【うつ病】休職からの職場復帰・復職は誰だって怖い?【適応障害】
うつ病や適応障害などで休職することになると、それまでの心身のつらさや負担を和らげるために休養に専念することが大切ですが、一方で休職して1ヶ月が過ぎ、3ヶ月が過ぎ、半年が過ぎるとなると、「職場への復帰・復職について考える度に不安になってしまう」というケースも多くみられます。
身体のこと、心のこと、スキルのことなど、具体的な懸念は人それぞれですが、職場への復帰・復職にあたっての不安は誰にでもみられる共通の心配事といえるでしょう。インターネット上の、とりわけ各種のSNS等で「復職 怖い」「復帰 不安」との言葉が多くみられるのは、それだけ休職者にとっての共通の悩みであることを意味しているといえます。
ここでは、そんな休職からの復職について多くの方が感じる疑問や不安に関して、休職期間の理想の過ごし方や、誰に相談すべきなのかといった点について解説していきます。(休職と復職のことが3分でわかる「簡単!初めてのリワークガイド」のダウンロードはコチラから)
様々な不安が頭に浮かぶ場合はどうすればいい?
休職期間中に心身の不調が回復しても、復職の時期が近づいてくると不安が強くなってくることがあります。こうした不安を抱くのは決してめずらしいケースではなく、実は多くの方が感じていることです。たとえば「業務がまともにできないかもしれない」「悪口を言われるかもしれない」といった不安が代表的です。
休職という形で仕事から離れても、休職期間が一定期間過ぎると少なからず仕事のことや今後のことを考える機会が増えてくるようになります。そうなると、職場の現在の状況が分からないために過去の悪い出来事を思い出して不安を強めてしまったり、様々なネガティブな場面を想定して「嫌なこと」が起こるのではないかという考えが止まらなくなったりすることもあります。
一方で、このような不安が生じるのは、むしろ「一定期間しっかり休んだことで仕事と向き合う心の準備ができ、仕事や今後のことを考えられるようになった」とポジティブに捉えることもできます。心が回復に向かっている状態であると理解することによって、復職への不安だけでなく、前向きな気持ちを持つ第一歩となります。
休職期間はどう過ごせばいい?
休職期間中は、心身の健康状態だけでなく、復職後の業務のことについても様々な不安が頭をよぎるかもしれません。しかし、こうした不安を和らげるために直ぐにでも何かをしなければならないというわけではありません。不安の症状が強くて何もしたくないようであれば、無理に何かを行わないことも大切なケア方法のひとつです。
休職したばかりの時期に不安だからと行動を起こし過ぎてしまうと、結果的に心身が休まりにくくなります。新しい活動をするときは、事前に十分な休息と、段階的な準備活動が大切です。言い換えれば、「何もしたくない」「何もできない」というときはそれを心身からのサインと受け取り、しっかりと休むようにしましょう。
再び活動できそうな状態にまで回復した後は、まずは自分がやりたいこと、楽しいと感じること、できそうなことから少しずつ取り組んでいきましょう。休職中の過ごし方で大切なのは、自分の体調や状態を見て焦らずに活動していくことです。
不安になったときは誰に相談すればいい?
不安になったとき、「誰に相談すればよいか分からない」と悩んでしまう方も少なくありません。相談の相手には必ずしも「正解」があるわけではなく、基本的には誰に相談しても問題ありません。これは、「誰かに話すこと」そのものが大切であるためです。誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまうと、不安が増大したりストレスが蓄積されて健康を損ねることにつながります。
ただし、漠然とした不安ではなく具体的な悩みや課題であれば、適切な相手に話すことが大切です。生活のことであれば家族、業務のことであれば上司や産業医、メンタル面のことであれば医師や保健師といったように、相談内容によって相談相手を選ぶのがポイントです。
「むやみやたらに相談したり頼ったりするのが苦手」という方は、どのような悩みや不安が生じたら誰に話すかを事前に決めておくとよいでしょう。不安になったときに話せる相手を把握するために、身近な人や職場の同僚、医療関係者、自治体の相談窓口、友人など、相談できる相手を書き出しておくことが解決への第一歩となります。 (スタッフに相談しながら復職を目指すなら → ニューロリワークの資料請求)
不安を解消するための効果的なケアとは?
セルフケアを身に付けることは、休職期間の不安に対処する上で重要です。主に身体面(おもに体力面)と精神面のそれぞれで押さえておくと効果的です。
体力面のケアに関しては、少しずつで良いので活動を再開していくことが大切です。日中に活動せずに自宅にいる日が続くと、働く上で必要な体力が回復せずにいつまでも外に出る不安感が残り続けてしまうこともあります。「まずは自宅の玄関まで出る」「次は自宅の周辺を軽く散歩する」といったように、細かく段階を経て、自宅以外での活動を増やしていくとよいでしょう。
活動することに抵抗が無くなってきたら、次の段階へと進みます。公共交通機関を利用して会社の近くに行ってみるなどの通勤訓練に取り組み、そのときの不安感や疲労感を確認してみましょう。近年ではテレワークでの勤務も増えつつありますが、復職後に「通勤」が求められるケースも多くあります。余裕を持って往復できる体力をつけることは、不安の解消につながります。
精神面のケアについては、「ストレスコーピング」が重要です。ストレスコーピングとは、ストレスに対処するための行動を指します。仕事や生活の中で起こり得るストレスへの対処法をたくさん考えておくことで、日々のストレスに対処できるのはもちろん、ストレスが生じる場面を事前に想定し、備えておくことができます。対処法は「少なくとも○○個は必要」というものではなく、自分に合ったものがいくつかあれば問題ありません。どのような対処法があるかを考えることから始めてみましょう。ストレスが起こる可能性を考えること自体がストレスになる場合は、焦らずにしっかり休息をとって、楽に過ごせる状態を作る状態から始めてみましょう。セルフケアについては、【安定した復職を目指すために身に付けたい、「セルフケア」の基本 】 でも詳しく解説しています。
まとめ
うつ病や適応障害などが理由で休職に至り、その後の復職が迫ると「復職が怖い」「職場への復帰が不安」と感じることは多くの方にみられます。しかしそれは、言い換えれば「心が仕事に向き合う準備ができ、仕事や今後のことを考えられるようになった」ともいえます。
不安が続く場合には、セルフケアや相談を通じて不安を和らげることができます。適切なケアを行うことで、休職期間を健全に過ごして無理のない復職を目指すことが大切です。
自分ひとりで体力面と精神面のケアをするのが難しいと感じる場合は、リワーク施設を活用するのも選択肢のひとつです。リワーク施設のひとつであるニューロリワークでは、ストレスケアに効果のあるマインドフルネスや健康のための有酸素運動、セルフケアに関するプログラムなど、様々なプログラムを提供しています。見学や体験実習も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。(リワーク施設のひとつ、ニューロリワークの見学をご希望の方はコチラから)
【参考文献・参考サイト】
(写真素材:PIXTA・photoAC)
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