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休職 派遣社員

「派遣社員はうつ病になっても休職できない?」
「正社員との休職制度の違いは?」

派遣社員として派遣先で働きながらうつ病などを患ったとき、休職制度が活用できるか否かで迷うことがあるかもしれません。

今回は、派遣社員と休職制度についてみていきます。また、休職する場合にはその期間をどのように過ごすかという点についてもみていきます。自分の身体や心を大切にした選択肢を採り、ライフワークバランスを充実させましょう。(休職と復職のことが3分でわかる「簡単!初めてのリワークガイド」のダウンロードはコチラから

派遣社員は休職制度を利用できるのか

派遣社員は休職制度を利用できるのか
派遣社員は、派遣先の職場の正社員ではないことから、他の社員と比較して孤立してしまいがちかもしれません。そうなれば、心身の負担も大きなものになります。派遣社員の場合は派遣先だけでなく派遣元からも指示を受けることがあり、いわゆる板挟み状態になることもあります。こうした労働環境の中で無理がたたり、体調をくずしてしまうケースもみられます。

休職を申請する上でまず確認すべきは、自身の雇用主が誰であるかという点です。派遣社員は派遣元の会社と雇用契約を結んでいるのであり、派遣先とは雇用関係にありません。そのため、休職を申し出るのであれば派遣先ではなく、派遣元の会社の担当者宛てとなります。
インターネットなどでは、「派遣元に休職を申し出たら退職を勧められた」という話もみられます。派遣会社によっては、「就業していない派遣登録者であれば(派遣元の)会社に所属させている意義が薄い」との考えから、上記のように退職を促すというケースも考えられます。

こうした理由から、派遣社員が派遣元で休職制度を利用できるのは、めずらしいケースといえます。また、休職できたとしても派遣先の会社が病状の再発を懸念し、同じ職場には戻れることは少ないというのが一般的です。

派遣社員が休職制度を活用する(利用できる)のは、めずらしいケースといえますが、派遣元の会社によっては休職制度を設け、利用できることもあるかもしれません。そのため、休職を考えるのであれば所属している派遣会社に個別に確認する必要があります。

休職制度以外の活用できる制度

休職制度を活用できない場合でも、特定の条件を満たすことで利用できる制度があります。たとえば、傷病手当金や年次有給休暇です。

派遣社員であっても健康保険料を支払っている場合であれば、傷病手当金を受け取れる可能性があります。傷病手当金はケガや病気で休んだときに生活費を補償する制度で、うつ病などの精神疾患で休職する場合にも適用されます。医院やクリニックで診断書を受け取り、派遣元の担当者に提出することで手続きが可能です。(参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき」)

休職制度を活用する以外に自主的に休養期間を設けたいのであれば、有給休暇を利用するという方法もあります。派遣社員も労働基準法などの法律で保護される労働者であるため、勤務年数や出勤の要件を満たすことで、年次有給休暇が取得可能です。

休職するなら、リワークプログラムで有意義な休職期間を

休職するなら、リワークプログラムで有意義な休職期間を
現代社会での働き方は、多岐にわたっています。雇用形態別でみても、いわゆる正社員や契約社員、派遣社員やパート・アルバイトなどさまざまです。

どのような雇用形態であれ、無理が重なると身体や心に負荷がかかり、体調をくずしてしまうこともあります。体調を崩して休職となれば、休職期間中は療養につとめ、再発を防ぐための何かしらの取り組みが必要となります。特に精神疾患による休職であれば、専門の医院やクリニックなどに通い、相談・診断を受けることが大切です。

復職を目指す上では、医院やクリニックでの治療と並行して、リワーク施設を活用することも大切です。リワーク施設では、復職に向けたさまざまなプログラムが提供されています。(休職期間を有意義に過ごすためのリワーク施設の資料請求はコチラから

リワークプログラムで、これからのライフスタイルを考える

リワーク施設のひとつ「ニューロリワーク」でも、復職を目指す上で身に付けておくべき知識やスキルを学ぶためのプログラムを数多く提供しています。また、復職だけでなく、復職後のライフスタイルにも焦点を当て、今後のライフスタイルをどのようなものにしていくかという点から、日々の生活習慣について年代別に考える機会も設けています。

プログラムのひとつ「年代別生活習慣」では、生涯発達の視点から、年齢を重ねるごとに変わる生活環境や身体の健康に着目し、自身に必要な生活習慣の改善を考えます。また、健康的に仕事を続けることだけでなく、定年退職して老後を迎えた後のことも視野に入れて、より良い生活環境を実現するための方法についても考えます。

日々の業務が忙しければ忙しいほど、将来や老後を考える機会は少なくなりがちです。こうした日々の中で、いかに今後の人生を考え、一日一日を過ごしていくかがこれからの働き方に求められるといえます。「年代別生活習慣」プログラムは、まさにこの観点から今と将来の自分のそれぞれにふさわしい生活習慣を考えていく機会となります。

プログラムを通じて学ぶのは、「生涯発達」という考え方です。「生涯発達」では、“人は生涯にわたって発達し続ける”という考えが根底にあります。

プログラムでは、「生涯発達」を考える上でアメリカの心理学者であるエリク・エリクソンの心理社会的発達理論を用います。エリクソンは、人の自我の発達を段階別に概観し、各段階の特徴を明らかにしました。各段階は、①胎児期、②新生児期、③乳児期、④幼児期、⑤児童期、⑥青年期、⑦成人期、⑧高齢期に分類されています。現在ではこれら8つの段階をベースに、さまざまな心理学者によって発達理論が研究されています。

エリクソンの心理社会的発達理論は、それまでの発達理論に社会的な視点を加えた独自の発達理論です。各発達段階にはそれぞれ対立する心理的危機があり、その課題を達成できないまま次の段階に進んでしまうと健康な自己を発達させることができないと考えられています。
エリクソンの心理社会的発達理論
ニューロリワークでは、プログラムの利用者が該当する成人期・壮年期、そして高齢期を中心に、プログラムを進めています。

成人期(25歳~35歳)の心理的特徴としては、親密性と孤独の対立が挙げられます。人間関係の発展や特別な異性との関係性、友情・競争相手との関係など、それまでの人生よりも複雑で大きくなる時期です。また、ライフスタイルが一新し、日常生活にも変化が現れます。人によっては、食生活が乱れ、運動不足になり、睡眠不足やストレスの増加といった健康問題にも直面するようになります。

壮年期(35歳~60歳)の心理的特徴は、世代性と停滞です。次の世代のために、知識や経験を継承していくことが求められます。また、生活習慣病の発症が増える段階でもあります。これまで以上に過労やストレスが重なる世代であり、睡眠時間が他の世代と比較して少なく、十分な休養がとれていないこともあります。「ストレスがある」「運動をほとんどしていない」と回答する割合が多いのが、この世代の特徴のひとつです。ライフイベントでは新居の購入や子どもの結婚、両親との死別など、目まぐるしく変化が訪れます。

高齢期(60歳以上)の心理的特徴は統合性と絶望で、それまでの人生を振り返り、見つめなおす時期に入ります。他の年代に比べると睡眠による休養がとれている人も多くなり、ストレスをかかえる人の割合も低くなります。ただし、疾病を指摘される人が急増するため、健康には注意が求められます。

プログラムの中では座学として教養を深めるだけでなく、個別のワークとして、各々のライフイベントについても考える機会を設けています。
ライフイベントは、発達段階の節目ごとに発生します。良い変化であっても悪い変化であっても、それらはストレスになりえます。それゆえ、来たるべき変化に備えて、それぞれの段階に合わせた取り組み、たとえば身近なものであれば食事や睡眠、運動、ストレスケア、人間関係、娯楽などについて、日頃から考えておくことが大切です。

まとめ

まとめ
人生100年時代といわれる昨今、現状に目を向けることが大切であると同時に、これからの人生をどう生きていくかという部分にも目を向けることが重要です。復職だけにとらわれるのではなく、健康を維持していくために日常的に取り組めることや、将来のライフステージに向けた活動を意識して、日々、充実した毎日を送ることが理想の過ごし方といえます。

リワーク施設のニューロリワークでは、復職のため生活習慣改善プログラムやビジネススキル・コミュニケーションスキルを伸ばすプログラムなど、多様なプログラムを提供しています。また、事業所の見学も承っています。見学や体験実習を通じて、さまざまなプログラムに触れることが可能です。
リワークに特化した施設として、休職者の復職だけでなく、これからのライフスタイルを充実したものにできる一助となれば幸いです。(リワーク施設のひとつ、ニューロリワークの見学をご希望の方はコチラから

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【参考文献・参考サイト】

・弁護士ドットコム「「休職派遣」の法律相談」
・ハッケン!リクナビ派遣「派遣社員ももらえる!!「休業手当」「休業補償」という制度」
・がんナビ「病気で休むと言ったら派遣契約を打ち切られた」
・全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき」
(写真素材:PIXTA・photoAC)