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発達障害 就職

発達障害の方が就職を考えるときに注意したい「3つの職場環境」

ADHDやASDなどの発達障害がある方が安定した状態で働き続けるためには、どのような条件で勤務先を探すとよいのでしょうか。ここでは、これから就労を考える方に向けて、勤務先を探すときに注意したい職場環境をご紹介します。

1.休憩できるスペースがない環境

休憩スペース
発達障害のある方が注意したい職場環境の一つ目は、休憩できるスペースや一人になれるスペースがない環境です。
発達障害の方だけに限らず、障害のある方が心身ともに安定した状態で働き続けるためには、一時的に休憩できる場所や、一人になれる場所を確保できる職場が理想です。
例えばADHDやASDの方は、感覚過敏などの影響から周囲の音や動きが気になってしまい、仕事に集中できなくなることがあります。その半面、特にADHDの方は特定の分野では過集中になることがあります。

このような場合、休憩場所が自分のデスクや部署内にある空きスペースだと、気が散ってしまいリラックスできなかったり、休憩を取らずに業務を続けてしまったりするリスクがあります。屋上やベランダ、離れたところにあるキッチンなどでもよいので、落ち着いて一人で休憩できる場所があるかどうか、またはメリハリを持って業務に取り組むことができそうかどうかを事前に確認しておくことが大切です。

障害者雇用を積極的に行う企業では、一人になれるスペースとしてパーテーションで区切った休憩室を用意していることもあります。このような合理的配慮の目線を持つ企業だと安心して働くことができます。

2.雑多な環境

職場環境
発達障害がある方が注意したい職場環境の二つ目は、雑多な環境です。
例えば「常に電話が鳴っている」「頭越しに会話が繰り広げられる」「資料や資材が散らかっている」といった環境では、働きづらさを感じる方も多くなります。障害の特性として人の声や動きなどが気になる方は、頭越しに会話が繰り広げられていたり、常に誰かが話したりしていると集中が途切れがちなので注意が必要です。

また、散らかっている環境にも注意が必要です。ASDの方は独自のこだわりから、決まったものが決まった場所にないと不安感やストレスを感じることがあります。ADHDの方は決まったものが決まった場所にないことで衝動的に慌ててしまい、調子が狂ってしまうことがあります。

このように、雑多な環境では働きづらさを感じてしまう方が多いので、職場見学や選考時の質問を通してしっかり確認しておくことが大切です。

3.決まりごとが少ない環境

社内ルール
発達障害がある方が注意したい職場環境の三つ目は、決まりごとが少ない環境です。
例えば「ルールやマニュアルが統一されていない」「教育担当が決まっていない」「相談相手が決まっていない」など、人によって仕事の進め方が異なっていたり、「誰に」「何を」相談すべきか決まっていなかったりする場合には注意が必要です。

発達障害がある方は、聴覚よりも視覚が優位に働くことが多く、視覚からの情報の方が頭に入りやすい傾向があります。そのため、口頭で指示を受けるよりも、あらかじめ定められたマニュアルやルールに従って業務を遂行していくことを得意とする方が少なくありません。マニュアルやルールが定められていなかったり「やり方を見て覚えて」など指示が曖昧だったりする場合は、「何を」「どこまで」真似すればよいのか把握しづらく、スムーズに業務が進められない可能性があります。

また、誰から仕事を教わるのか分からない場合や、人によって言っていることが異なる場合も、柔軟に対応することに難しさを感じて働きにくさを感じるケースがあります。そのため、企業説明会や面接時にはマニュアルなどが整備されているかどうかや、OJTなどの研修がどのように行われるかを質問してみるとよいでしょう。

4.まとめ

職場選びのポイント
発達障害のある方のすべてが、必ずしも上述したような職場環境で働きにくさを感じるというわけではありません。そのため、自身が障害上、どのような環境であればストレスを感じやすいのか、または感じにくいのかについて、障害特性をきちんと理解した上で企業選びを進めることが大切です。

就労は、それ自体がゴールではありません。大切なのは、心身共に安定して働き続けることです。職場環境は職場によって千差万別なので、情報収集やさまざまな人への相談を通じて、ぜひ自分に合った職場を見つけましょう。(メンタル不調からの社会復帰や復職、就職の相談はコチラから

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(写真素材:PIXTA・photoAC)