自己理解を深め、相談することへの不安がなくなり、新たな一歩を踏み出せた

復職支援（リワーク） 2025/12/26

適応障害 30代利用期間：4ヶ月

休職理由

休職前は医療機器メーカーで貿易事務を担当していました。10名ほどの部署で、各自が担当業務に合わせて個々に仕事を進めていました。
周囲から相談を受けることが多い一方で、私の担当業務は専門性が高く相談できる相手が限られており、相談先だった上長も退職を控えていたため、話をする機会が減っていました。仕事に関して誰にも頼れない状況が続き、孤独感を募らせていました。

そんな中、別の部署の管理職の方から、本来の業務範囲を超える指示や調整をお願いされる場面があり、負担が増す状況が続いた結果、徐々に頭痛や不眠、抑うつの症状が現れるようになりました。
さらに他部署と連携するプロジェクトに参加したことがきっかけで、ストレスフルな状況が増え、負担や悩みが重くのしかかるようになりました。立て直そうとセルフケアを試みましたが、根本的な解決には至らず、数ヶ月間無理を重ねるうちに体調は悪化していきました。

強いストレスを感じる出来事があり、普段なら30分で帰宅できるところを、その日は4時間もかかりました。その間の記憶もなく、翌日からは、会社のPCを見るだけでも激しい動悸が起きるようになりました。適応障害と診断され、休職に至りました。

ニューロリワークを知ったきっかけと利用を決めた理由

復職を考え、会社のカウンセラーに相談した際に、リワークプログラムへの参加を勧められました。
通勤時間と同じくらいで通えるニューロリワーク所沢センターを知り、ホームページを確認したところ、プログラムの内容が公開されていたので実際にどんなことをするのかイメージしやすかったため、利用を決めました。

リワークを利用する上で目標にしたことやご自身の変化

職場では、私の担当業務の内容を理解しているのは自分一人という状況で、性格的に人に頼るのが苦手だったこともあり、相談しても伝わらないのでは、迷惑なのでは、と悩みを抱え込んでいました。

「援助要請」「アサーティブコミュニケーション」といったリワークプログラムで、他者に助けを求める重要性とその適切な方法、自分も相手も尊重しながら意見交換できるということを学び、人に頼ることや相談することは悪いことではないと理解できるようになりました。また、「問題解決技能トレーニング」では、担当業務が違うからこそ別の視点でアドバイスをもらえるのではないかという考えに至り、相談することへの不安が解消されました。

役に立ったプログラム

発表する女性

自分に何が必要なのかは受けてみないとわからないと思い、なるべくすべてのプログラムに参加するようにしていました。
様々なプログラムに取り組むうちに、自分の中に「他人に迷惑をかけてはいけない＝一人で完璧にこなすべき」という考えがあることを自覚しました。また、いつも仕事や家族優先で、自分自身と十分に向き合っていなかったことに気付き、休職原因の分析だけでなく自己理解にも力を入れるようになりました。

その中で特に役に立ったのは、物事への柔軟性を高める「FITプログラム ※1」と「問題解決技能トレーニング」です。

「FITプログラム」を通じて自分の考え方の癖がわかったことで、他のプログラムの捉え方にも良い影響があったと感じています。

問題解決技能トレーニングでは、グループワーク中に就業経験のない方からとても斬新で素敵なアイディアが出てきて思いがけない発見がありました。このことをきっかけに、問題を解決するには、相談相手がそのことに精通しているかどうかを重視するよりも、多くの視点や考え方を取り入れる方が有効なのだと気付きました。今では人に相談し、多様な意見を聞けることが楽しみになりました。

※1 FIT（フィット）プログラム（Flexibility Intervention Training）：物事への柔軟性（柔軟な思考や行動）を高め、少しでも良い状態に近づくことを目的とした認知行動療法理論に基づく当社グループオリジナルのプログラムです。

役に立ったサポート

面談する女性

小さなことでも支援員の方に相談しやすい環境だったので、いつも心強く感じていました。復職前の産業医面談に先立って、上司と話す機会をもらいたいと考えた際にも、事前に支援員の方に相談しました。提示する資料を専門的な視点で確認してもらえたおかげで、上司との面談もスムーズに進み、リワークでの成果も報告できました。復職に向けた準備がしっかりと整っていることを上司にも理解してもらえ、より前向きな気持ちになれました。

今後への想い

最初は会社から勧められて、受け身の姿勢でリワークに参加していました。ですが次第に、リワークでの経験は「働くため」ではなく、「自分らしく生きるため」に必要なことなのだと、考え方が変わりました。自分自身の人生を主体的に前進させていけるという自信が生まれ、これからが楽しみです。

ニューロリワーク所沢センターのスタッフに一言

ニューロリワーク所沢センターの皆様には大変お世話になりました。特に担当支援員の方にはいつも明るく応えてもらえたので、些細な悩みも相談しやすく、本当に救われました。他の支援員の方々にも、お忙しい中でもいつも気にかけていただきました。安心して過ごせる環境だったからこそ、自分自身を知り、受け止めることができたのだと思います。私にとって、皆様は人生の恩人です。本当にありがとうございました。

※内容はインタビュー回答時のものです。