脳疲労が蓄積するNG行動3選《職場編》|【脳科学者監修】
「最近、効率的に働けない」「なんだか頭が働かない」といったことで悩んでいる方も多いかもしれません。体力や年齢の影響だと考えてしまいがちですが、もしかするとそれは知らず知らずのうちに溜まっている脳の疲れが影響しているのかもしれません。脳疲労が溜まると、メンタル面にも影響する可能性があるので注意が必要です。
今回は、脳疲労が蓄積するNG行動3選《職場編》と題して、職場でついやってしまいがちなNG行動を3つご紹介します。働いている方だけでなく、これから働く予定のある方や職場復帰を予定している方もぜひご覧ください。(メンタル不調からの就労を目指す「ニューロリワーク」の資料請求はコチラから)
NG行動①「我慢しすぎる」
脳疲労を溜める職場でのNG行動の一つ目は、我慢しすぎることです。例えば、理不尽な上司の注意に何も言わず耐え続けたり、明らかに業務量が多いのに新しい業務を引き受け続けたりというような状況が挙げられます。
我慢や辛抱のように「何かに耐え続ける状態」が続くと、脳の中では前頭前野と呼ばれる部位が酷使されて感情の抑制が難しくなります。すると、いつも以上に不安になるなど抑うつ状態になりやすくなります。
我慢と疲労については脳科学者LISAさんの動画で詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。
NG行動②「マルチタスク」
脳疲労につながる職場でのNG行動の二つ目は、マルチタスクです。
マルチタスクは、複雑な作業を同時または高速に切り替えて行うことを指します。例えば、「メールを打ちながら電話をする」「会議に参加しながら会議とは関係のないレポートを作成する」といった作業です。これらの作業は効率よく作業ができているように思われがちですが、実はそんなことはなく、むしろ生産性が下がることが一部の研究で明らかになっています。
そもそも、人の脳は複数のことを同時に処理することはできません。つまり、マルチタスクをしているときは複数のことを同時にこなしているわけではなく、一つひとつの業務を瞬時に切り替えて交互に処理しているに過ぎません。
ここで注意したいのは、頻繁に注意や集中を切り替えると脳を酷使することにつながるという点です。脳の酷使は、脳の疲労に繋がるので生産性の低下に繋がります。実際、マルチタスクをしているときのビジネスパーソンのIQを調べたところ、マリファナを吸引したときよりも2倍以上低下していると報告する研究もあります。複数の仕事を同時にするときは、同時に二つのことをこなそうとするのではなく、作業を区切って一つずつ確実にこなしていくことが大切です。(生活習慣を改善しながら就労を目指す「ニューロリワーク」の資料請求はコチラから)
マルチタスクと脳疲労の関連については、こちらの動画で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
NG行動②「休憩をとらない」
脳疲労に繋がる職場でのNG行動の三つ目は、休憩を取らないことです。
いわゆる「ノリにノっているとき」にも当てはまるように、集中しているときは業務が中途半端な状態であれば「ここまでは終わらせよう」と休憩を取らず、頑張りすぎてしまうことがあります。
集中して業務に取り組むことは大切で、意欲があってすばらしいことですが、休憩を取らずに頑張り続けてしまうことで脳に疲労が溜まり、仕事のパフォーマンスが悪化してしまうことも考えられます。休むことなく脳を使い続けると自律神経のバランスが乱れることもあるので、忙しくても定期的に休憩をとることが大切です。
まとめ
「我慢しすぎる」「マルチタスク」「休憩を取らない」は、職場でやりがちな脳疲労を蓄積するNG行動です。脳疲労は仕事のパフォーマンスを下げるだけではなく、感情面にも悪影響を及ぼす可能性があります。さらにその状態を放置すると、うつ病の発症や悪化を招く可能性があります。仕事の際は、上述した三つの行動をとらないよう注意しましょう。
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監修者
杉浦 理砂(脳科学者)
インクルード株式会社 ブレインフィットネス研究所 ディレクター
脳科学者、工学博士(応用物理)、東京都立大学特任准教授(現任)
【参考文献・参考サイト】
(写真素材:PIXTA、photoAC)
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