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作業療法士監修 うつ病 食事

食事とリワークの関係は?うつ病の改善を目指す方が覚えておきたい食べ物と栄養素を解説

うつ病の回復には休養や治療に加え、日々の食事も大きく関わっています。栄養バランスの取れた食事は脳の働きを支え、気分の安定にもつながるため、復職(リワーク)を目指す上で意識しておきたいポイントの一つです。

この記事では、うつ病の改善を目指す方が覚えておきたい栄養素や具体的な食べ物、無理なく続けられる食事のコツをご紹介します。食事面から心身の調子を整えたいと考えている方は、ぜひご参考ください。

適切な食事が心身の健康とリワークに与える影響

食事の健康への影響

うつ病の回復には休養や治療だけでなく、日々の食事も大きく関わっています。栄養バランスの取れた食事は、脳の働きを支え、気分を安定させる助けとなります。

反対に、栄養が偏ると脳の機能が低下し、抑うつ症状が長引く原因にもなりかねません。復職(リワーク)を目指す上では、食事を通じて心身の土台を整えることも重要な一歩といえます。

脳内物質の分泌を促す神経伝達物質の役割

脳内で気分の安定や幸福感に関わるセロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質です。セロトニンの生成には、体内で作ることができない必須アミノ酸の一つであるトリプトファンが欠かせません。トリプトファンは肉や魚、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。

さらに、ビタミンB群や鉄分、マグネシウムといったミネラルは、神経伝達物質の合成を補助する役割を担っています。こうした栄養素を食事から適切に摂取することで脳がスムーズに機能し、心身のバランスが整いやすくなるため、抑うつ症状の緩和や気分の安定にも期待が持てます。

栄養不足が招く脳機能の低下とリスク

鉄分が不足すると、赤血球が十分に作られず脳への酸素供給が滞り、めまいや疲労感に加え、集中力が低下してうつ病に似た状態を引き起こす場合があります。

また、ビタミンB群の欠乏は神経伝達物質の生成を停滞させ、イライラや不安感を招くだけでなく、エネルギー産生の低下による強い倦怠感につながる可能性もあります。加えて、脳の細胞膜の構成成分であるオメガ3脂肪酸が不足すると、脳の炎症が起こりやすくなり、うつ病のリスクが高まる一因となり得ます。

リワークを助けるおすすめの栄養素と食べ物

おすすめの食べ物

うつ病の方に不足しがちな栄養素は、大きく分けてビタミン類、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸の4種類とされています。これらはセロトニンやドーパミンの生成に関わり、気分の安定ややる気の向上を支える重要な成分です。

復職(リワーク)に向けて心身の調子を整えるためにも、日々の食事でどのような栄養素を意識すべきか、具体的な食べ物とあわせて確認していきます。

精神の安定を支える栄養素:アミノ酸・ビタミンB群

セロトニンの材料となるトリプトファンは、大豆製品や乳製品に豊富に含まれる必須アミノ酸です。トリプトファンは日中にセロトニンへと変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンに変わるため、気分の安定と良質な睡眠の両方を支えています。バナナにはトリプトファンに加えてビタミンB6や糖質も含まれており、手軽に摂れる食品として適しています。

一方、ビタミンB群も欠かせない栄養素で、B1は脳のエネルギー供給を助け、B6はセロトニンの合成に関与し、B12は赤血球の生成や神経細胞の維持を担っています。なかでも葉酸は緑黄色野菜に多く含まれ、意欲向上に関わるカテコールアミン(ドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質)の生成に欠かせないビタミンです。

脳の健康を維持する栄養素:オメガ3脂肪酸・ミネラル

イワシやサバなどの青魚に豊富なオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、脳の神経細胞膜を構成する成分であり、脳の健康維持に寄与することが示唆されています。

さらに、EPAやDHAにはセロトニンを受容する役割もあるため、気分の安定を支える上で大切な栄養素です。魚が苦手な方は、アマニ油やえごま油からも摂取できます。また、マグネシウムは300種類以上の酵素をサポートする必須ミネラルで、セロトニンの分泌を助けることから心の安定や睡眠の質にも関わっています。

アーモンドやひじきなどに多く含まれるため、日常の食事に取り入れやすい食品です。鉄分も重要な栄養素で、不足すると疲労感や集中力の低下を招き、たとえば産後の心身の不調に関わっているという指摘もあります。レバーやあさりなどの食品から意識的に摂取することが大切です。

関連記事:うつ病やメンタル不調は魚で改善できる?覚えておきたい「ω-3脂肪酸」の効果

無理なく継続するための食事と注意点

継続するための食事

食事を通じて健康を目指す場合に大切なのは、無理なく続けることです。いきなりすべてを変えようとすると負担が大きくなり、かえって挫折しやすくなります。朝食にバナナを一本加える、夕食に野菜を一品増やすなど、小さな変化を積み重ねることで、少しずつ健康的な食生活に近付けていくことができます。

復職に向けた食生活の4つのポイント

まず意識したいのが1日3食を規則正しく摂ることです。脳はブドウ糖を主なエネルギー源としており、食事を抜くと集中力の低下や疲労感につながる場合があります。とりわけ朝食は身体の体温を上げて1日の活動スイッチを入れる役割を果たすため、生活リズムを整える上でも欠かせません。

栄養面では、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることが大切で、偏った食事はメタボリックシンドロームや糖尿病のリスクにもつながります。水分補給も重要で、水分不足は血流の低下を招き、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。一般的には1日1.5~2リットルを目安にといわれていますが、体格や運動量に合わせて調整しながらこまめに摂ることが望まれます。

さらに、腸は脳と密接に関係しており、腸内環境が乱れると精神状態が不安定になりやすいため、腸の健康を意識した食生活を心がけることも大切です。

控えるべき食べ物と調理の負担を減らす工夫

うつ病の症状を悪化させる可能性のある食べ物は、できるだけ控えることが望まれます。糖分の多いお菓子やジュースは血糖値を急激に上昇・急降下させ、気分の落ち込みやイライラを招きやすくなります。

トランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニングを使った加工食品も脳の炎症を促すおそれがあるため注意が必要です。過剰なカフェインは不安や不眠を悪化させる場合があり、アルコールも脳内の神経伝達物質のバランスを崩してセロトニンの働きを阻害する可能性があるため、摂り過ぎには気を付けたいところです。

一方、料理が負担に感じるときは、バナナやヨーグルト、ナッツなど調理不要で栄養を摂れる食品を活用するのも一つの方法です。コンビニや外食を利用する際も、納豆巻きや焼き魚定食など栄養バランスを意識したメニューを選ぶことで、無理なく食事の質を高めることができます。

ニューロリワークの復職支援(リワーク)で無理なく準備を

ニューロリワーク」では、脳科学者や精神科医、公認心理師などの監修のもと開発されたブレインフィットネスプログラムを通じて、脳と身体の健康に良い食事や生活習慣について学ぶ機会を設けています。復職に向けた準備では、専門スタッフとの面談を通じて一人ひとりの状況に合わせた支援計画を作成し、生活習慣の構築や健康管理の方法を身に付けていくことができます。

食事面での不安がある方も、日々の振り返りを重ねながら無理のないペースで改善に取り組める環境が整っています。復職や転職に向けて一歩を踏み出したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

※本記事は食事の重要性について一般的な情報を提供するものであり、特定の食品の摂取によってうつ病が治癒することを保証するものではありません。現在治療中の方は、必ず主治医の指示に従ってください。

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監修者

平岡 泰志

作業療法士

作業療法士として20年近い臨床経験をもつ。総合病院や訪問看護の現場にて、身体・精神両面からの利用者の生活再建支援に従事。また、メンタルヘルス不調による休職者の復職支援にも注力しており、生活機能の評価や職場復帰に向けたサポートや環境調整、再発防止策にも意欲的に取り組む。

一人ひとりの「働きたい」という想いと職場の実情に寄り添い、無理のない復職ステップの提案と、長期定着を見据えた伴走型のサポートを実践。