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休職 家族 パートナー

夫(彼氏)や妻(彼女)が休職?
大切な人が抱えるメンタルヘルス不調との向き合い方

夫や妻、もしくは彼氏や彼女といった大切な人が休職となると、そのパートナーも多くの心配や不安を抱えることになります。特に生計をひとつにする関係であれば、経済面での懸念もあります。

休職に至る原因は多様で、身体的なものもあれば精神的なものもあります。ここでは、夫や妻、もしくは彼氏や彼女が精神疾患で休職に至るケースについてみていきます。
精神疾患は、適切な治療やプログラムによって改善が可能です。これまでにも多くの方々が精神疾患の治療を受け、回復後に復職されています。

今回は、休職している大切な人との接し方や、休職中の人を支援するための施設・プログラムについてご紹介します。対応策を知ることが、大切な夫や妻、彼氏・彼女が再び元気に毎日を過ごすための一歩となります。(休職と復職のことが3分でわかる「簡単!初めてのリワークガイド」のダウンロードはコチラから

大切な人(夫・妻、彼氏・彼女)の休職

大切な人(夫・妻、彼氏・彼女)の休職
人生を共に歩む夫や妻、彼氏や彼女の休職は、パートナーとしても非常につらいものです。年々、労働環境が改善されつつあるとのニュースを目にすれど、それでも「平日は毎日のように深夜まで残業」「帰宅は23時~24時が当たり前」「管理職であるために自身の業務と並行して部下を管理」「上司の無理難題への対応」などが日々重なることで、体調を崩して休職に至るというケースもしばしばみられます。大切な人であればあるほど、パートナーとしては心が痛み、今後のことについての不安が募ります。

大切な人が不調のときは

大切な人に不調が見られた場合には、大事をとるのであればできるだけ早めに会社に休職を相談したほうが良い場合もあります。なお、うつ病などの精神疾患による休職であれば医師の診断書が必要であるため、事前に診断を受けておく必要があります。また、休職中に傷病手当金を受け取れる可能性があるため、こちらも事前に確認しておくことが大切です。

休職の原因が業務過多による精神疾患であれば、労災認定を受けられる可能性もあります。そのためには日常的にどのような職場環境にいたかを伝える必要があるので、休職者ご本人だけでなく、パートナーの支えも重要になります。
男性の場合は特に、多少の不調があっても“ギリギリまで人に頼らない”ともいわれているので、症状が重くなる前の段階で不調に気づくことがパートナーの役割として大切かもしれません。

不調のサインを見抜く

がんばり過ぎるがゆえに自分から弱音を吐かない夫や妻、彼氏・彼女の不調に気づくためには、日常生活の中で見え隠れするサインを見抜くことが大切です。主なサインとしては、次のようなものが挙げられます。

・外出する機会が減った。
・会話の量や頻度が著しく減った。
・食欲がなくなり、食事の量や回数が減った。
・悲観的・否定的な言葉を口にすることが増えた。
・眠っている時間や横になっている時間が増えた。

こういったサインが見られる場合には、うつ病の可能性も考えられます。

パートナーとしてできること

うつ病を患った方々に必要なのは、合理的・論理的な言葉よりも情緒的・感情的な温かい言葉です。不調になってしまったことを理詰めで問いただすのではなく、まずは共感し、理解することがパートナーの役割といえるでしょう。何かを強制したり批判したりという行動は、かえって相手の負担になる可能性があるので控えましょう。

休職期間を乗り越えるには

休職期間を乗り越えるには
日々の生活のためには、経済的な観点からも働き続けることは不可欠といえます。とはいえ、働くことがつらくなるときもあります。そんなときは無理をせず、休むことも大切です。休職中は少しでも効果的に過ごせるよう、パートナーとして適切な対応法について覚えておきたいものです。

大切なのは、今を悲観することではなく、今を乗り越えた先にある明るい未来に目を向けることです。休職を経て前向きな姿勢になり、仕事だけでなくプライベートも活動的になることが、大きな目標のひとつといえるでしょう。大切なパートナーが立ち直ることで、これまで以上に一緒にいることが楽しく、充実したものになるかもしれません。
休職を乗り越えることで互いにステップアップした社会人となり、長く幸せに過ごせることを目指して休職期間を過ごしましょう。

休職中は、専門家の力を借りる

大切な人がうつ病などの精神疾患を患った場合、パートナーはひとりで抱えずに専門家や専門機関を活用することが大切です。たとえば、各都道府県・政令指定都市が実施している電話相談窓口(こころの健康相談統一ダイヤル)や、医療機関の復職(リワーク)プログラム、またはリワーク施設を活用することができます。

リワークを支援する機関や施設では、メンタルケアだけでなく独自のプログラムで復職に必要な知識やスキルを身に付ける機会を提供しているケースもあります。機関や施設によって詳細が異なるため、事前に調べておくことが大切です。(リワーク施設の見学をご希望の方はコチラから

休職中に学ぶ「仕事の基本8項目」

リワーク施設によっては、メンタルケアだけでなくビジネススキルやビジネスマナーなども併せて提供しています。ビジネススキルやビジネスマナーは一見するとメンタル不調と無関係と思われるかもしれませんが、しばしばストレスの要因にもなるためある程度の関連性が考えられます。

企業とは、従業員ひとりひとりが協力し、利益を生み出すことを目的のひとつとした組織です。多くの業務は、自分ひとりの作業で完結・成立するものではありません。そのため、業務に関わる全ての人が心地良く取り組めるよう互いにマナーを守ることが求められます。
マナーに違反する振る舞いは、互いにとって負担となり、ストレスになります。こうした理由から、互いが心から快適に過ごせる職場にするためには、各々がマナーを重んじることが大切になります。

たとえば、リワーク施設のニューロリワークでは、復職プログラムのひとつとして「仕事の基本8項目」というプログラムを提供しています。このプログラムでは、企業で働く上で大切にしておきたいポイントを8つに絞ってお伝えしています。
4ステップの自己分析
「①好感を与えるふるまいを」では、不快感を周囲に表すことは周囲の人々のストレスになりうることについて学びます。自身がストレスを受けると、同時に他の誰かも大きなストレスを受けている可能性があります。このように、自身のふるまいを客観的に見直すことで、あらためて働き方について考え直します。

「⑥自分一人で背負わない」では、ときには同僚を信じて任せることについて学びます。業務は、自分ひとりで過度に抱え込むべきものではありません。ひとりで抱え込み過ぎると自身の負担となるだけでなく、会社や取引先にも負担をかけてしまう可能性があります。そのため、適時・適切に周囲に相談することが大切です。

「⑦こだわりと妥協の繰り返し」では、仕事にこだわり過ぎないことの大切さについて触れます。あまりにもこだわりが過ぎると業務が停滞し、ストレスにもつながるおそれがあります。ひとつひとつの仕事で自身の妥協点を見極められることが、成長の証であると考えます。

このように、「仕事の基本8項目」のプログラムでは、休職の期間を活用し、あらためて働くことについて振り返る機会を設けています。「なぜルールがあるのか」といったテーマで、グループワークを通じて仕事の取り組み方を見直します。

職場の業務にはさまざまな種類や規模があり、そのいずれを担当するかはケースバイケースです。しかし、どのような仕事・職場であってもその根底にある考え方や取り組み方には共通点もみられます。そのため、復職を視野に入れる上で仕事の基本は、押さえておきたいポイントといえます。

まとめ

まとめ
大切な夫や妻、彼氏や彼女が休職となると、そのパートナーが抱える不安や心配も大きなものです。心の不調は取り組み方次第で回復が期待できるので、いかに適切な対応をするかがパートナーには求められているといえるでしょう。不調がみられた場合には会社や主治医に相談し、専門の施設で復職(リワーク)プログラムを受けることが大切です。

リワーク施設のニューロリワークでは、施設の利用を考える方に向けた見学を承っています。見学時にはメンタルケアやビジネススキルなど、さまざまなプログラムをご案内しています。適切なプログラムを受けられ、大切な方が元気に復職できる一助となることを心より願っております。(リワーク施設のひとつ、ニューロリワークの見学をご希望の方はコチラから

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記事監修者

H.S(公認心理師/精神保健福祉士)

長年精神科病院に勤務し、急性期から退院後まで、幅広く精神障害者への支援に従事。
精神保健福祉士、公認心理師。高崎健康福祉大学非常勤講師。

【参考文献・参考サイト】

・厚生労働省「電話相談」
・ESSE online「夫がうつになったら…「少し散歩でも行こうか?」はNG」
・LEGAL MALL「夫がうつ病を患ったら|疲れた…となる前に知って欲しい9つのこと」
・医療法人瑞枝会クリニック「うつ病で夫が休職中の夫婦関係へのヒント」
・ハートネット 福祉情報総合サイト「精神疾患・メンタルヘルス」
(写真素材:PIXTA・photoAC)