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休職 再休職 復職 復職支援(リワーク) メンタル不調

休職を繰り返す社員への対応|解雇の可否や再休職を防ぐ規定を解説

休職と復職を繰り返す社員への対応に悩む企業も少なくありません。メンタル不調による休職は企業にとってめずらしい問題ではなく、適切に対応しなければ職場の生産性低下や法的リスクにつながる可能性があります。

この記事では、休職を繰り返す社員への対応方法や解雇の可否、再休職を防ぐための就業規則の整備方法について詳しく解説します。

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休職を繰り返す社員が組織に与える深刻な影響

休職と復職を繰り返す社員がいることで、他の従業員の業務負担が増大し、職場全体の士気や生産性が低下するリスクがあります。急な欠勤や休職のたびに引き継ぎ作業が発生し、周囲の従業員には「いつ休むかわからない」という不安が広がります。

特に中小企業など少人数の組織においては、代替要員の確保が難しく、人員不足による過重労働が発生しやすくなります。その結果、周囲の健康な従業員まで疲弊し、連鎖的な離職を招くおそれがあるため注意が必要です。

メンタル不調の放置は、企業の安全配慮義務違反に問われ、損害賠償責任を追及される法的リスクを増大させます。企業は、休職者が発生した事実を単なる個人の問題とせず、組織全体の健全性を守るための重大な経営課題として捉えることが大切です。

業務継続における停滞と引き継ぎのコスト

急な休職が発生すると、案件や役割の引き継ぎが十分に行われないまま業務が停滞する可能性があります。担当者が不在となることで納期の遅延やサービス品質の低下を招き、長年築いてきた企業の信頼を損なう事態にもなりかねません。

また、休職者の業務を他の社員が引き継ぐ必要があるため、周囲の従業員の負担が増加します。引き継ぎ作業や業務調整に時間を要することで、本来の業務に割けるリソースが減少し、組織全体の生産性が低下するおそれがあります。

さらに、休職が繰り返されると「仕事を任せづらい」という不信感が職場に広がり、チームワークが損なわれる可能性があります。欠員の補充や教育コストも重なることで、部署全体のパフォーマンスが著しく阻害されることも考えられます。

安全配慮義務違反による法的リスクの増大

安全配慮義務とは、企業が労働者の生命や健康を危険から守りながら働けるよう必要な配慮を行う法的な義務のことです。安全配慮義務は労働契約法第5条に定められており、企業がこの義務を怠った結果労働者が仕事が原因で心身の不調をきたしたと判断された場合、企業は多額の損害賠償責任を負う可能性があります。

従業員が健康状態を積極的に申告しない場合でも、管理者が変化に気付き適切な措置を講じることが必要です。管理者は部下の様子を日々観察し、過重労働やハラスメントの兆候がある場合は、速やかに事実関係を確認の上必要な業務軽減や当事者間の調整等といった対応が求められます。

メンタル不調の放置は、労働安全衛生法に基づく罰則の対象となる場合があります。たとえば、常時50名以上の労働者を使用する事業場で産業医の選任義務を遵守せず、違反した場合には50万円以下の罰金が科せられるため、法令遵守の徹底が不可欠です。

参考:e-GOV法令検索|労働安全衛生法 第十三条第百二十条

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休職を繰り返す社員の解雇や退職に関する法律の判断

私傷病による休職を繰り返す社員の解雇は、慎重な手続きを踏まなければ不当解雇とみなされるリスクが高いため、客観的な基準に基づいた判断が求められます。

休職期間満了は本来、雇用契約上の労務提供が行えないことによる自然退職や解雇の事由になり得ます。しかし、回復の見込みがある場合に安易に解雇を強行すると、裁判で解雇権の濫用と判断され、無効になる可能性が高くなります。

解雇を検討する前に、業務軽減や配置転換など、企業として解雇回避努力を尽くしたかどうかが重要です。

休職制度がある場合に企業が守るべき手順

就業規則に休職制度が定められている場合、企業は原則として休職期間が満了するまで労働者の雇用を維持し復職の可能性を見極める役割があります。休職制度は心身の不調により一時的に就業が困難となった労働者に対して解雇を猶予し、治療に専念させるための福利厚生の一環として定められた制度です。合理的な理由なく休職期間途中の解雇は、労働契約法第16条で定められている解雇権の濫用とみなされる恐れがあります。

復職の可否は主治医の診断書だけでなく、産業医の意見書なども踏まえて総合的に判断します。産業医は職場環境を理解した上で専門的な知見を提供するため、医学的根拠の信用性を高め、後の法的紛争を避けるための強力な判断材料となります。

病状が著しく重く、期間を消化しても復職の見込みがないと客観的に判断される例外的なケースでは、解雇が認められる場合もあります。ただし、この判断には高度な専門性が必要なため、主治医や産業医からの明確な意見を文書で取得しておく必要があります。

業務上の災害による休職と解雇制限の関係

過重労働やパワハラなど、仕事が原因の不調(労災)の場合は、療養期間中およびその後30日間は解雇できません。これは労働基準法第19条に基づく「解雇制限」に基づいており、違反した場合はその解雇は法律上無効となります。

参考:e-GOV法令検索|労働基準法 第十九条

業務上の疾病と認定された場合、安全配慮義務違反として企業側に解雇の無効や慰謝料の支払いが命じられた判例があります。判例では、本人が不調を自ら申告しなかった場合でも企業側が従業員のメンタルヘルス不調により増悪する兆候を予見し、適切な措置を講じるべきであったと判示されています。

参考:公益社団法人全国労働基準関係団体連合会|解雇無効確認等請求事件

療養が3年以上に及んでもなお治癒しない場合に支払う、「打切り補償」による解雇制限の解除規定についても理解しておくことが大切です。企業が平均賃金の1,200日分を支払うことで、例外的に解雇制限を解除することが認められますが、実務上の運用は慎重に行わなければなりません。こうした運用は理論上は可能といえますが、実務上は極めて限定的なケースに限られるという点にも注意が必要です。

参考:e-GOV法令検索|労働基準法 第八十一条

退職勧奨を行う際の注意点と配慮事項

退職勧奨とは、企業が従業員に対して自発的な退職を促す行為のことです。これは本人の同意を前提とした話し合いであり、強要でなければメンタル不調の社員に対しても適法な範囲で実施可能です。

メンタル不調の社員に対し、強迫的な言動や過度な精神的苦痛を与えるような「違法な退職勧奨」は避けるべきです。特に、退職届の提出を強要したり、長時間拘束して説得を続けたりすると、退職強要とみなされ損害賠償の対象となるリスクがあります。

将来的なトラブルを防ぐため、退職に至るまでの話し合いの記録を保存しておくことが重要です。面談の議事録を作成し、本人と合意した内容を文書化しておくことで、「強制的に辞めさせられた」という後の主張に対する有力な反証資料となります。

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再休職を抑える就業規則の整備・通算規定

就業規則に「休職期間の通算規定」を設けることで、休職の繰り返しを未然に防ぎやすくなります。通算規定を設けることによって一度復職しても同じ原因で短期間で再休職した場合、前の休職期間の続きからカウントできるからです。

合算規定がない場合、短期間の復職によって休職期間がリセットされ、無制限に休みを繰り返されるリスクがあります。リセットを目的とした「不完全な状態での復職」を防ぐことは、休職制度の形骸化を防ぎ、職場環境の安定に繋がります。

通算規定を新設・変更する際は「不利益変更」に該当する可能性があるため、合理性の検討が必要です。過去の裁判例では、メンタル疾患の再発性の高さを考慮し、変更の必要性が認められたケースもありますが、従業員の同意を得る努力は不可欠です。

参考:新日本法規|休職・休業・復職の実務と書式―制度設計と運用のポイントー

「同一または類似の傷病」による期間通算のルール

復職後一定期間(例:6ヶ月)以内に同じ病気で再休職した場合、前の期間と通算する規定を設けることが大切です。この規定により、制度の公平性を保つことができます。

うつ病と骨折など、全く関連のない傷病まで合算対象とするのは不合理であり、対象を絞ることが大切です。あくまで「同一または類似の傷病」による休職を通算の対象とすることで、制度の正当性を保ち、従業員の理解を得やすくなります。

規定に盛り込む場合、たとえば、「復職後6ヶ月以内に同一の事由により再び欠勤するときは、その期間を前後通算する」といった具体的期間を含めて文言を定めます。この期間の設定は、企業の実情に合わせて3ヶ月から6ヶ月程度で検討されることが一般的です。

自然退職および解雇事由に関する明確な規定

休職期間が満了しても治癒しない場合に「自然退職」とする規定を設けることで、解雇権濫用のリスクを軽減できます。自然退職は期間満了による労働契約の終了を指し、事前の規定があれば法的安定性を高めることができます。

治癒とは完治ではなく、従前の業務を通常程度に行える健康状態まで回復することを指すと規定することが重要です。この定義を明確にすることで、日常生活は送れるが業務はできないといった状態での強引な復職の申し出を抑止できます。

就業規則に基づき、期間中の診断書提出義務や病状報告義務を定めておくことも大切です。定期的な報告を義務化することで、企業側は休職者の正確な容態を把握でき、適切な時期に復職可否の判断や環境調整の準備を進めることが可能になります。

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復職可否の適切な判断と医師の意見の活用

安易な復職は再休職や症状の悪化を招くため、医学的根拠に基づいて慎重に見極める必要があります。本人の「働きたい」という意欲も重要ですが、業務遂行能力が回復しているかを客観的に冷静に評価すした上で就労可否の判断および労働時間等業務上の措置を行うことが、安全配慮義務を果たすカギとなります。

復職可否は、原則として「休職前の業務を通常程度に遂行できるくらい回復したか」を基準に考えます。一般的には復職に関する規定の中では復職先を原則休職前と同一部署と定めることが多いですが、職種限定契約の有無に留意が必要です。たとえばシステムエンジニアなど職務が限定されている契約の場合は「元の仕事ができるか」が基準ですが、職種限定がない契約の場合は「元の業務が困難であっても他の仕事ができるか」も含めて検討が必要です。

復職判定においては、主治医の診断書のみを鵜呑みにせず、産業医の意見を併せて聴取すべきです。複数の医師の視点を入れることで判断の客観性が高まり、万が一裁判に発展した際にも、企業が尽くした配慮の合理性を証明する証拠となります。

主治医と産業医の診断におけるメリットと懸念点

主治医は日々の診察を通じて病状の推移にくわしいメリットがありますが、職場の具体的な負荷や業務内容を把握していない懸念があります。また、本人の「復職したい」という意向が診断内容に強く反映されやすい側面も否定できません。

産業医は職場の実情を理解しているため、中立的な立場で「その職場で実際に働けるか」を判断できるメリットがあります。医学的知識と企業実務の橋渡し役として、就業上の具体的な配慮事項を提案するため、スムーズな復職支援には欠かせない存在です。

両者の判断が分かれた場合、結論の妥当性や理由の合理性を企業が総合的に判断すべきです。最終的な復職可否の決定権は企業にありますが、より具体的な職場の負荷を考慮している産業医の意見が重視される傾向にあります。

面談や誓約書を通じた本人の健康状態把握

主治医の診断書に疑問がある場合、本人の書面による同意を得た上で企業担当者が医師から直接意見を聴く手法があります。面談を通じて「残業は可能か」「どの程度の対人業務に耐えられるか」などの具体的な情報を収集することで、精度の高い配置判断が可能になります。

復職にあたっては、通院の継続や規則正しい生活リズムの維持など心身の健康を維持するための合意事項を確認し、安定した就業を継続するための指針をつくっておくとスムーズです。本人の健康管理に対する意識を高めると同時に、万一体調に変化が生じた場合のルールを明確にしておくことで、会社・労働者双方が安心して職場復帰に向き合う環境を整えやすくなります。

また、休職期間中も月1回程度の頻度で病状報告を求め、復職時期の見通しを立てる運用ルールを確立することもスムーズな復職につながります。メールや電話による定期的な状況確認を行うことで、休職者の孤立を防ぎつつ、企業側も代替要員の調整などスムーズな受け入れ準備を整えることができます。休職に入る前に、こうした連絡のルールも取り決めておくことが実務としてはおすすめです。

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再休職を防止するための職場復帰後のサポート

復職直後は生活環境の変化からストレスがかかりやすく再発しやすいため、段階的な業務負荷の調整が必要です。

慣れを待たずにいきなり休職以前と同じ負荷をかけると、心身が適応できず再休職を招くおそれがあります。まずは定時退社の徹底や業務量の削減から始め、数ヶ月かけて元の業務強度へと段階的に戻していく考え方が基本です。

定期的な面談を実施し、本人が抱える不安や体調の変化を早期にキャッチする体制を整えることが大切です。管理職による日常的な声かけや産業医面談を通じて、些細な体調不良のサインを見逃さず、早めに業務調整を行うことが長期的な定着に繋がります。

リハビリ出勤(試し出勤)制度の導入と運用

リハビリ出勤とは、正式な復職前に一定期間、短時間勤務や軽作業から行い、安定した就労が可能かを見極める制度です。目的は、本人の心身を徐々に職場に慣らすことと、企業側が「本当に通常勤務ができるか」を客観的に評価することにあります。

リハビリ出勤は法律で義務付けられた制度ではないため、企業ごとで定めた規定の内容がそのままルールとなるのが基本です。リハビリ出勤中の給与支払いは任意であり無給とすることもできますが、実質的に労務を提供している場合は支払い義務が生じますので注意が必要です。トラブルを防ぐため、事前に賃金の有無やリハビリ中の事故時の補償範囲、実施期間を社内規定で明確にし、本人と合意しておく必要があります。

プログラム例として、「最初の2週間は午前中のみ、次の2週間は16時まで、その後に通常勤務」といった段階的な移行が挙げられます。各ステップで本人の疲労度や眠気の有無をチェックし、産業医が「ステップアップ可能」と判断した上で進めるのが理想的な運用です。

業務負荷の軽減と柔軟な配置転換

復職当初は残業や深夜労働を禁止し、軽作業や補助的な業務から任せるなどの配慮を行うことが大切です。業務の優先順位を整理し、納期の厳しい案件や精神的負荷の高い対人業務を一時的に外すことで、無理なく業務に順応できる環境を作ります。

元の職場への適応が難しい場合、産業医の意見を聴取した上で部署異動や配置転換を検討すべきです。特に対人関係が休職の要因であった場合、環境を変えることで症状が劇的に改善し、再発を防げるケースが少なくありません。

ハラスメントの有無など、休職の根本原因となった職場環境の改善を併せて行うことが不可欠です。個人の問題として片付けるのではなく、長時間労働の是正やラインケアの徹底を行うことで、組織全体のメンタルヘルス向上と再休職の防止を実現できます。

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科学的根拠に基づいたプログラムで社員の安定就労を目指すニューロリワーク

ニューロリワーク」では、メンタル不調で休職中の方に対し、脳科学に基づいて復職の支援を行っています。単なる休息ではなく、再発しにくい心身の状態を目指すことで、スムーズな職場復帰と長期的な就労継続をサポートします。

日々の訓練の中で、運動、食事、睡眠などの生活習慣を整える「ブレインフィットネスプログラム」を通じて高い業務遂行能力の回復を目指します。脳科学者や精神科医などの監修による6領域のバランス良いアプローチにより、ストレス耐性を高め、体調が崩れにくい健康な土台を築きます。

職場復帰後の定着にも注力しており、企業と連携したフォローアップにより再休職を効果的に防いでいます。従業員の復職受け入れに課題を感じている企業担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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施設での取り組み内容や、人事・産業担当者との連携フローについて詳しくご説明します。
「現在、対象者はいないが今後のために知りたい」「自社の社員に合うか確認したい」という場合も、情報収集の一環としてお気軽にご活用ください。

監修者

寺島 有紀

寺島戦略社会保険労務士事務所
社会保険労務士

一橋大学商学部卒業後楽天株式会社に入社。国内・海外子会社の社内規程管理、内部統制業務や社内コンプライアンス教育等に従事。社労士事務所勤務を経て現在はスタートアップから上場企業まで幅広く労務顧問、労務コンプライアンス整備、海外進出労務体制構築等人事労務コンサルティングを行っている。
著書に「意外にしらない?!最新働き方のルールブック(アニモ出版)」等多数

ホームページ:https://www.terashima-sr.com/

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