企業にあるものの、産業医の意見を尊重すべきと考えられています。

さらに、従業員本人のセルフケアを促すだけでなく、職場のレイアウトや労働時間、作業方法の見直しといった組織的な環境改善にも取り組むことが、メンタルヘルス不調の予防には大切です。

復職支援(リワーク)の重要性

「病状の回復」と「就労が可能な状態」のタイミングは、かならずしも一致しません。そのため、復職にあたっては段階的なステップを踏むことが大切です。厚生労働省が示す試し出勤制度には、勤務時間帯にデイケアなどで過ごす「模擬出勤」、通勤経路を実際に移動する「通勤訓練」、職場に試験的に出勤する「試し出勤」の3種類があり、再休職のリスク軽減に役立ちます。

また、医療機関や地域障害者職業センターが提供するリワークプログラムも活用できます。復職の判断にあたっては、医療機関・対象労働者とその家族・事業場の三者間で情報を共有し、適切な時期を見極めることが、復職後の定着につながります。

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ニューロリワーク」では、脳と身体の健康に良い生活習慣を身に付ける「ブレインフィットネスプログラム」を行っております。運動・食事・睡眠・ストレスケア・知的刺激・人間関係の6領域をバランスよく整えることで、心身のコンディションが安定し、メンタル不調による再休職の防止につなげています。

復職支援(リワーク)に加え、就労移行支援や自立訓練(生活訓練)など、一人ひとりの目標や課題に合わせた柔軟なサポート体制も特徴です。復職後の定着支援にも力を入れておりますので、従業員の復職についてお悩みの人事・産業保健ご担当の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修者

山下 真由美

特定社会保険労務士、行政書士

東京都港区で行政書士及び社会保険労務士事務所を開業し、労働社会保険の手続きや労務相談はもちろん、外国人の在留資格に関する手続きから労務管理までトータルで承ることが可能です。そのほかにも、著作権不明者の作品を利用するための裁定申請や相続・遺言を取り扱っています。頼れる街の法律家として、ご相談いただいた一つ一つの事件に丁寧に向き合い、お役に立てるよう精一杯のお手伝いをさせていただいています。

ホームページ:https://officeyamashita.sk-omotesando.com/

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