0120-654-167 受付時間:平日9:00~18:00

ASD 発達障害 不安解消

大人のASD(発達障害)とは?特徴や症状・特性、上手な付き合い方を解説

ASD(自閉症スペクトラム)の特性を持つ大人は、対人関係や職場での適応に悩むことが少なくありません。この記事では、大人のASDに見られる特徴や症状・特性をわかりやすく解説し、日常生活や仕事で実践できる具体的な工夫をご紹介します。ご自身の特性を理解しながら自分らしく生活・働きたい方や、その周囲でサポートしたい方に役立つ内容です。

大人のASD(自閉症スペクトラム)に見られる主な特性

大人のASD(自閉症スペクトラム)

大人のASD(自閉症スペクトラム)には、一般的に以下の特性があるといわれています。

  • 対人関係におけるコミュニケーションの特性
  • 特定の物事への強いこだわりの特性

子どもの頃は周囲の援助により気づかれにくく、大人になって人間関係や仕事の困難から初めてASDの可能性に気付くケースが少なくありません。これらの特性は「ある・なし」で分けられるものではなく、傾向の強さには個人差があります。知的障害を伴わない場合も多く、特性の現れ方は人それぞれ異なります。

以下では、大人のASDの特性についてそれぞれ解説します。

対人関係におけるコミュニケーションの特性

ASDの方は、相手の気持ちを察すること、場の空気を読むことが苦手という特徴があると考えられています。言葉を文字通りに受け取ってしまい、言葉の裏に隠された意図に気づかないなどの困難を感じるというケースも指摘されます。

会話では、今は自分が話を聞く番なのか話をする番なのかがわからず、一方的に話してしまったり、逆に話せなくなったりするなど、会話のキャッチボールがうまくいかない傾向があります。

また人と視線を合わせることが難しく、相手の表情やジェスチャーの意味を理解するのが困難で、結果として場違いな発言や行動をしてしまうケースも少なくありません。

特定の物事への強いこだわりの特性

ASDの方は興味の範囲が限定的で、ものの全体像よりも細部に注目する傾向も指摘されています。自分の関心があることに対しては豊富な知識を持ち、驚異的な集中力を発揮することがあります。また、ルールを忠実に守る誠実さ、嘘がつけない正直さ、物事を論理的に考える力なども、ASDの特性が強みとして指摘されています。一方で、それ以外のことには無関心になりがちという側面もみられます。

またこだわりの裏返しとして変化が苦手な側面があり、手順やルール、場所などの変化に強い不安を感じる特徴があります。物事が自分の思い通りの方法で進まなくなると動揺し、予定外の出来事への対応が困難になります。不安やストレスを感じた際の対処として、一部の方には常同行動(手をひらひらさせる、体を揺らすなど)がみられる場合もあります。

大人のASDの方が困難を乗り越えるための効果が期待できる対処法

ASDの方が困難を乗り越えるための効果が期待できる対処法

ASDの特性そのものを変えることは難しいですが、特性を理解し、それに適した環境や支援を選ぶことで日常生活の困難を軽くすることができます。

重要なのはASDの特性をなくそうとするのではなく、スキルの獲得や周囲の配慮、環境面の工夫を通じて生きづらさを和らげることです。一人で抱え込まず、セルフケアや専門機関への相談を活用することが大切です。

自分に合った対処法を見つけることで、ASDの特性と上手に付き合いながら、安定した社会生活を送ることが可能になります。

日常生活におけるストレス軽減のための工夫

ASDの方は感覚過敏により、普通の感触のものでも肌に触れると不快に感じたり、大声や掃除機の音を遮るため両耳をふさいだりすることがあります。このような場合、肌触りの良い衣服選びやイヤーマフの使用が効果的です。

情報過多による疲れを感じたときは、落ち着くために一人になる時間を確保することが効果的です。静かで安心できる環境を整えることで、ストレスを軽減できます。

また予定外の出来事への対応が難しいため、スケジュールを可視化したり、事前に流れを確認するといった工夫もおすすめです。

職場での円滑な人間関係を築くための対策

ASDの方は曖昧な指示や複雑な手順を理解することが難しく、たびたびミスをしてしまう場合があります。「何を」「いつまでに」「どのように」といった指示内容を具体的に確認することで、業務を円滑に進められるようになります。

また、口頭での指示よりも、メールやチャットなどテキストでコミュニケーションすることで理解しやすくなります。スマホのアラーム機能やスケジュール機能といったツールを活用することも効果的です。

自分でできないことは周りの人に手伝ってもらい、自分の得意なこと、苦手なことを整理して周囲に伝えることで業務の調整や適切な配慮を得られる場合があります。

ASDの特性を理解し自分らしく働くために

専門機関で診断を受けることは、必須ではありません。しかし、診断を通じて自分の特性を客観的に理解し、職場などで必要な配慮(合理的配慮)を求める際に役立つ場合があります。

大人のASDは、特性を正しく理解し適切な対処をおこなうことで、日常生活や職場での困難を軽減させることが期待できます。対人関係のコミュニケーションや強いこだわりといった特性は、環境調整やスキル習得により上手に付き合うことが可能です。

重要なのは一人で悩まず、精神科や心療内科、発達障害者支援センターなどの専門機関に相談することです。専門的な知識を持つ医師やスタッフから適切なアドバイスを受けることで、自分に最適な対処法が見つかります。

ASDが原因となって休職中の方、あるいは働きづらさを感じて離職した方は、ニューロリワークのような復職支援(リワーク)施設でトレーニングを受けながら、自分らしい働き方を見つける選択肢もあります。ニューロリワークでは、一人ひとりの特性に合わせたプログラムを通じて、自己理解を深めながら職場で必要なスキルを習得できます。認知行動療法に基づくプログラムや実際の職場に近い環境でのトレーニングにより、安定した就労を目指すことが可能です。見学や相談は無料で行えるため、まずはお気軽にお問い合わせください。

見学予約