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復職 不安解消 セルフケア

休職から復職への準備|不安を解消し再発を防ぐ流れと方法

休職からの復職には不安がつきものですが、正しい準備を知ることで安全に職場へ戻る道筋が見えてきます。本記事では、休職中にできるセルフケアから復職手続き、再発を防ぐポイントまで具体的に解説します。復職を控えて不安を抱える方や、何から始めればいいか分からない方に役立つ内容です。

休職から復職(仕事復帰)へ|準備の重要性と基本的な流れ

準備の重要性

うつ病や適応障害などのメンタルヘルス不調で休職した場合、適切な準備なしに復職すると再び休職に至る可能性が高まります。実際に、再休職すると休職期間が長くなる傾向があることが調査で明らかになっています。

そのため、厚生労働省は職場復帰支援のガイドラインとして5つのステップを示しており、休職開始時から復職後まで段階的な準備と支援が重要とされています。このセクションでは、復職準備の重要性と、休職から職場復帰までの基本的な流れについて解説します。

なぜ復職準備が重要か(再休職のリスク)

厚生労働省の過去の報告資料によると、メンタル不調で休職した方が復職後に再び休職する割合は、復帰から1年で28.3%、2年で37.7%と高く、5年以内では47.1%に達するともいわれています。

さらに、再休職すると休職期間が長くなる傾向があり、1回目の平均休職期間が107日(約3.5ヶ月)に対し、2回目は157日(約5ヶ月)まで延びることが明らかになっています。このため、最初の復職をいかにうまく行うかがカギとなります。

参考:厚生労働省|主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究

体力や生活リズムが十分に回復しないまま復職すると、症状の再発リスクが高まり再休職につながります。だからこそ、段階的で丁寧な復職準備が重要となります。

厚生労働省が示す「職場復帰支援の5ステップ」

厚生労働省は『心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き』を作成し、復職支援の標準的な流れを示しています。

復職までの基本的なステップは以下の5つです。

  • 第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
  • 第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
  • 第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
  • 第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
  • 第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ

参考:厚生労働省|心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き

これらのステップは事業者(企業側)の視点で策定されたものですが、休職者が復職を考える上で参考になる指針といえます。

休職期間中のケアと情報共有

1ステップでは、まず休業開始の手続と自分の体調をケアすることになります。病気休業の手続は企業によって異なりますので、企業に確認しましょう。体調不良によりご自身での対応が難しい場合には、ご家族などの代理人を立てても良いか企業に相談するのも方法のひとつです。

休職中も適度に職場とコミュニケーションを取り、勤務先の様子を知ること、不安や孤独感が軽減されることもあります。

ただし、メンタルヘルスの問題で休職している場合、会社との連絡自体が負担になることもあるかもしれません。そのため、コミュニケーションの頻度や方法については、自分の希望を伝え、体調に合わせて調整することが大切です。

休職中に自分でできる復職準備(セルフケア)

休職中に自分でできる復職準備

休職期間中は、企業や医療機関のサポートを受けながらも、自分自身で取り組むセルフケアが復職への土台となります。

休職直後から復職準備まで、段階的に取り組むべき内容は大きく4つに分けられます。まずは心身の疲労回復に専念し、次に生活リズムを整え、体力や集中力を回復させる訓練を行い、今回の休業に至ったまでの経緯を振り返って自己理解を深めていきます。

以下では、以下4つの段階で具体的にどのような準備を行うべきか、休職者自身が主体的に取り組めるセルフケアの方法について解説します。

  1. 症状の回復に専念する休養
  2. 健康的な生活リズムの確立
  3. 体力と集中力の回復訓練(通勤訓練など)
  4. ストレス原因の振り返りと自己理解

症状の回復に専念する休養

休職直後は、仕事や職場のことが頭から離れないかもしれません。しかし、就労中に蓄積された心身の疲労や症状の回復を最優先し、仕事のことは考えず安心して療養に専念することが重要です。

最初は寝てばかりの生活になることもありますが、これは心身の回復のために必要なステップといえます。無理に活動しようとせず、身体が求める休息を十分に取りましょう。

徐々に気力が回復してきたら、好きなことや趣味を楽しんだり、散歩して陽の光を浴びたりすることも大切です。好きなことが楽しめない状態の場合は、まだ回復が不十分の可能性がありますので、その場合は主治医と相談しながら焦らずゆっくりと休息をとるようにしましょう。

健康的な生活リズムの確立

症状が落ち着いてきたら、職場復帰に向けて崩れた生活リズムや低下した体力を取り戻す段階になります。

食事習慣や運動習慣を改善することが、日中に活動し夜に睡眠が取れる健康的な生活スタイルにつながります。日中に身体を動かすようにすると、体力を取り戻しながら夜に寝付きやすくなります。

活動記録表を作成し、1日の生活の流れを可視化することもおすすめです。そうすることで、朝型の生活リズムに戻っているかを客観的に確認できます。記録を続けることで、生活習慣の改善状況や問題点を把握しやすくなります。

体力と集中力の回復訓練(通勤訓練など)

復職に向けて、働くために必要な体力や集中力を徐々に取り戻す訓練(リハビリ)が必要です。厚生労働省の手引きでも「試し出勤制度」が示されており、自分でできる訓練(セルフリワーク)もあります。

具体的な訓練方法として、以下のようなものがあります。

  • 図書館など自宅以外の場所で勤務時間と同じ時間帯に活動する(模擬出勤)
  • 事前に会社の人事担当者に許可や連絡を入れてから、実際の通勤経路で職場の近くまで行ってみる(通勤訓練)
  • 最初は週1~2日の短時間から始め、徐々に日数や時間を増やし、週5日午前・午後通じて活動できることを目指す

段階的に活動量を高めることで、無理なく復職への準備を進められます。

ストレス原因の振り返りと自己理解

安定した復職のためには、何がストレスだったのかを振り返り、休職した経緯を整理することが重要です。

ストレスの原因や自身の考え方のクセ、特徴を理解することで、ストレスがかかったときの適切な対処法を前もって考えられます。また、何がストレスだったのか自身で理解し、どのような配慮を希望するのかを企業に伝えることで、自身が必要とする配慮が受けられるようになることもあります。自身が考えるストレスと、企業側が考えるストレスが異なる場合があるので、きちんと分析して伝えることが重要です。

ただし、過去の振り返りはつらい作業になることもあります。リワークセンターなど専門スタッフのサポートを受けながら、丁寧に進めることが望ましいといえます。一人で抱え込まず、支援を活用することが大切です。

復職に向けた具体的な手続きとステップ

復職に向けた具体的な手続き

セルフケアで心身の状態を整えることと並行して、復職(仕事復帰)を実現するには主治医や会社との調整、社内での手続きが必要です。

厚生労働省の手引きでは、第2ステップ「主治医による職場復帰可能の判断」から第4ステップ「最終的な職場復帰の決定」までが、復職に向けた具体的な手続きの流れとして示されています。

以下では、診断書の取得から職場復帰支援プランの作成、産業医との面談、そして最終的な復職決定まで、各段階で必要な手続きとポイントについて解説します。

主治医による「復職可能」の診断書(意見書)の取得

復職準備の第2ステップは、主治医による職場復帰可能の判断の段階です。職場復帰の意思を会社に伝える際には、主治医による「復職可能」の診断書(意見書)を提出する必要があります。

診断書には、日常生活での回復程度だけでなく、復職後の働き方や職場環境についての留意点など、可能な範囲で就業上の配慮に関する具体的な意見を記載してもらうことが重要です。

ただし、主治医の判断はあくまで日常生活における回復を示すものであり、必ずしも職場で求められる業務遂行能力の回復を意味しません。そのため、医師の診断書によって必ずしも復職が約束されるわけではなく、次のステップとして産業医による面談などが必要になります。

職場復帰支援プランの作成

復職の第3ステップでは、安全でスムーズな復職を実現するための具体的な「職場復帰支援プラン」を作成することが必要となります。

プランには、職場復帰日、管理監督者による仕事上での配慮内容、人事労務管理における対応内容、産業医などの意見に基づく調整内容、フォローアップの方法、従業員が自分で責任をもって取り組む内容などが盛り込まれます。

このプランは、管理監督者(上司)や人事労務、産業医、休職者本人が連携して作成します。休職者が復職後に安心して働くために重要な手続きとなります。

産業医との復職面談

復職の可否を判断するために、休職者・産業医・人事労務の担当者が集まり、産業医による復職面談が実施されます。

産業医は、主治医の診断書や本人との面談に基づき、日常生活レベルの回復だけでなく、職場で求められる「業務遂行能力」が回復しているかを医学的見地から判断します。

面談では、主治医の治療方針にしたがって自主的に通院・服薬ができているか、業務遂行能力がどのくらい回復しているか、職業生活に必要な生活リズムが整っているか、労働意欲、通勤への負担感はどうか、などが確認されます。

最終的な復職決定と通知

第4ステップとして、産業医の意見書(復職に関する意見書)などに基づき、最終的な復職の決定が事業者(会社)によって行われます。

決定後、復職日や就業上の配慮(時短勤務など)の内容が、休職者本人に通知されます。十分に理解できるよう、具体的な内容を確認することが重要です。

これらの決定事項は、主治医にも伝達しておくことが大切です。主治医との情報共有により、復職後も継続的な医療サポートを受けやすくなることが期待できます。

復職後の再発防止とフォローアップ

復職後の再発防止

復職はゴールではなく、再発させずに安定して働き続けることが真のゴールです。職場に戻れたとしても、最初の2〜8週間は特に会社からのフォローが必要な期間といえます。

厚生労働省の第5ステップ「職場復帰後のフォローアップ」では、業務内容や業務量が適切か、病気の再発や新たな課題が発生していないかを定期的に確認し、必要に応じて職場復帰支援プランを見直すことが示されています。

以下では、復職後の企業側のフォローアップの重要性と、再発防止のための具体的な取り組みについて解説します。

復職後のフォローアップの重要性

復職後も、疾患の再燃・再発や新たな問題がないかを確認するため、継続的なフォローアップが不可欠です。

上司や人事、産業医などによる定期的な面談を通じて、最近の業務内容やその状況、体調や健康状態、職場での悩みや不安などを確認することが重要になります。週1回から月1回の定期面談を実施したり、日常的にコミュニケーションを取ることが効果的です。

職場復帰支援プランの見直しと継続

会社側は、復職者の体調や業務適応状況に合わせて、職場復帰支援プラン(就業上の配慮)を適宜見直していく必要があります。

問題が生じている場合は、本人、上司、産業医などの関係者が連携し、プランの内容変更を検討します。たとえば、静かな作業環境に移す、労働時間を調整する、負担が大きい作業は他の従業員と一緒に行う、といった調整がなされる場合もあります。

すべての配慮が不要となる時期の見通しを立てつつ、段階的に制限を解除していくことが望ましいといえます。

業務遂行能力の評価と配慮

復職直後は、病気や服薬の影響で疲れやすい、記憶力が低下しているなど、業務遂行能力(集中力、判断力など)が万全ではないケースも少なくありません。そのため、復職後も一定の配慮を受けられることが望ましいといえます。

会社からの具体的な配慮の例として、以下のような項目が挙げられます。

  • 短時間勤務(慣らし勤務)の導入
  • 軽作業や定型業務への従事
  • 残業や深夜業務の禁止
  • 出張の制限
  • 窓口業務や苦情処理業務などの制限

これらの配慮は、能力や回復状況にあわせて段階的に調整していくことが重要であることから、自身の状態と必要な配慮をきちんと職場に伝えることが大切です。

一人での準備が不安なときの「リワーク支援」

準備が不安なときのリワーク支援

休職から復職への準備を一人で行うことに不安を感じたり、どのように進めればよいかわからなかったりする方も少なくありません。そのような場合、専門機関による「リワーク支援」を活用する選択肢があります。

リワークプログラムは、メンタルヘルスの問題により休職した方のための復職支援プログラムです。専門スタッフによる個別サポートを受けながら、休職原因の分析や再発防止策の検討、必要なスキルの習得・回復などに取り組めます。

以下では、リワークプログラムの概要と主な種類、活用するメリットについて解説します。

リワーク(復職支援)プログラムとは

リワークプログラムは、うつ病や適応障害などメンタルヘルスの問題により休職した労働者のための復職支援プログラムです。

目的は、休職者が再び働くための自信を取り戻し、職業生活に向けたスキルの回復や向上をサポートすることにあります。休職者の通院状況などを踏まえて職業生活に向けたリズムを作るとともに、休職の再発防止策なども実施されます。

専門スタッフの支援のもと、段階的に復職準備を進められる点が大きな特徴です。

リワークプログラムの主な種類

リワークプログラムを提供する機関にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴があります。主な種類として「医療リワーク」「職リハリワーク」「職場リワーク(EAP)」の3つを紹介します。

種類 実施機関 特徴 費用
医療リワーク 医療機関(精神科など) 治療と並行し、病状回復と安定した生活リズムの構築が目的。医師や看護師など医療専門職が連携。
医療保険の適用対象となり、医師の判断が必要。
健康保険や自立支援医療制度が適用
職リハリワーク 地域障害者職業センター 職場適応の支援が目的。休職者本人と雇用主の双方を支援し、主治医とも連携。 無料(労働保険が適用される公的支援)
職場リワーク(EAP) 在籍企業、または社外の支援機関(EAP) 企業内(産業保健スタッフなど)またはEAP(社員支援プログラム)が実施。試し出勤制度なども含む。 企業負担(社内またはEAP契約による)

リワークを活用するメリット

リワークセンターなどの専門機関を利用すると、状況に応じて休職者と企業の間に専門スタッフが入ることも可能なので、休職者は職場復帰支援プランの作成や復職面談への同席、配属先や仕事内容の調整などのサポートを受けられます。

専門スタッフの丁寧なサポートを受けながら、休職した経緯の振り返りを通じてストレスの原因や対処法を学び、自身の考え方のクセなどの特徴の理解を深められます。

また、ビジネスシーンを想定したプログラムや、ヨガやウォーキングなど体力・生活リズムを整えるプログラムを受けることで、無理なく復職準備を進めることができます。

メンタル不調からの復職準備ならニューロリワークの復職支援(リワーク)

メンタル不調による休職からの復職準備や再発防止に不安を抱える方には、ニューロリワークの復職支援(リワーク)サービスがあります。

ニューロリワークは、うつ病や適応障害などで休職中の方を対象に、専門スタッフが職場復帰や転職をサポートする障害福祉サービス(自立訓練または就労移行支援)です。障害者手帳がなくても、主治医の診断や定期的な通院があれば利用対象となる場合があり、前年の所得によっては自己負担0円(無料)で利用できます。

脳科学者や精神科医など専門家監修の独自プログラム(ブレインフィットネスプログラム、FITプログラム、FINDプログラムなど)を通じて、生活習慣の構築、休職原因の分析、再発防止策の検討、企業との復職調整まで、一人ひとりの状態に合わせてサポートします。

見学や体験もできますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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監修者

絹川 千尋

2009年 産業医科大学卒業。初期臨床研修後、大手インフラ企業である東京ガス株式会社にて常勤産業医として、従業員の健康管理体制の構築と運用に従事。その傍ら、複数の中小企業の嘱託産業医を兼任し、多様な企業文化と労働環境における実務経験を積む。退職後は働く人をターゲットとした中小企業向け産業保健サービス「産業医システムズ株式会社」と医療機関「新宿内科」を設立し、現在は20名以上の産業医を抱え、130を超える事業所の産業医業務を統括。
特に、メンタルヘルス対策を得意とし、従来の「従業員の体調管理」に留まらず、スムーズな職場復帰を支援する体制づくりや、再発防止のための職場環境改善提案などの組織支援からの対策を行っている。