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経済的な不安から休職を迷っている方が押さえたい、傷病手当金の支給条件や申請方法

メンタルヘルスの不調で休職を考えている方にとっては、休職中の収入は大きな問題かもしれません。ここでは、そんな経済的な不安を和らげるための傷病手当金について、その詳細な支給条件や申請方法についてご紹介します。(休職と復職のことが3分でわかる「簡単!初めてのリワークガイド」のダウンロードはコチラから

1.傷病手当金とは

傷病手当金は、業務外の病気やケガを理由に仕事を休んだときに健康保険から支給される手当金です。休職中の本人(被保険者)とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。つまり休職期間中、給与の支払いがない場合は対象となる可能性が高くなります。 なお、傷病手当金は健康保険から支給されるものなので、自営業者やフリーランス、パート・アルバイトの方は受給できない可能性が高いので注意が必要です。

メンタル不調による休職中で傷病手当金の申請をされていない方は、支給条件を満たしていれば給与の3分の2程度が支給される場合があります。金銭的な不安はメンタルヘルスに影響を及ぼすため、不安を軽くすることは精神的な健康を回復させるためにも重要です。

2.支給期間

傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から最長で1年6ヶ月です。1年6ヶ月を超えた場合は、休職期間が続いていても傷病手当金は支給されません。注意点としては、期間の途中で復職し、その後に再発・再休職に至った場合でも期間がリセットされることはなく、最初の支給開始日から1年6ヶ月のところで打ち切られてしまうことがあるという点が挙げられます。

一方で、期間中に退職をしても条件を満たしていれば引き続き支給されます。「退職すると打ち切られてしまうのでは」と悩まれる方も少なくありませんが、必ずしもそうではないという点を覚えておくとよいでしょう。

3.支給金額

傷病手当金の支給金額は、おおむね直近1年の平均月額給与の3分の2が日割り計算にて支払われます。

【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)

支給開始日以前の勤務が12ヶ月に満たない場合は別の指標が用いられますので、詳しくは健康保険組合に確認が必要となります。なお、傷病手当金は給与と異なり社会保険料や住民税が天引きされないという点に注意が必要です。後日支払う必要があるので、全額を使いきらないようにしましょう。

4.支給条件

傷病手当金の支給条件は、以下の4点です。

条件①:業務外の病気やケガによる休職である

1つ目の条件は、業務外の病気やケガによる休職であることです。業務上の怪我などは労災保険の給付対象となり、傷病手当金は対象外となります。また、美容整形などによる休暇も支給対象外です。

条件②:仕事に就くことができない状態である(労務不能)

2つ目の条件は、仕事に就くことができない状態であることです。仕事に就くことができない状態の判断に明確な基準は設けられておらず、医師の意見や担当している業務、その他の条件などが考慮されて個別に判断されます。

条件③:会社を連続して3日間休んでいる

3つ目の条件は、会社を連続して3日間休んでいることです。傷病手当金の支給は、該当する病気やケガの療養のために連続して3日間休んだ次の休みから対象になります。療養のために連続して3日休むことを「待期期間」と呼び、待期期間には土日祝日、有給休暇も含まれます。たとえば療養のために金曜日から休暇を取得した場合は、月曜日からが支給対象になります。

条件④ 休職中、給与の支払いがない

4つ目の条件は、休職期間中に会社から給与の支払いがないことです。傷病手当金は、休職中の本人(被保険者)とその家族の生活を保障するために設けられた制度なので、会社から十分な給与が支払われているときは支給されません。ただし、給与の支払いがある場合でも、減額などにより傷病手当金の支給額よりも給与が少ない場合は差額が支給されます。

5.休職中のアルバイトについて

経済面の不安から、傷病手当金を受給しながらアルバイトをしたいと考える方もいるかもしれません。これに関しては、支給条件に「仕事に就くことができない状態である(労務不能)」とあるため、原則としてできません。ただし、社会復帰のリハビリとして負担の少ないアルバイトを一時的に行う場合は認められる場合もあります。詳細は勤務先や健康保険組合に相談し、確認する必要があります。

6.申請方法

支給条件に当てはまる場合は、支給の申請が可能です。申請の主な流れは以下の通りです。

①支給申請書を用意する
最初に、所属する健康保険組合の支給申請書を用意します。保険証には健康保険組合の名前が記載されていますので、そちらに問い合わせましょう。「健康保険組合の名前 傷病手当金 申請書」などで検索するとダウンロードが可能なサイトが見つかります。

②必要事項を記載する
書類を用意したら、次に必要事項を記入していきます。申請する本人(被保険者)だけでなく、医師(療養担当者)、会社(事業主)が記入する箇所もあります。医師や会社は記入に時間がかかることも多いので、早めの依頼を心がけることが大切です。

③支給申請をする
書類が整ったら、所属する健康保険組合へ支給申請をします。申請は会社を通して行うことが多いので、書類が整ったら人事担当者に確認しましょう。申請後は、審査が行われます。申請から支給までは2~3ヶ月かかることもありますので注意が必要です。なお、毎月受け取るためには毎月申請する必要があります。

まとめ

傷病手当金の申請には手間はかかりますが、毎月ある程度の金額が支給されるため、金銭面の不安を和らげることができます。休職期間中でまだ申請されていない方は、ぜひ上記を参考に、申請を考えてみるとよいかもしれません。(専門スタッフとともに休職からの復職を目指すなら → ニューロリワークの見学予約

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【参考文献・参考サイト】

(写真素材:PIXTA、photoAC)