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社会保険労務士監修 復職 適応障害

復職後異動希望の伝え方とは?適応障害等での部署異動のコツを解説

適応障害やうつ病などのメンタルヘルス不調で休職し、症状が回復してきた方のなかには、復職を考え始める一方で「元の部署には戻りたくない」と感じている方もいるかもしれません。

本記事では、復職時に異動希望をスムーズに伝えるための準備や、企業側が配置転換を判断する基準について解説しています。異動が認められない場合の対処法や、再発を防ぎながら自身に合った働き方を見付けるためのヒントも取り上げていますので、職場復帰に不安を抱えている方はぜひご参考ください。

復職後異動希望の伝え方とスムーズな職場復帰のポイント

復職後異動希望の伝え方

適応障害やうつ病などのメンタルヘルス不調で休職した場合、その原因が職場の人間関係や業務負荷にあると、元の部署への復帰に不安を感じる方も少なくありません。

休職中の方が職場復帰する際には、上司や人事担当者との復職面談が実施されることがあります。この面談は、復職にあたっての不安や希望する働き方を伝える大切な機会です。配置転換の希望をスムーズに伝えるには、事前の準備と企業側の判断基準を理解しておくことが重要になります。

復職面談で異動を申し出る際の準備

復職面談で異動希望を伝える前に、まず自身の回復状況を客観的に把握し、どのような業務内容や環境であれば安定して働けるのかを整理することが大切です。

異動を希望する理由についても、仕事上の人間関係や業務負荷といった環境要因によるものなのか、再発を防ぐための健康管理上の理由なのかを明確にしておくと、企業側も検討しやすくなります。

たとえば「事務作業を中心とした部署であれば安定して貢献できる」といった前向きな姿勢を含めて伝えることで、企業にとっても配置転換を判断するための具体的な材料になります。

関連記事:復職面談で「何を聞かれる?」再休職を防ぐための3つの回答準備

企業側が配置転換を検討する判断基準

企業には従業員への安全配慮義務があり、メンタルヘルス不調の原因が職場環境にある場合、その解消に努める責任があります。ただし、必ずしも異動が確約されるわけではなく、業務内容の調整など他の形での配慮となる場合もあります。

一方で、異動先のポストに空きがあるかどうかや、本人のスキルが異動先の業務に適しているかといった業務上の要素も判断に大きく影響します。たとえば、異動先で求められる専門知識が不足している場合、企業が教育体制を整える余裕がなければ配置転換が認められないケースもあります。そのため、段階的な復帰として週数日の短時間勤務から始めることや、当面の業務負荷を軽減する妥協案も視野に入れて面談に臨むことが、現実的な対応策となります。

適応障害やうつ病で部署異動を希望するメリット

部署異動を希望するメリット

メンタルヘルス不調による休職の背景は一人ひとり異なりますが、発症の原因が職場の人間関係や業務負荷にある場合、元の部署への復帰がかえって回復の妨げになることがあります。こうしたケースでは、配置転換によって環境を変えることにメリットが生まれます。

ストレスの原因から距離を置くことで再発リスクを低減できるだけでなく、自身の適性に合った業務へ移行する機会にもなり得るため、具体的なメリットを把握しておくことが大切です。

ストレス源からの回避による再発防止

適応障害はストレスの蓄積が原因で発症する精神疾患であり、その原因が職場環境にある場合、同じ部署に戻ると再発のリスクが高まります。休職前の職場でトラブルや対立関係があった方にとっては、復帰への気まずさや恐怖心を抱くケースも少なくありません。

元の部署に戻ることで「また同じ状況になるのではないか」という予期不安が続くと、心理的な負荷が増し、安定した就労が難しくなる可能性があります。こうした外部環境の改善を企業に依頼することは、自身の健康を守るセルフケアの一環としても意味を持ちます。ストレスの原因から離れる選択が、再発防止における大切な一歩です。

業務内容の見直しと適性の再確認

休職期間は、自身の働き方や適性を見つめ直す貴重な時間にもなります。これまでのキャリアで培ったスキルを活かしつつ、心身に過度な負担がかからない業務へ移行することで、長期にわたり安定した就労を目指すことが可能です。

たとえば、自己分析を通じて自身の職業適性を把握できれば、自分に合った職場や働き方を選びやすくなり、結果としてストレスの少ない環境で働けるようになります。

配置転換先で適性に合った業務に取り組み「できた」という成功体験を積み重ねることは、休職中に低下しがちな自己肯定感の回復にも寄与するものです。新しい環境で配慮を受けながら再スタートを切ることが、復職後の安定した働き方の土台を築くことにつながっていきます。

関連記事:再休職を防ぎたい|休職理由を分析して効果的な再発予防策を

復職時に異動が認められない理由と直面する課題

復職時に異動が認められない理由

配置転換を伴う復職にはメリットがある一方で、復職面談で異動の希望を伝えても認められないケースも存在します。異動が認められない理由は個々の状況によって異なりますが、企業側の組織体制や人員配置上の事情が関係している場合が多く見られます。

また、医学的な見解と企業が求める業務適性との間にずれが生じることも、異動が実現しない要因の一つです。こうした課題を事前に把握しておくことで、面談での対応策を検討しやすくなります。

企業の組織体制や人員配置の都合

異動を希望しても、企業の組織体制や人員配置の都合によって、すぐに配置転換が認められない場合があります。たとえば、異動先の部署に受け入れ枠がない、すでに必要な人員が配置されている、教育担当者を確保できないといった事情があると、本人の希望だけでは調整が難しくなります。

また、配置転換には人件費や教育コスト、業務分担の見直しなどが伴うため、企業側が慎重に判断するケースもあります。社内規則や人事方針によって、一定期間が経過しないと異動できない、組織全体の計画に合わないと判断されることもあるかもしれません。

このように、異動が認められない背景には、本人の回復状況だけでなく、企業側の受け入れ体制や業務上の事情が関係しています。そのため、異動を希望する際は「元の部署に戻りたくない」という気持ちだけでなく、現在の部署ではどのような負荷があるのか、どのような環境であれば安定して働けるのかを具体的に伝えることが大切です。

医学的な見解と業務適性の不一致

主治医の診断書に「異動が望ましい」と記載されていても、企業側が求める業務適性の基準と一致しない場合、配置転換が認められないことがあります。企業の復職判断は「通常の勤務が可能かどうか」が基本的な基準となっており、医師の診断書だけでは判断材料として十分とみなされないケースも少なくありません。

また、異動先で求められるスキルが不足している場合、慣れない業務がかえって大きなストレスとなり再発を招くリスクを企業側が懸念する場合も見受けられます。復職の原則は元の職務への復帰とされていますが、職種や勤務地に限定のない雇用契約であれば、企業と主治医・産業医の三者間で業務内容を調整できる余地が残されています。

職場復帰で異動できないときの具体的な対処法

異動できないときの対処法

異動希望の理由が妥当であるにもかかわらず配置転換が認められなかった場合でも、取り得る対処法は残されています。重要なのは、主観的な要望にとどめず、医学的根拠や第三者の客観的な意見を交えて企業側に伝えることです。

産業医や復職支援の専門スタッフと連携したり、主治医の診断書に具体的な配慮事項を盛り込んだりすることで、企業が対応を検討するための判断材料を増やすことができます。

産業医やスタッフへの相談と連携

上司や人事担当者に対して体調の不安や配慮の要望を直接伝えることが難しい場合、産業医や衛生管理者といった専門スタッフを介して相談する方法があります。第三者の客観的な視点から「現在の部署でどのような配慮が必要か」を企業に提案することで、より適切な就労環境の構築に向けた話し合いが可能になります。

面談の際には、自身が「対応できる業務」と「配慮を求めたい事項」を事前にリスト化して持参すると、話し合いが具体的に進みやすくなります。また、リワークプログラムなどの復職支援機関を利用している場合は、スタッフに面談の同席を依頼し、職場との橋渡しをサポートしてもらうことも効果的な手段です。

診断書への具体的な配慮事項の記載

主治医に診断書を依頼する際は、単に「異動が望ましい」と記載を求めるだけでなく、避けるべきストレス要因を具体的に明記してもらうよう依頼することが大切です。たとえば「月○時間以上の時間外労働の制限」や「対人折衝が中心となる業務の回避」といった制限事項が記載されていれば、企業側にとって配慮内容を判断するための具体的な材料となります。

診断書に記載された医学的根拠は、企業が安全配慮義務を果たす上で重要な参考情報として扱われる傾向にあります。ただし、最終的な復職や配置転換の判断は企業側が行うため、診断書の内容がそのまま受け入れられるとは限りません。そうした点も踏まえ、産業医の意見書と合わせて客観性を高めることが、企業の対応を引き出すカギとなります。

ニューロリワークの復職支援で自身に合った働き方を見付ける

ニューロリワーク」では、一人ひとりの特性や休職・離職に至った経緯を専門スタッフと共に分析し、それぞれに合った復職計画を立てることが可能です。精神科医や脳科学者、公認心理師などの監修のもと開発されたブレインフィットネスプログラムやセルフケアの訓練を通じて、生活習慣の安定や健康管理の向上に取り組みながら、異動先でも元の部署でも安定した就労ができるよう心身の土台づくりに力を入れています。

復職後も企業との情報共有や連携を続け、必要な配慮が途切れないよう定着支援を行うことで、長期にわたる安定した就労を一緒に目指していきます。復職や働き方に不安を感じている方は、まずはお気軽にご相談ください。

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監修者

山下 真由美

特定社会保険労務士、行政書士

東京都港区で行政書士及び社会保険労務士事務所を開業し、労働社会保険の手続きや労務相談はもちろん、外国人の在留資格に関する手続きから労務管理までトータルで承ることが可能です。そのほかにも、著作権不明者の作品を利用するための裁定申請や相続・遺言を取り扱っています。頼れる街の法律家として、ご相談いただいた一つ一つの事件に丁寧に向き合い、お役に立てるよう精一杯のお手伝いをさせていただいています。

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