【仕事がつらい方必見】
自分を追い込んでしまう「注意すべき思考」とは?
職場での業務や人間関係がきっかけでメンタル不調を発症する方の中には、責任感が強かったり完璧を求めすぎてしまったりと、過度に自分を追い込んでしまう方も少なくありません。
強い責任感を持って仕事に取り組んだり完璧を目指して業務を進めることは大切ですが、自己責任の思考が強くなるとメンタル不調を発症する引き金になります。
そこで今回は、「仕事がつらい」と感じる方が陥りがちな、注意すべき思考とその対処法についてご紹介します。なお、今回ご紹介する思考は必ずしも「ダメな思考」というわけではありません。いずれも仕事を進める上で大切な思考ですが、行き過ぎてしまうことで自分を追い込んでしまうものであると捉えることが大切です。
注意すべき思考①:完璧主義の思考
「仕事がつらい」と感じている方が陥りがちな思考の1つ目は、完璧主義の思考です。
白黒思考や二極思考、ゼロヒャク思考とも呼ばれるこの思考は、「100点以外は意味がない」と物事を良い悪いの二極で極端に捉えがちです。たとえば、仕事で十分な成果を上げているにもかかわらず「自分は全然できていない」と考えてしまったり、少しのミスがまるで全てを台無しにしたかのように捉えてしまうような思考を指します。
完璧主義の方は自分の成果に満足いくことが少ないため、過度にストレスを感じやすい傾向があります。また、そうした思考を自分だけでなく、周囲にも求めてしまうことで職場での人間関係のトラブルに発展することも少なくありません。そしてそれがきっかけで、メンタル不調を発症するというケースもあります。
対処法としては、そうした思考を無理に直すのではなく、自分の思考を振り返る機会をつくったり、客観的な意見を伺う機会を多く持ったりと、物事の過程や良い面にもしっかりと目を向けること方法などがあります。また、自分の考え方が偏りがちだと思う場合は、認知行動療法の考え方を取り入れるという方法もあります。
注意すべき思考②:自己否定の思考
「仕事がつらい」と感じている方が陥りがちな思考の2つ目は、自己否定の思考です。これは、何事も自分にとってマイナスな方向に捉えてしまう思考です。
たとえば、他の人が起こしたミスを「自分が正しく教えなかったからだ」と捉えたり、上司が残業をしている姿をみて「自分の仕事が遅いせいだ」と捉えてしまう思考などを指します。こうした思考が強い方は、「自分はダメな人間だ」「いつも迷惑をかけてしまう」と、自分にマイナスのレッテルを貼ってしまい、自己肯定感が低くなってしまうケースが少なくありません。
こうした自己否定の思考が強い方は、慎重で思慮深い考えを持っている方が多く、周囲への配慮を行える方だからこそ自分のことを気にしすぎているという傾向もみられます。
対処法としては、そうした視野の広さを「自己への原因の追及」だけでなく「自分の外」にも向けて他に要因が無かったかを考えてみることが大切です。もちろん自分に原因があるケースもあるため自己を振り返る時間も大切ですが、他の外的要因はないのか、自分の外にも目を向けて物事を多角的に見られるようになることが大切です。外にも目を向けて原因を追及すると根本の原因を見つけやすく、結果的に物事の解決にもつながりやすくなります。
たとえば、上司が残業をしているときに自分だけに目を向けると「自分の仕事のペースに問題がある」と自分の原因ばかりが見えてきてしまいますが、視点を変えて外にも目を向けると「部署全体に急な案件が入り、みんな忙しくなった」「欠員の従業員のフォローに入る必要があった」と自分以外の外的な要因によって残業を行っている可能性が見えてきます。
このように、自分だけに原因を求めすぎず外にも目を向け、その上で自分がどう振る舞い対処すべきなのかを考えていけるとより円滑に業務が進められるようになります。
注意すべき思考③:抑圧的思考
「仕事がつらい」と感じている方が陥りがちな思考の3つめは、「自分が我慢すればいい」という抑圧的思考です。
会議で言いたいことがあったり自分の考えと違う場面があっても「ここで流れを止めてしまうと雰囲気が悪くなってしまう」「自分が我慢すればいい」と考えて発言を控えたり、明らかに膨大な量の業務を依頼されても「睡眠時間を削って自分が頑張ればいい」と我慢しすぎてしまう思考を指します。
抑圧的思考が強い方は周囲を尊重し、協調性を大切にされる方が多く、周囲の雰囲気が乱れることを恐れて自分の考えや想いを抑え込んだり我慢したりする傾向があります。
しかし自身の感情や想いに蓋をし続けてしまうと、「本当はこうしたい」「私もそう思っていたのに、他の方の意見で通ってしまった」「我慢し続ける日々だ」といった理由でストレスに感じ、メンタル不調に繋がることが多くあります。
対処法としては、「自分が我慢すればいい」といった抑圧的思考を持つのではなく、「自分の想いを伝えた方が業務が進められる」といった考えを持つことが大切です。
とはいえ、最初から自分の想いを伝えるのは難しいかもしれません。まずは信頼できる方に意見を伝えたり、大きなテーマではない身近な話題から自分の想いを少しずつ伝える練習をしていくとよいでしょう。また、いきなり口頭で伝えることに抵抗を感じる場合は、事前に紙にまとめて伝える工夫をするとよいかもしれません。
つらいときには、頼れる支援があります
これまでにみてきた「完璧主義の思考」「自己否定の思考」「抑圧的思考」は、仕事を円滑に進めるためにある程度は必要な思考です。しかし行き過ぎてしまうと、自分を追い込んでしまいメンタル不調を発症する引き金になりかねません。
上述した3つの思考に陥りやすいと感じる場合は、過度に自分を責めすぎないよう注意が必要です。より高い視点から客観的に物事を捉える「メタ認知力」を高めることも対処法のひとつです。
また、過度な思考が原因でメンタル不調を発症し、離職や休職に至った場合には、就労や復職などの社会復帰を支援する機関や団体の支援を受けることも可能です。
たとえば、ニューロリワークでは、不調の再発を防止するための自己理解やセルフケアプログラムを実施しています。柔軟な思考力や行動力を養い、少しでもより良い状態に近づくことを目的とした認知行動療法理論に基づくプログラムや、改善のためのセルフケアなどを座学だけではなくグループなどを通じて学びます。
事業所の見学や体験実習は随時承っていますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。(プログラムの見学希望の方はコチラからお申し込みいただけます)
【参考文献・参考サイト】
(写真素材:PIXTA・photoAC)
記事のリンクをコピー