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復職

パニック障害で休職。復職までの流れとは?

パニック障害による休職から、復職を目指す上で「どれくらいの期間の休職が必要なのか」「仕事に戻るためにはどういったステップを踏むべきなのか」など、多くの不安を抱える方も少なくありません。休職中の過ごし方や復職に向けた最適な支援施設、または制度の活用法などが分からず、どう進めていけば良いのか迷ってしまうというケースも多くみられます。

そのような方に向けて、ここではパニック障害による休職から復職を目指すために知っておくべきポイントを、分かりやすく解説します。これまで多くの復職を支援・実現してきたニューロリワークがその知見に基づき、休職の必要性やその最適な期間、過ごし方、さらには復職までの流れや利用できる制度などについて、詳しくご紹介しています。
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1.パニック障害とは

パニック障害を調べる女性
パニック障害は、予期しないタイミングで発作が発生し、動悸や呼吸困難、めまいなどを引き起こす症状が特徴的な疾患です。発作を繰り返すうちに、「発作が再発するのではないか」と過度に不安を感じ、外出や日常生活に支障をきたすようになります。

パニック発作を起こす人は全体の10%ほどで、その中の20%~30%が発作を繰り返し、パニック障害に至るといわれています。発症する年代は主に20代〜30代に多く、女性の発症率は男性の2倍~3倍といわれています。発作が身体的な病気ではないと確認された場合でも、発作への恐怖が心の中で残り、生活の質が低下することがあります。そのため、早期の診断と治療が重要と考えられています。
(関連記事:休職すべき?┃不調につながる5つの症状

2.パニック障害になったら休職が必要?

パニック障害と休職
パニック障害の症状が悪化すると、通常の勤務が困難になります。また、発作は予測が難しく、特に人混みや会議室などの職場環境で発生しやすいことから、発作への恐怖によって通常の勤務だけでなく、社会的な不安が増すことで外出への抵抗も引き起こすようになります。症状がさらに悪化すると、長期の休職が必要になるケースもあります。休職期間の長さは個人の症状によって異なりますが、症状を改善させるためには十分な休養と治療が不可欠です。一定の休職期間を経ることで、無理に働き続けることによる悪化を防ぎ、精神的な安定を取り戻しやすくなります。
(関連記事:メンタル不調による休職から、復職するまでの主な流れ

3.パニック障害で休職する期間の目安はどれくらい?

パニック障害で休職する期間
パニック障害で休職する期間は、人によって大きく異なります。短い場合は数週間~数ヶ月、長い場合は1年以上に及ぶこともあります。発症のきっかけや症状の重さ、治療の進み具合、または職場の環境や本人の性格など、回復が見込まれる休職期間を考える上でさまざまな要因を考慮する必要があるため、一概に「このくらい」とはいえません。

休職期間の初期段階では、十分な休養と医師の診断に基づく治療が重要です。多くの場合、通院による薬物療法や認知行動療法を組み合わせて行い、少しずつ症状の安定を目指していきます。ある程度の休職期間が過ぎ、症状が落ち着いてきた後は、リワーク(復職支援)などの支援サービスを利用しながら段階的に社会復帰を目指すというのが一般的な流れです。

なお、無理に早く復職しようとすると、再発のリスクが高まるという点に注意が必要です。症状の悪化や再発を防止するためには、自身の状態を客観的に見極め、主治医と相談しながら「今は復職に適したタイミングかどうか」を慎重に判断することが重要です。休職期間中は焦らずにじっくりと回復に向き合うことが、結果的にスムーズな復職につながります。
(関連記事:復職の適切なタイミングとは?必要なステップと準備ポイントを解説

4.パニック障害で休職してから復職までの流れ

パニック障害による休職からの復職の流れ
パニック障害で休職した場合、まずは心身の回復を最優先にしながら、段階的に復職を目指すことが求められます。症状が安定するまでは無理をせず、治療と休養に専念するというのが適切な過ごし方です。その後は医師と相談しながら、復職のタイミングを見極め、必要に応じてリワークなどの支援サービスを活用して社会復帰を目指していきます。

以下では、休職から復職までの一般的な流れについてご紹介します。

(1)休職して治療と回復に専念する

休職直後は、まず心身の安静を第一に考えることが大切です。パニック障害はストレスや不安が引き金になることが多く、無理を重ねると症状が悪化するリスクがあります。主な治療としては、抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法に加え、認知行動療法などの心理療法が用いられます。通院を継続しながら生活リズムを整え、少しずつ外出や軽い活動に取り組めるようになることを目指します。休職期間中は、家族や周囲の理解も重要です。安心できる環境で心身の回復を図ることが、復職への第一歩となります。

(2)主治医と相談して復職のタイミングを判断する

症状が安定してきたら、復職のタイミングについて主治医と相談を始めます。ここで重要なのは、焦らず客観的に自分の状態を把握することです。「もう働ける」という感覚があっても、無理に復帰してしまうと再発のリスクが高まるため、医師の判断を優先することが大切です。会社によっては産業医との面談や復職の判定が必要な場合もあるため、事前に手続きやスケジュールを確認する必要があります。なお、復職後に無理なく働ける環境づくりについての職場との調整も、この時期から始めるのが一般的です。

(3)リワークなどの支援を活用して段階的に復職

復職にあたっては、最初からフルタイムでの勤務に戻るのではなく、リワーク(復職支援プログラム)などを活用して段階的に社会復帰を目指すことが推奨されています。

リワークでは、決まった時間に通所することで生活リズムを整えつつ、対人スキルやストレス対処力を高めるトレーニングが行われます。また、実際の職場に近い環境で活動することで、「再び働ける」という自信を取り戻すことにもつながります。プログラムを通じて主治医や支援スタッフから客観的な意見を得られるため、復職の準備を整える上でも大きな助けとなります。
(関連記事:復職面談で産業医に聞かれることは? 押さえておきたい大切なポイントについて

5.パニック障害が原因での休職期間中は、どう過ごせば良い?

パニック障害での休職期間の過ごし方
パニック障害で休職している期間は、心と体をしっかりと休めることが最優先です。これまで無理を重ねてきた心身にとって、休職は不調をリセットする好機でもあります。焦って「早く良くならなければ」「すぐ復職しなければ」と思い詰めてしまうと、かえって症状が悪化することもあるため、まずは自分を責めず、十分な休養を取ることが大切です。

休職期間の初期段階では生活リズムが乱れがちになることもありますが、可能な範囲で起床・就寝時間を整え、規則正しい生活を心がけるようにしましょう。生活の土台が整うと、少しずつ気持ちも落ち着く傾向があります。無理のない範囲で散歩などの軽い運動を取り入れることで気分転換にもなり、睡眠の質が向上することも期待できます。

治療においては主治医の指示に従い、定期的な通院と服薬を継続することが重要です。場合によっては認知行動療法などの心理的なアプローチも併用しながら、不安への対処法を身につけていきます。治療が進み、心身の状態が少しずつ安定してきた段階では、日常生活に少しずつ活動を取り入れていくとよいでしょう。

休職中は社会とのつながりが希薄になりやすく、不安や孤独感を感じることもあるかもしれません。そのようなときは、家族や信頼できる友人、支援機関と連絡を取り合うことで、気持ちが軽くなることもあります。また、復職に向けた準備としてリワーク(復職支援)などのプログラムを活用するのも効果的な方法のひとつです。休職期間は休むこと自体を大切な仕事と考え、自分の状態に耳を傾けながら、無理なく、段階的に回復を目指していくことが大切です。
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6.パニック障害で休職中に利用できる制度

利用できる制度
パニック障害で休職した場合、経済的・医療的な不安を軽減するために利用できる制度がいくつかあります。代表的なのが、「傷病手当金」です。傷病手当金は健康保険に加入している被保険者が病気や怪我で働けなくなった場合に支給されるもので、最長で1年6ヶ月にわたって給与の約2/3相当額が支給されます。休職中の生活費を支える上で、非常に重要な制度のひとつとなっています。

また、医療費の負担を軽減するために「自立支援医療制度(精神通院医療)」の活用も、一定の条件を満たすことで可能となります。自立支援医療制度(精神通院医療)は精神科に通院する際の医療費の自己負担を通常の3割から1割に軽減する制度で、継続的な治療が必要な方にとって大きな支援のひとつです。申請は自治体の窓口で行い、主治医の意見書が必要となります。

これらの制度は、活用次第で心身の回復に専念するための環境づくりに役立てることができます。利用にあたっては申請手続きが必要であるため、活用を考える場合は早めに調べて準備しておくことが大切です。周囲のサポートも活用しながら、無理なく次のステップへ進むための基盤を整えることが、効果的な復職への第一歩となります。
(関連記事:休職からの復職が怖い方へ。復帰後の定着率が3.5倍といわれるリワークプログラム

7.パニック障害で休職中、復職に向けて利用できる施設

利用できる施設
パニック障害で休職すると、「すぐに職場に戻るのは不安が大きい」と考える方も少なくありません。そのような場合に利用できるのが、「リワーク施設(復職支援施設)」です。リワークは医療機関や就労移行支援事業所などが提供している復職支援プログラムで、働くための準備を段階的に行うことができます。

リワーク施設では、復職のためのさまざまなプログラムが提供されています。たとえば、決まった時間に通所することで生活リズムを整えながら、集団プログラムを通してストレス対処法や対人関係スキルを身につけていきます。また、模擬的な仕事の体験や、自己理解を深めるカウンセリングも行われ、復職後に再発しにくい働き方を習得するサポートが受けられるリワーク施設もあります。

復職支援を行っている「就労移行支援事業所」では、障害者総合支援法に基づき、一定の条件を満たすことで国の補助を受けながらリワーク支援を受けることができます。また、医療機関併設型のリワークでは、主治医や専門スタッフと連携を取りながら、より医療的な視点で復職支援が行われています。

こうしたリワークを活用することで、「再び働ける」という自信をつけられるだけでなく、職場との復職調整をスムーズに進めるきっかけにもなります。復職が不安な方や再発を防ぎたい方にとって、リワークは効果的な支援のひとつです。まずは主治医や支援機関に相談し、自分に合った施設やプログラムを見つけることが大切です。
(関連記事:【データで確認するリワークプログラムの効果】うつ病などのメンタル不調による休職から復職を成功させるために

8.パニック障害で休職から復職した方の声

復職者の声

「ストレスに柔軟に対処する方法を学べた」【40代 利用期間:1年】

FITプログラム」「ブレインフィットネスプログラム」「ポジティブ心理学」「運動プログラム」など、色々なプログラムを受講することで、
・生活リズムを整えて睡眠時間を確保し、栄養バランスの取れた食事を心がける
・仕事に耐えられる体力をつける
・コラム表(自分の気分や考えを振り返る記録表)や日記、ストレスコーピングを活用して、ストレスへの対処をする
・自分の強みや価値観を整理することで、自分の考えや行動を肯定的に捉える
などができるようになりました。

リワーク施設を利用して、自分自身の強い不安感を軽減する手法を身に付けて、ストレスに柔軟に対処しながら仕事を続けられるようになりたいと思っていたので、それらを叶える貴重なことを色々教えてもらい感謝しています。これからも身に付けたこの取り組みを続けていきたいと思います。

また、日々の会話や毎週の振り返り面談はもちろんのこと、自分の進むべき道に迷ったときに相談ができ、アドバイスをもらえたことがとても心強かったです。前向きに過ごせる自分の力につながりました。

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9.リワークプログラムの活用は、復職の第一歩


パニック障害が原因で不調が続く場合、復職のための第一歩は、休職と適切な休養です。また、休職期間中は、リワークプログラムを活用することで効果的に復職を目指すことができます。復職だけでなく、復職後の安定した就労を実現するためにも、リワークプログラムは効果的な取り組みとなっています。

ニューロリワークでは、休職からの復職と安定した就労を実現するためのさまざまなプログラムを提供しています。事業所の見学や体験実習も実施しているので、休職や復職でお悩みの方はぜひご相談ください。
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