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オープン就労(障害者雇用) クローズ就労(一般就労)

オープン就労とクローズ就労の違いやメリットを徹底比較

オープン就労、クローズ就労という言葉はご存知でしょうか。
障害のある方が就職活動を行う場合、オープン就労かクローズ就労かを選択することになります。
今回はこのオープン就労とクローズ就労について、メリットやデメリット、選択のポイントをご紹介いたします。

1.オープン就労、クローズ就労とは

オープン就労、クローズ就労とは

オープン就労とは自身の障害を企業に開示して就職をすることです。おもに障害者雇用枠の求人に応募することになります。

クローズ就労とは企業に対して障害があることを開示せずに就職をすることをいいます。もちろん、面接の際に質問された場合は嘘をつくことはできませんが、積極的に自身の障害を開示せず就職活動を行うことになります。

それでは、オープン就労とクローズ就労にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。

オープン就労のメリットとデメリット

オープン就労で働くメリットは障害に対して周囲から理解を得られること、配慮が受けられることなどがあります。

例えばうつ病により退職をし、療養後に仕事復帰をしても、すぐに以前と同じように働けるとも限りません。オープン就労で、業務の負荷や内容、勤務時間を配慮してもらうことで、うつ病が再発するリスクを低減することができます。

また、就労後も通院が必要な場合、通院のための休暇を取りやすいといったメリットもあります。

ほかにも、服薬を継続する必要がある場合、自身の病気をオープンにしていないと、薬を飲むときも周囲が気になってしまい、昼に会社で薬を飲めないという方もいらっしゃいます。一方で会社が自身の状況を知っているとそのような不安感もやわらぐのではないでしょうか。

さらに、オープン就労の場合、障害者就労移行支援事業所を始めとした支援機関がついていれば、就職後も職場に定着できるようにフォローをしてもらうこともできます。場合によっては企業との間に入り、労働環境等を調整してもらうこともあります。

一方でデメリットもあります。

オープン就労の場合、クローズ就労よりも求人数が少なく、仕事の内容も限られています。また、賃金もクローズ就労よりも低くなるケースが多いでしょう。(オープン就労の対策も学べる「ニューロリワーク」の資料請求はコチラから

クローズ就労のメリットとデメリット

クローズ就労のメリットは幅広い職種、仕事内容で募集されており、求人数が多いことがあげられます。賃金もオープン就労よりも高くなるケースが多いでしょう。

一方、デメリットとしては、現在の病状に対して会社から特段の配慮を期待できないといったことがあります。繁忙期には残業が多くなってしまうこともあるでしょう。
また、通院のために休みにくいといったことも考えられます。

うつ病などの精神障害の場合は、過労や業務によるストレスが原因でうつ病が再発、最終的には退職してしまうケースも少なくありません。障害に対して周囲の理解が得られないことや配慮してもらえないというのはデメリットになるといえるでしょう。

2.オープン就労で働くための条件

オープン就労では、おもに障害者雇用枠の求人に応募することになります。

求人には一般枠とは別に障害者雇用枠といったものがあります。そもそも、障害のある方も社会で活躍し、自立して生活できるように国は企業に対して一定割合以上の障害者を雇用することを求めており、これは、法律でも定められています。障害者雇用枠はこの法律の基準を満たすために企業が設定している障害者向けの求人枠です。

ただし、医師の診断のみでは障害者雇用枠にエントリーすることはできません。

障害者雇用枠で就職するためには障害者手帳を取得する必要があります。
障害者手帳には身体障害者がもつ身体障害者手帳、知的障害者がもつ療育手帳、うつ病などの気分障害、発達障害など何らかの精神疾患を抱える人が持つ精神障害者保健福祉手帳があります。

精神障害者保健福祉手帳を取得するためにはお住まいの市区町村の窓口で必要書類を入手し、申請する必要があります。申請から認定までには時間がかかるため前もって手続きを進めておくとよいでしょう。ただし、うつ病と診断を受けてから6ヶ月以上経過していなければ申請できないことにも注意して下さい。

3.クローズ就労で働くための条件

クローズ就労で働く場合、特に必要な条件はありません。一般的な就職と同じく、ハローワークや転職サイト、転職エージェントなどを使って就職先を探すことになります。

クローズ就労の場合、積極的に自分から障害があることをオープンにする必要はありませんが、面接で休職していた理由などを聞かれた場合は正直に答える必要があります。病歴を詐称して後からその事実が発覚すれば、最悪の場合、解雇につながってしまう可能性も否定できません。(専門スタッフとともに就労を目指す「ニューロリワーク」の資料請求はコチラから

4.オープン就労とクローズ就労、どちらが向いているのか?

うつ病などの精神障害のある方が仕事に復帰した場合、症状が再発し、最悪の場合、退職してしまう人も少なくありません。

オープン就労がよいのか、クローズ就労がよいのかは一概には断言できませんが、1つの基準として、どちらが長く働き続けることができるのかといった視点で考えるとよいでしょう。

うつ病から復帰した直後で、自身の健康や精神状態に不安が残る場合はオープン就労を選択する方がよいでしょう。オープン就労であれば、業務量や労働環境を調整してもらえるほか、支援機関に職場への定着を支援してもらうことができます。

クローズ就労であれば、オープン就労よりも求人内容や求人数が多く、希望する内容の仕事に就くことができる可能性も高まります。ただし、クローズ就労の場合、うつ病を患っていたとしても業務内容や業務時間などについて配慮してもらうことは期待できません。そのため、体調や精神面に不安を覚える人にはクローズ就労をおすすめできません。

オープン就労にするか、クローズ就労するか、一人では答えがでない人もいるかもしれません。そのような人は就職エージェントや障害者就労移行支援事業所などに相談することも手段の1つです。自分のことを整理して話し、客観的なアドバイスをもらうことで、どちらを選択した方がよいか考えが固まるでしょう。(「ニューロリワーク」の見学をご希望の方はコチラから

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【参考文献・参考サイト】

https://www.jil.go.jp/institute/research/documents/005/research005_4.pdf
(写真素材:PIXTA、photoAC)