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復職

発達障害の症状にリワークは効果的?
プログラム例や復職までの事例もご紹介

「発達障害の症状を抱えたまま復職するのは難しい?」と感じている方も多いかもしれません。

休職期間中をどう過ごし、復職に向けてどのように準備をするべきかで迷うのは、多くの休職者にとって自然なことといえます。また、復職を目指す上で「リワークプログラムは本当に効果がある?」という疑問を持つ方も少なくありません。

リワークプログラムは、適切に取り組むことで復職までの負担を和らげ、休職期間をより有意義なものにできると期待されています。これは、発達障害が原因で休職に至った場合も同様です。

発達障害の特性は人によって異なるため、「自分に合った支援が見つからない」「周囲に理解されない」という悩みを抱えている方も多くみられます。また、症状が少し改善してきた場合も、「職場復帰のために具体的に何をすればいいのか分からない」という不安が消えないケースも多くあります。

発達障害の方が復職を目指す上で、リワークプログラムは一定の効果が確認されています。プログラムを通じて、症状に応じた具体的な支援を受けながら復職に向けた準備を進めることができます。たとえば、コミュニケーションのトレーニングやストレス管理の方法など、職場復帰後にも役立つスキルを身につけることが可能です。これまでにプログラムを受けた方の多くの方が、スムーズに復職を果たしています。

このコラムでは、リワークプログラムが発達障害の方にどのような効果をもたらすのかについて、これまで復職の支援を行ってきたニューロリワークの知見を活かして実例を交えてご紹介します。
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1.発達障害の方がリワークを利用する効果

リワークの効果
「発達障害による休職中、リワークプログラムを受けることで本当に職場復帰に効果があるのか?」と疑問に思う方も多いかもしれません。日々の生活や仕事の中で、「周囲とのコミュニケーションが難しい」「特定の業務が苦手で疲弊してしまう」といった悩みは、発達障害を持つ方々にとって避けられない課題のひとつといえます。

職場復帰を目指している方にとっては、単に体調を整えるだけでなく、適切な支援や準備を行うことが復帰の成功に欠かせません。この点、リワークプログラムは活用次第で復職に向けた大きな一助となります。

以下では、発達障害で休職中の方がリワークプログラムを利用することで得られる具体的な効果について詳しくみていきます。

リワークで期待できる効果(1)自己理解の促進

施設によって違いはあるものの、多くのリワークプログラムでは最初に「自己理解」を深めることに重きが置かれています。
発達障害の方は、自身の特性や行動パターンが周囲にどのように影響を与えているかを把握しにくいことがあります。この点、プログラム内では心理検査や専門家・スタッフとの面談を通じて、自身の強みや課題を具体的に把握することを目指します。このプロセスは自己肯定感を高め、復職後の職場で適切に自己表現を行う土台を作る重要なステップとなります。

リワークで期待できる効果(2)コミュニケーション能力の向上

発達障害を抱える方にとって、職場での円滑なコミュニケーションは大きな課題のひとつといえます。リワークプログラムでは、他者の感情や意図を読み取るスキルや適切な言葉・態度で自身の考えを伝えるスキルの習得を目指します。これにより、上司や同僚との関係が改善し、職場内でのトラブルやストレスが軽減されます。
このように、ロールプレイやグループワークを通して実践的なスキルを学ぶことで、コミュニケーション能力を高めていきます。

リワークで期待できる効果(3)ストレス管理能力の習得

職場復帰後に再休職を防ぐためには、ストレス管理が欠かせません。リワークプログラムでは、ストレスの原因を特定し、それに対処するための具体的な方法を学ぶことができます。マインドフルネスやリラクゼーション法といった科学的に一定の効果が認められる手法を取り入れながら、日常的に実践できるストレス対策が提供されます。これにより、職場での負荷に柔軟に対応できる力を養います。

リワークで期待できる効果(4)復職後の適応力の向上

リワークプログラムを通じて得たスキルや知識は、復職後の環境適応に大きな効果を発揮します。施設によっては、自身の特性を活かした働き方を模索し、職場でのパフォーマンスを向上させる方法を実践的に学べるプログラムなどが用意されています。また、復職前に実際の業務を想定したトレーニングを受けることで、不安を軽減し、自信を持って復職に臨むことができます。

リワークで期待できる効果(5)再休職リスクの低減

リワークプログラムを受けることで、再休職のリスクが大幅に低下することが報告されています。これは、症状や特性に対する理解が深まり、適切な対処法を学ぶことで、復職後のトラブルを未然に防ぐことができるためです。プログラムの継続的なサポートを活用しながら必要に応じて職場との調整を行うことで、長期的な就労を実現する基盤を築くことが可能になります。
(関連記事:休職からの復職が怖い方へ。復帰後の定着率が3.5倍といわれるリワークプログラム

2.発達障害の方がリワークを受けた場合の復職率

リワークの復職率
これまでにみてきたように、発達障害を抱える方が職場復帰を果たすためには適切な支援が欠かせません。様々な支援の形・方法がある中で、リワークプログラムの利用は復職率に大きな影響を与えることが分かっています。発達障害の方に特化した支援プログラムを受けるかどうかで、復職後の安定性や長期就労の可能性に大きな差が生じます。

リワークプログラムを実施している医療機関や支援施設のデータによると、リワークを受けずに職場復帰を試みた方の復職率が約50%~60%であるのに対して、リワークを受けた方の復職率は80%~90%となっています。この差は、単に「復職できるかどうか」だけでなく、復職後の適応力や継続的な就労の実現にも大きく影響しています。

リワークを受けることで復職率が大きく向上する理由のひとつは、プログラムが復職に向けた具体的な課題解決を目指しているという点にあります。プログラムでは発達障害の特性を持つ方が直面する「コミュニケーションの困難」や「業務上の注意力や集中力の問題」、または「ストレス管理の難しさ」といった課題を掘り下げ、それに対応するためのトレーニングやカウンセリングが実施されます。また、実際の職場を想定したロールプレイや模擬業務を通じて、自信を持って復職に臨む準備も行います。

一方で、リワークを受けずに復職を試みる場合、こうした課題への具体的な対策が不十分なまま復職にのぞむことになります。その結果、職場でのストレスや対人関係の摩擦が原因で再休職に至るリスクが高まるというケースも少なくありません。そこから再休職に至った場合、職場からの理解を得ることが難しくなり、復職へのハードルがさらに高くなる悪循環に陥る可能性もあります。

これに対して、リワークを受けた場合は復職後に課題や困難が生じても、支援機関との継続的なつながりを持つことができます。これにより、職場復帰後も必要に応じてサポートを受けることができ、再休職を防ぐための重要なセーフティーネットとなります。

こうしたことから、リワークプログラムの利用は、発達障害を抱える方々が復職を成功させるための効果的な方法であることが分かります。リワークを受けることで得られる「具体的なスキル習得」や「心理的な準備」は、復職率の向上や長期的な就労の実現につながる重要な要素となっています。
(関連記事:【データで確認するリワークプログラムの効果】うつ病などのメンタル不調による休職から復職を成功させるために

3.発達障害の方向けリワークプログラムの具体例

リワーク プログラム風景
発達障害を持つ方が職場復帰を目指す上で、リワークプログラムは効果的な手段のひとつです。復職を支援する各種の施設・機関では、発達障害の課題に対応し、復職後の安定した職場適応をサポートするための多岐にわたるトレーニングが実施されます。

以下では、リワークプログラムの中でも代表的なものに焦点を当ててご紹介します。

プログラム例(1)自己理解と特性把握のプログラム

リワークプログラムの初期段階では、自分自身の特性を深く理解するためのプログラムが行われます。心理検査や専門家による個別カウンセリングを通じて、得意なことや苦手なことを整理し、自分の行動パターンや反応を客観的に把握します。このプロセスは、復職後に自分の特性を活かす働き方を見つけるための土台となります。また、自身の発達障害の特性に対する理解を深めることで、ストレスへの対処や適切な自己表現のスキルを習得するきっかけにもなります。

プログラム例(2)コミュニケーショントレーニング

発達障害を持つ方にとって、職場でのコミュニケーションは大きな課題となるケースが少なくありません。そうした課題を克服するために、プログラムでは職場での報告・連絡・相談(いわゆる「ホウレンソウ」)の練習や、相手の感情を理解するための「感情認知トレーニング」が行われます。また、ロールプレイ形式で実際の職場で起こりうるシチュエーションをシミュレーションすることで、適切な対応や対話の方法を学ぶ機会もあります。これにより、職場内の人間関係をスムーズに構築するスキルを身につけることが可能です。

プログラム例(3)注意力・集中力向上トレーニング

発達障害の方の中には、注意力や集中力が続かないといった課題を抱える方もみられます。この課題を解消するため、リワークプログラムではタスク管理やタイムマネジメントのスキルを習得するためのトレーニングが行われます。たとえば、タスクを小さな単位に分解し、ひとつひとつに優先順位をつける練習などがあります。また、集中力を高めるためのマインドフルネスやリラクゼーション法も取り入れられており、業務中の集中力維持に役立てることができます。

プログラム例(4)ストレス管理とメンタルケア

職場復帰後に再休職を防ぐためには、ストレス管理のスキルを身につけることが不可欠です。リワークプログラムでは、ストレスの原因を特定し、適切に対処する方法を学ぶ「ストレスコーピング」や、感情を安定させるための方法を学ぶ取り組みが行われます。日々の生活の中で実践可能なリラクゼーションやマインドフルネスの手法を通じて、自己調整力を養うことができます。

プログラム例(5)復職シミュレーションと就労サポート

リワークプログラムの終盤では、実際の職場復帰を見据えたシミュレーションが行われます。模擬業務やグループワークを通じて、職場での具体的な課題に対応する練習を重ねます。また、就労後に困ったことが生じた際の相談方法や、上司や同僚とのコミュニケーションの取り方についても具体的なアドバイスなども受けることができます。場合によっては、スタッフが職場と本人の間に立ち、復職支援を行うこともあります。

以上のように、リワークプログラムは発達障害の方が抱える課題に対応した多岐にわたる支援を提供することで、復職後の適応力向上や長期就労の実現を目指します。プログラムを通じて得られる自己理解や実践的スキルは、発達障害を抱える方にとって職場復帰への大きな自信と力となります。

なお、プログラム内容は支援機関・施設によって違いがあるため、利用の際には事前に確認しておくことが大切です。
(関連記事:うつ病・発達障害の私が通った医療機関のリワーク施設|リワーク体験談

4.発達障害の方がリワークを利用した事例

復職事例
発達障害を抱える方々にとって、職場復帰は多くの壁が立ちはだかる取り組みです。コミュニケーションの課題やタスク管理の困難、さらには職場環境への適応など、特性に起因する悩みは多岐にわたります。とはいえ、適切なリワークプログラムを活用することで、これらの課題を克服し、職場復帰を成功させたケースも多くあります。

以下では、リワークプログラムを利用して復職を果たした方々の事例(声)をご紹介します。

事例(1)「色々なプログラムが役に立ち、無駄なことなど一つもなかった」

ブレインフィットネスプログラム 」「ビジネスマナー上級編」「ストレス対処法」「SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング))」「SUP(スキルアッププログラム)」「プラス表現トレーニング」「就労セミナー」など、色々なプログラムが役に立ったと感じています。正直、私個人としては無駄なことなど一つもなかったです。

特に生活習慣を支える「ブレインフィットネスプログラム」は安定した就労に本当に大切で、それができればあとはどうにかなるとも思っています。

(中略)

特に重視して行っていきたいことは、生活習慣を支える「ブレインフィットネスプログラム」です。私は生活習慣を見直すことで自信がつき、何があっても大丈夫と思えるようになりました。今までの自分とは違うと感じるので、今後も生活習慣を整える取り組みは続けていきたいと思っています。

(全文はこちら

事例(2)「これまでは一方向からだけでしたが、多面的に物事を見られるようになりました。」

就労移行支援事業所を探している当時は、精神的に非常に落ち込んでいました。そのような状況でしたが、他にも複数の事業所の見学などをしながら探していたところ、「ブレインフィットネスプログラム 」で、ストレスケアを行っているニューロリワークに非常に興味を持ち、当時の自分にとって有用な効果が期待できるのではと、利用を決めました。

(中略)

就労に向かい様々な訓練を受けていく中で、就労に対する意識も変わっていきましたが、特に言葉遣いの変化を感じました。
これまでの話し方は学生としての言葉遣いをしていましたが、訓練を通して徐々に社会人としての話し方や言葉遣いへと変化していきました。

他にも、「ブレインフィットネスプログラム」を通して、食事に対しての意識も変わり、栄養バランスを考えたうえで自炊もするようになりました。

(中略)

利用中に私自身が10代~20代へと変化していく中で、大人になるという自覚が徐々に芽生えていきました。
ブレインフィットネスや就労系のプログラムを集中して取り組むようにし、特にSST(Social Skills Training)プログラムやセンター内での報連相の徹底、挨拶などを意識して頑張りました。
自分自身が変化していく中で、様々な場面や状況での見方が変わり、これまでは一方向からだけでしたが、多面的に物事を見られるようになりました。

(全文はこちら

5.リワークプログラムの活用は、復職の第一歩

復職の第一歩
これまでにみてきたように、発達障害が原因で休職に至った場合、復職を目指す上でリワークプログラムは高い効果が期待できます。また、復職だけでなく、復職後の安定した就労を実現するためにも、リワークプログラムが大きな役割を果たします。

ニューロリワークでは、復職と安定した就労の両方の実現を目指して様々なプログラムを提供しています。各事業所では見学や体験実習も実施しているので、復職でお悩みの方はぜひご相談ください。
(関連記事:リワーク施設(リワークプログラム)を利用する上で知っておきたい「施設の種類」と「選び方」とは?

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