リワークで自分の特性を知り、個性として受け止めることで、穏やかな気持ちで日々を過ごせるようになれた

復職支援（リワーク） 2025/07/30

適応障害不安障害 50代利用期間：6ヶ月

休職理由

広告会社で、25年以上にわたり営業職として従事してきました。
夕方以降の打ち合わせや土日祝の業務連絡も多く、常に気を張っているような日々が続いていました。

長年の生活や職場での経験から、不安障害の傾向が強く、業務上の小さな不確実性にも『こうなったらどうしよう』と予期不安にとらわれ、プロジェクトの失敗や周囲に迷惑をかけることへの強い恐れから、心が休まらない状態が続いていました。

そんな中で大きなプロジェクトを任される機会が増え、やりがいを感じる一方で、『失敗は許されない』という強いプレッシャーに押しつぶされそうになっていきました。
念入りに準備を重ねていたものの、自分ではどうにもならない事態が重なり、『もう完遂できないのでは』と強い不安や焦燥感に駆られるようになり、次第に出社やメールの確認さえも恐怖に感じるようになりました。
そうして、責任から逃れたいという思いが募り、最終的に休職という決断をせざるを得なくなりました。

ニューロリワークを知ったきっかけと利用を決めた理由

自宅で静養していた際に読んだ休職経験者の書籍の中で「リワークプログラム」という取り組みを知り、すぐに自宅や通院先、職場から通いやすいリワーク施設を調べ始めました。その中で見つけたのが、ニューロリワーク新宿御苑センターでした。

実際に見学に伺うと、スタッフの方々の丁寧な対応やセンター内の落ち着いた雰囲気、他の利用者の方々の様子がとても心地よく感じられ、ここでなら安心して復職準備に取り組めそうだと思い、利用を決めました。

リワークを利用する上で目標にしたことやご自身の変化

プログラム受講風景

リワークを利用するにあたっての大きな目標は、自分自身の心の動きや思考のクセと向き合い、無理のない生活リズムを整えることでした。

ニューロリワークでは、認知行動に基づくプログラムや、運動、日常生活のリズムを整えるプログラムに参加しながら、じっくりと自分と向き合う時間を持つことができました。
また、グループワークを通じて他の利用者の方の意見や考えに触れることで、物事の見方に新たな視点を持つことができ、視野が広がったと感じています。

気分が落ちているときには無理をせず、プログラム参加を控えて読書に集中するなど、その日の自分に合った過ごし方を選ぶことで、余計な思考にとらわれず、心を落ち着ける時間を持てるようになりました。

こうした取り組みを通して、自分なりのリカバリー方法を見つけ、再び働くことに前向きな気持ちを持てるようになったことが、大きな変化だと感じています。

役に立ったプログラム

復職にあたって特に役立ったと感じたのは、物事への柔軟性を高める「FITプログラム（※1）」でした。

自動思考のクセを客観的に捉えられるようになったことで、出来事を柔軟かつ冷静に受け止め、ありのままの自分を受け入れられるようになりました。また、「ポジティブ心理学」や「メタ認知」のプログラムでは、物事の見方をプラスの視点に切り替える習慣が身に付き、以前よりも前向きに日々を過ごせるようになったと感じています。

※1 FIT（フィット）プログラム（Flexibility Intervention Training）：物事への柔軟性（柔軟な思考や行動）を高め、少しでも良い状態に近づくことを目的とした認知行動療法理論に基づく当社グループオリジナルのプログラムです。

役に立ったサポート

面談風景

自宅で静養していた時期は、自分一人では気づけなかった休職の原因や考え方のクセに対して、スタッフさんが時間をかけて丁寧に寄り添ってくださったことで、落ち着いて自分自身と向き合うことができたと感じています。このような関わりがあったからこそ、不安を抱えすぎずに復職に向けた準備ができました。

また、定着支援として企業との間に入っていただき、元のフルタイム勤務に戻るタイミングなどを一緒に検討してもらえることも、ニューロリワークの大きな魅力の一つだと、今あらためて実感しています。

今後への想い

休職してからニューロリワークで過ごした日々、そして自分自身とじっくり向き合う時間は、決して無駄ではなく、人生においてとても大切で意味のある時期だったと感じています。この期間を通して、これまで自覚していなかった自分の思考のクセに加え、「HSP（繊細な気質）」という自分の特性にも気づくことができました。

もし、これらを知らないまま過ごしていたら、今後も不安定な状態が続いていたかもしれません。しかし、今では、こうした特性も「自分の個性」として前向きに受け止められるようになり、以前よりも穏やかな気持ちで日々を過ごせています。