同職種への転職、環境が変わるとやりがいも楽しさも段違いに|クローズ就労体験談
※写真はイメージです。
【うつ病|20代|看護職|現在の年収201万~400万】
看護師として勤務されているA.Sさん(仮称)。前職も看護職に従事されておりましたが、同業へクローズ就労を決意するまでには、悩むこともあったそうです。クローズ就労を選択した理由やメリット・デメリット、現職と前職との違いなどを伺いました。
1.同業への転職、クローズ就労を決めた2つの理由
以前勤めていた病院にて、上司からのパワハラがひどく、次第に不眠、食欲低下などの症状が現れました。一人では全く動けない状態となり心療内科を受診したところ、うつ病という診断。それからしばらく休職し、後に退職しました。
ある程度症状が回復してきたころに職場復帰を考えましたが、また病院への勤務を希望していた私はオープン就労にするかクローズ就労にするかとても迷いました。なぜなら、うつ病を発症した原因は以前勤めていた病院にあり、当時選考を希望していた職場(現在の職場)も病院なので、障害を開示することで「医療業界ではやっていけない人材なのではないか」と判断されるのが怖かったからです。また、以前勤めていた職場と現在の職場は距離的にも比較的近く、何かあったら噂が廻るのではないかという懸念もありました。
私がクローズ就労を決めた理由は2つあります。
1つは、病気があることが採用にマイナスに働くのではないかと考えたからです。職場が病院とはいえ、精神・心療内科系の病気を持っているということが印象として良くはないだろうと予想しました。
もう1つは、オープンにした場合、周りの上司やスタッフから先入観を持って見られるのではないかという心配があったからです。入職し、いざ部署配属になるという時に、周りのスタッフからどのように思われるかがとても怖かったからです。
選考は、看護部長、副部長と面接がありました。クローズ就労でしたので、出来る限り「普通に」話すことを意識しました。病気を隠そうとしすぎるがあまり、妙にハイテンションになりすぎてもおかしいと思ったからです。そのため、落ち着いたトーンで、なるべくゆっくり、はっきりとした口調で答えるように心がけました。また、表情もなるべく余裕のある笑顔を作るよう心がけました。
2.クローズ就労のメリット・デメリットについて
現在は40名弱のスタッフと共に働いています。
私の後、同じ部署に発達障害を開示して就職をしたスタッフがいました。職種は異なりましたが周囲はかなり身構えている様子で、「どんな感じの子なんだろう、何かあっても嫌だよね」という会話がちらほら聞かれました。実際にそのスタッフが来てからは特に問題はなく過ごしていますが、私も入職時に病気のことをオープンにしていれば、おそらくかなり仕事がやりづらかったのではないかと思います。
これは職場によるかもしれませんが、まだ障害のある方の採用が一般的でない企業の場合は周囲も慣れていないことが多いので、障害を開示せずクローズ就労にして良かったと思っています。
一方でデメリットに感じている点は、精神的にしんどい時に表に出せないことです。
仕事をしていれば落ち込むこともあるのですが、やはりその落ち込み具合も体調によってかなり変動があります。深く落ち込んだとしても、周りのスタッフにその姿を見せられないという思いがあるので、なんとか無理して乗り切っています。そういった時には、「障害を開示していたら楽だったのかな」と思うことがあります。
3.職場環境が変わるだけで、やりがいや楽しさは段違いに
現在の職場は、スタッフ同士の仲が良好で、とてもスムーズに仕事ができています。
お互いに声を掛け合って、コミュニケーションをとりながら忙しい時も仕事をこなしている瞬間が自分としてはとても楽しいと思えます。また、患者さんやそのご家族から感謝のお言葉をいただいた時は、とてもやりがいを感じますし、また頑張ろうと思えます。
以前も同じ看護職として働いていましたが、環境が変わるだけで仕事のやりがいや楽しさは段違いになりました。
4.最後にオープン就労とクローズ就労で迷っている方に一言
私は再就職する際、オープン就労にしようかクローズ就労にしようか、とても迷いました。
それぞれの置かれている立場や環境、病気や障害によって、どうするのがベストかは変わってくると思います。
一人で悩まず周りの人に相談しながら、決められたら良いと思います。
(スタッフとともに社会復帰や復職、就職を目指せるニューロリワークへの見学予約)
【参考文献・参考サイト】
(写真素材:PIXTA、photoAC)
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