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復職と再就職のどちらが良い?意味の違いと判断ポイントを解説

「休職を経て、調子が良くなってきたのでそろそろ仕事のことを考えたい」
「復職するべきか、それとも思い切って新しい職場に再就職するべきか」

こうした選択は、今後の人生を大きく左右する分岐点のひとつとなります。それゆえ、迷いや悩みが生じてしまうことも決して少なくありません。

クリニックや医療機関に通っているものの、「リワーク」などの復職支援にはまだ触れていないという方ほど、選択や判断に迷いやすいものです。このようなときに大切なのは、焦ることなく“自分に合った選択”をすることです。

このコラムでは、休職を経た上での復職と再就職の違いや、それぞれのメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。また、専門家に相談することの大切さや、リワーク施設で相談するメリットについてもご紹介します。
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1.復職とは

復職
復職とは、何らかの理由で休職していた従業員が、再び同じ職場に戻り、職務を再開することを指します。休職の理由は、健康上の問題や家庭の事情、育児・介護など多岐にわたります。復職のプロセスは企業や組織によって異なりますが、一般的には以下のような流れとなっています。

(1)休職理由の解消

健康状態の回復や家庭の事情の解決など、休職に至った原因が解消されていることが復職の前提条件となります。特にメンタルヘルスの問題の場合は、安定した生活リズムやストレスへの対処力が回復しているかどうかが重要視されます。主治医の判断だけでなく、自分自身が働ける感覚を持てているかどうかも判断基準のひとつです。

(2)復職の意思表示

復職のプロセスは、従業員が「復職したい」と企業側に意思を伝えることからスタートします。多くの場合、主治医の診断書や「就業可能」の意見書などの医療的な根拠が必要とされます。企業側も安全配慮義務の観点から、復職可能と判断される医学的情報を求めるのが一般的です。

(3)復職プランの策定

復職後に無理なく働き続けられるように、企業側と従業員が協力して復職支援のプランを作成します。この段階では、業務内容の調整や勤務時間の短縮、時差出勤、在宅勤務の導入などを検討します。人事担当者や産業医、上司と面談を重ねながら、段階的な復帰の流れを整えていきます。

(4)試行勤務

最初からフルタイムで復帰するのではなく、まずは短時間勤務や軽い業務からスタートする「試行勤務期間」を設けることが一般的です。この期間は、復職者の体調や業務遂行能力を確認しながら、少しずつ勤務負荷を上げていくための段階です。本人の無理のない範囲で、働く感覚を取り戻すことが重要です。

(5)正式な復職

試行勤務期間を経て、本人の状態に問題がないと判断された場合は、正式に通常の勤務体制に戻ります。企業側も本人の勤務状況を観察した上で、フルタイム勤務に戻すかどうかの最終判断が行われます。復職後も継続的にサポートを行うことで、再休職を防ぎ、安定した就労を目指すことが可能です。
(関連記事:復職支援(職場復帰支援)プログラムとは?

2.復職のメリット・デメリット

復職のメリット・デメリット
休職からの復職には、「元の職場に戻れる安心感」や「キャリアの継続」といった多くのメリットがあります。一方で、過去のストレス要因が再び影響を及ぼすリスクもあり、慎重な判断が求められます。ここでは、復職における代表的なメリットとデメリットについてみていきます。

主なメリット

・職場環境への適応が容易:
既に業務内容や社内ルールに慣れていることから、心身への負担が少ないというのが特徴のひとつです。オリエンテーションや研修といった初期教育を受け直す必要がないので、スムーズな再スタートが可能です。この点で、精神的なプレッシャーが軽減されやすい環境といえます。

・既存の人間関係の継続:
顔なじみの上司や同僚と再び働けることは、大きな安心材料となります。ゼロから人間関係を築く必要がなく、これまでの信頼関係があることから業務の連携や相談がしやすい環境といえます。特にメンタルの回復期には、信頼できる人間関係が大きな支えになります。

・キャリアの継続性:
これまで積み重ねてきたスキルや知識をそのまま活かすことができ、キャリアの断絶を最小限に抑えることができます。昇進や異動などのキャリアパスにも乗りやすく、再スタートではなく“継続”として扱われる点も強みです。再就職と比べて、自己アピールの必要が少ないのも魅力のひとつです。

・経済的安定:
復職によって給与や福利厚生など、これまで通りの待遇を維持できる場合が多く、生活の見通しが立ちやすくなります。特に休職中に傷病手当金などの収入減を経験していると、復職後の安定は大きな安心感につながります。年金や社会保険の継続もスムーズで、制度上の不利益を受けにくいのもメリットです。

主なデメリット

・過去の問題の再発:
休職前にあった職場の人間関係のトラブルや業務上のストレスが根本的に解決されていない場合は、再び同じ問題に直面する可能性があります。環境が変わらなければ再発のリスクは高まるため、再休職に至らないためにも復職前に課題の整理が必要です。

・職場の変化への対応:
職場によっては、休職中に部署が再編されたり、新しい業務フローやITツールが導入されているというケースもあります。復職後、そうした環境変化についていくのが困難な場合は、戸惑いや不安の原因になり得ます。適応するためには情報収集に労力を費やすことになるため、その取り組みが負担になる場合があります。

・周囲の視線:
休職していた理由がメンタルヘルスなどの場合、理解を示す方もいれば無理解や偏見を持つ方がいるケースも考えられます。こうした場合に、「また休職するのでは?」といった不安の目で見られることで心理的な負担になる可能性があります。この負担が大きなストレスとなり、自信を持ちにくくなることもあります。

・キャリアの停滞感:
復職は「元の場所に戻る」選択であるため、新しいチャレンジや役割拡大の機会が少なく、成長が止まってしまうと感じてしまうケースもあります。部署異動や責任のあるポジションへの昇格が見送られることもあり、「今の職場にいていいのか?」と悩むケースも少なくありません。こうした理由から、将来的なキャリア形成に不安を抱える要因にもなることがあります。
(関連記事:休職を考えるときに押さえるべき、それぞれのメリットとデメリット

3.再就職とは

再就職
再就職とは、現在の職場を離れ、新たな企業や組織に就職することを指します。再就職という選択肢は、キャリアチェンジやスキルアップ、またはより良い労働環境を求めて選ばれることが多く、人生の再スタートともいえる大きな転機になります。一般的に、再就職は以下のようなステップを踏んで進められます。

(1)自己分析

まずは、自分自身のスキル、得意分野、価値観、仕事に対する希望条件などを整理します。どのような働き方をしたいのか、どのような職種や業界が向いているのかを明確にすることで、ミスマッチを回避することができます。過去の経験を振り返りながら「次に何をしたいのか」「自分はどこで活躍できるのか」を考えることが、再就職成功の第一歩となります。

(2)情報収集

自分に合った企業を見つけるために、ハローワークや転職サイト、転職エージェント、SNSなど複数の手段を活用して情報を集めます。企業の評判や業界の動向、働き方(例:リモートワーク、時短勤務など)なども確認することで、より現実的な選択が可能になります。知人からの紹介やOB・OG訪問など、ネット以外の情報も視野に入れると幅が広がります。

(3)応募・選考

履歴書や職務経歴書などの応募書類を作成し、気になる企業へエントリーを行います。その後、書類選考や面接などのプロセスを経て企業との確認・審査が進められていくことになります。面接ではこれまでのブランクや退職理由について聞かれることもあるため、前向きに説明できるよう準備しておくことが大切です。

(4)内定・入社

選考を通過し、内定を受けると、現在の勤務先がある場合は円満に退職するための手続きを進めます。必要な引き継ぎや手続きを済ませた後、新たな職場での勤務がスタートします。新しい環境に適応するには時間がかかることもあるため、入社後のサポート体制や教育制度が整っているかどうかも事前に確認しておくことが大切です。

再就職は、新しい人生の一歩として大きな決断になるからこそ、焦らず計画的に進めることが成功のカギです。必要に応じて、就労支援機関やリワーク施設、キャリアカウンセラーなどの専門家のサポートを受けるのもおすすめです。
(関連記事:復職? 退職? 再就職? 決断する前に。休職原因の分析と対策で安定就労を実現させる

4.再就職のメリット・デメリット

再就職のメリット・デメリット
再就職は心機一転して新しい環境で働ける機会であり、自分に合った職場や働き方を再選択できる大きな転換点となります。一方、ゼロからの人間関係構築や環境への適応など、負担やリスクも伴います。ここでは、再就職の主なメリットとデメリットについてみていきます。

主なメリット

・新たな環境で再スタートできる:
過去の職場環境や人間関係のしがらみから解放され、自分に合った新しい職場で働くことができます。職場の雰囲気や文化を選べる自由度が高く、リセットして再出発できるのは大きな魅力のひとつです。ポジティブな気持ちで仕事に向き合いやすくなるので、文字通り「心機一転」の機会となります。

・キャリアの方向転換が可能:
これまでとは異なる業種や職種に挑戦することで、キャリアの幅を広げることができます。新しいスキルや知識を習得する機会にもつながり、自分自身の成長にも期待が持てます。将来的なキャリア形成にもプラスになるため、キャリア志向の方にとっては大きなメリットといえます。

・労働条件の見直しができる:
勤務時間や給与、勤務地、人間関係など、自分の希望やライフスタイルに合った条件で働ける職場を探すことができます。休職を経験した方にとって、無理のない働き方を選べるのは大きなメリットのひとつです。自分にとって働きやすい環境を再設計できる、大きな転機となります。

主なデメリット

・環境への適応が必要:
新しい職場の業務内容や文化に慣れるまでには、時間がかかる場合があります。特に初めての業種や未経験の仕事だと、覚えることも多くストレスを感じやすくなります。環境に合わない場合は、早期離職につながるリスクもあります。

・人間関係の構築がゼロから:
これまでに築いてきた社内での信頼関係は引き継がれないため、新たな人間関係をゼロから築く必要があります。人間関係がうまくいかない場合、仕事のやりづらさや孤独感を感じる原因になることもあります。特に小規模な職場では、雰囲気になじめるかが重要になります。

・収入や待遇が下がる可能性:
再就職先の条件によっては、以前の職場よりも給与や福利厚生が劣る場合があります。特に未経験職や短時間勤務を選んだ場合は、その傾向が強くなります。収入面でのギャップが生活に影響する可能性があるため、条件面の見極めは慎重に行う必要があります。
(関連記事:「リワークってどういう意味? 通う効果はどれくらい?」復職や再就職支援の疑問を解決

5.復職か再就職、どちらにするかの判断ポイントは?

復職と再就職の判断ポイント
休職からの職場復帰を考える際、復職と再就職のどちらが自分にとって最適かを判断することは、今後のキャリアや生活に大きな影響を与えます。それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがあるため、自身の状況や目標に応じて慎重に判断する必要があります。主な判断ポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

判断ポイント(1):休職の原因と職場環境の現状

休職に至った原因が現在の職場で解消されているかは、重要な判断ポイントのひとつです。たとえば、職場環境が改善されている、または自分自身が問題に対処するスキルを身に付けられている場合は、復職が現実的な選択肢のひとつとなります。一方、職場の人間関係や業務内容が原因であった場合に、それらが改善されていなければ復職後も再び同じ問題に直面する可能性があります。そのため、問題が根本的に解決されていないと感じる場合や同じ環境に戻ることに不安がある場合は、新たな環境で再スタートを切る再就職を検討することも選択肢のひとつです。

判断ポイント(2):自身のキャリア目標とスキルの再評価

休職期間中に、自身のキャリア目標やスキルを再評価することも重要なポイントです。現在の職場でのキャリアパスが自分の目指す方向と一致しているか、または新たな分野での挑戦を望んでいるかを考えることで、復職か再就職の選択が明確になります。これまでの経験やスキルを活かして同じ職種でキャリアを積みたい場合は復職が望ましい一方、新たなスキルを習得し、異なる分野での活躍を目指す場合は再就職が望ましいといえます。ひとりで考えて結論を出すことが難しい場合は、リワーク施設などでの職業訓練を通じて自身のスキルや適性を再確認することも効果的な方法のひとつです。

判断ポイント(3):経済的・生活環境の安定性

経済的な状況や生活環境も、復職か再就職を判断する際の重要な要素のひとつです。復職の場合、以前の給与や福利厚生を維持できる可能性が高く、経済的な安定性が期待できます。一方、再就職を選択する場合は、新たな職場での給与や待遇が以前と異なる可能性があり、生活設計に影響を及ぼすことがあります。また、再就職活動には時間と労力が必要であり、その間の収入源を確保する必要があります。判断する上では、家族のサポートや生活環境の変化も考慮することが重要です。
(関連記事:復職を判断する条件・基準とは?安心して復職できるまでの流れもご紹介

6.リワーク施設なら、今後の進路の相談が可能

リワーク施設での相談
リワーク施設では、単に職場復帰の準備を行うだけでなく、「今後、自分は復職すべきか、それとも再就職を考えるべきか」といった選択肢の相談も可能です。施設によって違いはあるものの、医療職(精神科医や臨床心理士)やキャリアコンサルタント、社会福祉士などの専門家がチームとなり、利用者一人ひとりの状態や背景に寄り添いながら多角的な視点でアドバイスを行うことで、心身の状態だけでなく、キャリアの希望や家庭状況などを踏まえたサポートが可能です。

また、リワークの現場では多くの復職・再就職事例を扱っているため、理論だけでなく実践的な視点から「どちらの選択が現実的か」「どんな準備をすればよいか」といった具体的なアドバイスができるという点も大きなメリットのひとつです。自分の思い込みや焦りだけで判断してしまうことを防ぎ、より納得のいく進路選択につながることが期待できます。

ニューロリワークでは、復職・再就職の支援だけでなく、その後の安定した就労のサポートも行っています。「相談して終わり」ではなく、その後の働き方も含めて継続的に伴走することから、これまでに多くの復職・再就職を実現しています。休職からの復職や再就職に迷った場合は、一人で抱え込まずにリワーク施設を活用することがおすすめです。
(関連記事:リワーク施設(リワークプログラム)を利用する上で知っておきたい「施設の種類」と「選び方」とは?

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