偏食・夜更かし・運動不足はうつ病の原因?
生活習慣を改善して、安定した就労・復職を実現
心身の不調によって仕事を退職・休職された方は、その後の日常生活の中で生活習慣が乱れてしまうことも多いかもしれません。
仕事を離れてから、「気分が乗らない」「心が塞ぎ込み気味」と感じることが多くなった方は、生活習慣を見直してみることが大切です。
うつ病などのメンタル不調は、生活習慣と密接に関係しているといわれています。メンタル不調を整えるためには生活習慣を整えることがいかに重要であるかを調べた調査研究も少なくありません。
ここでは、そんなうつ病と生活習慣の関連についての研究結果をご紹介します。併せて、「生活習慣が整う」とは具体的にどのような状態であるかという点についてもご紹介します。
1.生活習慣とうつ病の関連について
生活習慣がうつ病にどの程度関係しているのかについては、国立精神・神経医療研究センターなどの研究グループによる約12,000人の日本人を対象とした大規模調査があります。この調査では、主に以下の点についてうつ病との関連を調べています。
・食生活や運動などの生活習慣
・体格指数(BMI)
・メタボリックシンドロームの度合い
調査の結果、うつ病になったことがある人は、うつ病になったことがない人と比べて「朝食を抜いている」「間食や夜食が多い」「運動頻度が少ない」といった生活習慣の乱れがみられました。
さらに、うつ病になったことがある人の特徴として、「2型糖尿病」「メタボリックシンドローム」「脂質異常症」などの生活習慣病を患っている人が多いということも分かりました。
これらの研究結果が示唆するのは、食事や運動などの生活習慣を整えることはうつ病の予防や治療に対して重要な役割を果たしているという点です。また、「生活習慣を整えることがうつ病の予防につながる」ということから、生活習慣を整えることが心身の健康のためにいかに重要であるかが分かります。
2.「生活習慣を整える」とは?
上述したように、生活習慣を整えることは心身の健康を維持するために非常に重要です。それでは、生活習慣を整えるためには具体的にどのような点に気を付ければよいのでしょうか。大きなポイントとしては、以下の4点が挙げられます。
①食事:バランス良く食べる
特定の栄養素の過剰摂取または不足は、うつ病の発症と関連があると報告されています。
そのため、バランスよく食べることが重要です。
②運動:定期的に運動をする
運動不足は、生活習慣病のリスクやうつ病の発症リスクを高めるといわれています。そのため、定期に運動することが大切です。
③睡眠:しっかり寝る
不眠は、うつ病との相関関係が極めて高いといわれています。そのため、うつ病を予防するためにはしっかりと寝ることが効果的です。
④ストレスケア:ストレスがかかったらケアする
ストレスは、うつ病などのメンタル不調の主な原因といわれています。そのため、ストレスが溜まらないようにしっかりとケアをすることが求められます。
3.まとめ
調査研究によって、偏食や夜更かし、運動不足はうつ病の原因になりえることが示唆されています。退職や休職によって自宅で過ごす時間が長くなると、生活習慣も乱れがちです。
安定した就労や復職を目指す上で、心身の健康を実現することは大きなポイントです。そのため、日々の生活の中で食事や運動、睡眠、ストレスケアという観点から生活習慣を整えることを意識することが大切です。
自宅でのケアや取り組みが難しいという方には、就労や復職をサポートする就労移行支援事業所や自立訓練事業所を活用するという方法もあります。
就労移行支援事業所や自立訓練事業所を運営するニューロリワークでは、主にメンタル不調によって離職・休職した方を対象に就労・復職のサポートを行っています。生活習慣の乱れを改善する「ブレインフィットネスプログラム」をはじめ、食事や睡眠、運動に関するさまざまなプログラムを提供しています。また、コミュニケーションスキルやビジネススキルを身に付けるプログラムや、模擬面接・模擬就労などのプログラムも行っています。
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監修者
杉浦 理砂(脳科学者)
インクルード株式会社 ブレインフィットネス研究所 ディレクター
脳科学者、工学博士(応用物理)、東京都立大学特任准教授(現任)
【参考文献・参考サイト】
(写真素材:PIXTA、photoAC)
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