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仕事でミスが多い、集中できない原因は?病気や疲れとの関係と対策

最近「ミスが増えた」「仕事に集中できない」と感じている方は、決して努力不足ではなく、心身の疲れや環境の影響、あるいは隠れた不調が関係している可能性があります。原因を正しく理解することで、改善の道筋は見えやすくなります。

本記事では、仕事でミスが多くなる代表的な理由や考えられる疾患、集中力を取り戻すための具体的な対策まで、分かりやすく解説します。

「仕事でミスが多い」「集中できない」のは努力不足?

仕事ができない原因

仕事や勉強で集中力が続かず、うっかりミスを繰り返してしまう悩みは、多くの方が経験しています。こうした状況に直面すると、つい「自分の努力が足りない」「性格に問題がある」と考えてしまいがちです。しかし実際には、心身の疲労やストレス、あるいは治療可能な疾患が背景に潜んでいる可能性があります。

原因を正しく理解し、適切なアプローチを取ることで、状況を改善できるケースは少なくありません。自分を責めるのではなく、まずは何が集中力の低下やミスを引き起こしているのかを冷静に見つめることが、問題解決への第一歩となります。

仕事でミスが多くなり集中できない主な原因

集中できない原因

集中力の低下やミスが続く背景には、様々な要因が関係しています。ストレスや疲労の蓄積、睡眠不足、栄養バランスの乱れといった日常的な要因から、職場環境とのミスマッチ、さらには脳機能の特性まで、原因は一つではありません。

ここからは、それぞれの要因について解説します。

ストレスや疲労の蓄積

過度なストレスや不安は、自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、脳が正常に働きにくくなります。身体は常に緊張状態にさらされ、本来の力を発揮できなくなってしまうのです。疲労が蓄積すると、気分の落ち込みや「やる気が出ない」状態につながり、結果として集中力の低下やミスを招きやすくなります。

「頭がぼんやりする」「イライラ感が強い」といったサインが現れたら、心が限界に近づいている可能性があるため注意が必要です。無理を続けず、心身を休ませることが大切です。

睡眠不足や栄養不足によるエネルギー枯渇

不眠や睡眠障害など、質の良い睡眠が取れていない状態では、日中に強い眠気や集中力低下を引き起こす原因となります。

睡眠は脳を回復させる重要な時間であり、これが不足すればパフォーマンスも落ちる可能性があります。

また、朝食を抜くなどの不規則な食生活は、エネルギー不足に直結する可能性があるため、栄養バランスを意識した食事を心がける必要があります。

業務量や職場環境のミスマッチ

自分のキャパシティを超える仕事量や、一度に多くのことを処理するマルチタスクは、混乱を招きミスや集中力低下の原因となります。処理しきれない情報に脳が追いつかず、結果的にどれも中途半端になってしまうケースはめずらしくありません。

また、感覚過敏(※ASDの特性として多く見られる)がある場合、職場の光や音、人の視線などが刺激となり、集中力が低下する可能性があります。現職の業務内容や環境が、自身の能力や特性とミスマッチを起こしているのであれば、働き方や環境調整を検討することも一つの解決策となります。

ワーキングメモリや脳機能の特性

ワーキングメモリ(情報を一時的に記憶・処理する機能)が低下すると、「口頭での指示を理解しづらい」「忘れ物が多い」といったミスが起こりやすくなると考えられています。この機能は日常業務において重要な役割を果たしており、うまく働かないと様々な場面で支障をきたすのです。

ADHDなどの発達障害においては、前頭葉の機能障害や神経伝達物質のバランスの乱れが、注意力や記憶力の低下に影響しているという説があります。これらの脳機能の特性は生まれつきのものであり、本人の「悪気」や「努力」とは関係ないことを理解しておく必要があります。

集中力低下やミスの背景に考えられる疾患

ミスの背景に考えられる疾患

集中力の低下やミスが続く背景には、様々な疾患が潜んでいる可能性があります。心身の不調が脳の働きに影響を及ぼし、本来の能力を発揮できなくなっているのかもしれません。

ここからは、集中力低下やミスと関連が深い代表的な疾患について見ていきます。適切な診断と治療により、改善が期待できるケースも少なくありません。

うつ病

一般的に、うつ病は気分の落ち込みや興味の喪失といった精神症状に加え、不眠や疲労感などの身体症状も伴う疾患です。集中力の低下は「思考制止」と呼ばれ、脳の働きが鈍くなっている状態を指します。「以前は問題なくできていたのに、考えがまとまらない」「本の内容が頭に入らない」といった形で現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。

こうした認知機能の低下が、うっかりミスが増える直接的な原因となっており、決して怠けているわけではないことを理解しておく必要があります。

注意欠如・多動症(ADHD)

注意欠如・多動症(ADHD)は、「不注意」「多動性」「衝動性」を主な症状とする、中枢神経系の発達の特性によるものと考えられています。「不注意」の特性は、「ケアレスミスが多い」「物をよくなくす」「約束を忘れる」「順序立てが苦手」といった形で現れ、仕事上の様々な場面で困難を感じる原因となります。

これらの症状は子供の頃から継続するケースも多く、本人が「頑張ろうと思ってもできない」困難を抱えているという点が重要です。努力の問題ではなく、脳の特性によるものであることを理解する必要があります。

双極症(双極性障害)

双極症(双極性障害)は、活動的な「躁状態」と無気力な「うつ状態」を繰り返す疾患です。躁状態のときには気分が高揚し、注意が散漫になり、一つのことに集中し続けることが難しくなります。様々なことに手を出しては中途半端になってしまうケースも見られます。

一方、うつ状態のときは、うつ病と同様に思考力が低下し、集中困難やミスが目立つようになります。気分の波によって仕事のパフォーマンスが大きく変動するため、本人も周囲もその対応に苦慮することが少なくありません。

適応障害(適応反応症)

適応障害(適応反応症)は、職場の異動や人間関係など、特定のストレスが原因で心身に不調が現れる状態を指します。ストレス反応による不安、焦り、抑うつ気分、身体症状(動悸、倦怠感など)によってエネルギーが消耗し、集中力低下やミスが増えてしまうのです。

心の余裕がなくなり、普段なら気付けることにも気付けなくなってしまうケースがあります。特徴的なのは、ストレスの原因から離れると症状が和らぐ傾向がある点であり、環境調整が有効な対処法となることもあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることで脳や身体が休まらず、深い睡眠が取れない病気です。十分な睡眠時間を確保しているつもりでも、実際には質の良い睡眠が取れていないため、日中に耐えがたい眠気や倦怠感が生じます。会議中の居眠りや仕事の効率低下、集中力低下、うっかりミスの直接的な原因となることがあります。

大きないびきや起床時の頭痛なども、この疾患のサインとして現れることがあります。睡眠の質が悪いと感じている方は、一度専門医に相談することが大切です。

仕事のミスを減らし集中力を高めるための対策

集中力を高めるための対策

集中力の低下やミスが続くとき、具体的な対策を日常業務に取り入れることで状況を改善できる可能性があります。タスク管理の工夫から作業環境の調整、コミュニケーション方法の見直し、そしてセルフケアまで、様々なアプローチが考えられます。

タスク管理とスケジュールの工夫

タスクを細分化して可視化するために、ToDoリストやタスク管理アプリを活用するのも工夫のひとつです。やるべきことが明確になり、優先順位も付けやすくなります。

スケジュールの視覚化(GTD《Getting Things Done》メソッドなど)や、リマインダー機能の活用は、タスク漏れ防止に有効です。また、スケジュールにはゆとりを持たせることが大切になります。

過密スケジュールは精神的負荷を高め、かえってミスを招く原因となってしまうため、余裕を持った計画を心がける必要があります。

作業環境の調整

大切な書類や物品は置き場所を決めて図示するなど、紛失を防ぐための整理整頓を習慣化することも大切です。物の定位置が決まっていれば、探す時間も減り効率も上がります。集中しやすい時間帯を把握し、重要なタスクはその時間帯に処理するよう計画することも効果的です。

さらに、「作業時間の◯割をチェック時間にあてる」など、セルフチェックをルール化することや、ダブルチェックを依頼することも有効な対策となります。自分だけでは気付けないミスも、他者の視点が加わることで防げるケースは少なくありません。

コミュニケーションの工夫(指示の受け方・報連相)

口頭での指示は、その場でメモを取り、復唱して聞き間違いや聞き漏らしを防ぐ習慣をつけることも工夫のひとつです。不明点があれば、「何を(What)」「いつまでに(When)」「誰が(Who)」「どのように(How)」といった3W1Hを意識してその場で質問することが重要です。

曖昧なまま進めると、後で大きなミスにつながる可能性があります。報告・連絡・相談は結論から話し、チャットツールを活用したり、進捗2・5・8割など報告タイミングを決めたりすることで、ミスを未然に防ぐことができます。

セルフケアと根本原因への対処

1時間おきに簡単な運動を挟む、25分作業して5分休む(ポモドーロ・テクニック)など、短い休憩を意図的に取る方法もあります。

集中力は長時間持続しないため、適度な休憩がかえって効率を高めます。朝食を抜かないなど栄養バランスの取れた食事と、規則正しい生活による十分な睡眠を確保することも欠かせません。

ただし、セルフケアで改善せず、症状が日常生活や仕事に支障をきたす場合は、専門機関(心療内科など)を受診し、睡眠障害や精神疾患などの根本原因を治療することが必要です。

一人で抱え込まず専門家のサポート活用も

仕事のミスや集中力低下は、本人の能力不足ではなく、職場環境や仕事内容とのミスマッチ、あるいは発達障害などの特性が原因である可能性もあります。セルフケアや対策を試しても改善が難しい場合、一人で抱え込まず、家族、友人、または専門家(医師、支援機関)に相談することが重要です。

就労移行支援事業所や自立訓練(生活訓練)事業所は、障害福祉サービスの一つであり、専門スタッフのサポートを受けながら、特性への理解(自己理解)を深め、ミスへの対処法や自分に合う働き方を学び、就職や復職・再就職を目指すことができる場所となっています。

ニューロリワーク」の就労移行支援や復職・再就職支援では、うつ病や発達障害などで悩む方を対象に、生活リズムの改善(ブレインフィットネスプログラム)や自己理解(FINDプログラム)、思考の柔軟性を高めるトレーニング(FITプログラム)など、安定就労に必要な様々なプログラムを提供しています。就職・復職活動のサポート(模擬面接・模擬面談)から、就労後に長く働き続けるための定着支援まで、一人ひとりに合わせたサポートを行っていますので、お気軽にご相談ください。

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監修者

伊東 若子

2003年秋田大学医学部卒。秋田大学大学院医学系研究科博士課程修了。旭川医科大学精神医学講座、岩手県立南光病院、サウスカロライナ大学public health研究留学、睡眠総合ケアクリニック代々木、晴和病院、小石川東京病院を経て、2025年3月、眠りのクリニック神楽坂を開院。精神科病院にて精神科一般治療に従事した後、睡眠障害を中心とした診療と睡眠臨床研究に長年従事している。

■保有資格
・医学博士
・精神保健指定医
・日本睡眠学会総合専門医
・日本医師会認定産業医
・K.O.H(King of the Hill)外部専門家・エキスパート

■所属学会
日本精神神経学会、日本睡眠学会(評議員)、日本ADHD学会