管理職としてのプレッシャーでうつ病に?
休職を「充電期間」にする大切さ
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管理職としてのプレッシャーでうつ病に?
休職を「充電期間」にする大切さ

# お役立ち

2020.06.23

管理職という重役ゆえに、そのプレッシャーからうつ病や適応障害などの精神疾患を引き起こしてしまうこともあります。部下や上司の目が気になり無理をしてでも働いてしまいがちですが、心の不調時には、身体の不調時と同様に、無理をせずに休養することが大切です。

心の不調は身体の不調と異なり、周囲の理解を得ることが難しい場合があります。しかし、そうした理由で治療を怠れば、症状はますます悪化するかもしれません。不調を感じたらまずは診断を受け、容体を確認することが大切です。うつ病や適応障害と診断された場合は、大事をとって休養の期間をとるのが回復のための第一歩です。

療養のための休職期間をとる上で、その期間をどのように過ごすかが早期の復職や再発の防止を実現するためのポイントとなります。休職期間に最適なリワーク(復職)プログラムを活用することで、自身が抱える問題や問題を解消し、万全を期して職場に復帰することも期待できます。

目次

管理職とうつ病

管理職とうつ病

管理職に求められる役割と責任

「管理職」に厳密な定義はありませんが、一般的には課長職以上の役職者が管理職とされることが多くなっています。

管理職は、部下の管理だけでなく、経営会議で決定される事業方針や営業戦略などを自部署のメンバーに共有することも業務のひとつとして求められています。また、経営会議で決定した内容をそのまま伝えるだけでなく、今後、自部署がどのような方向性や戦略のもとで日々の業務に取り組んでいくかを決めることも求められます。これはいわゆる「チームビルディング」の一環でもあり、メンバーが個々の能力を十分に発揮し、主体的に取り組み、チームとして共通の目的を達成できるよう調整役を担うことになります。

一昔前、とりわけ昭和の時代には、「とりあえず怖い顔をして怒鳴っておけばそれが管理職」という風潮も少なからずあったかもしれませんが、21世紀になり20年が経過した令和の今日では、そうした旧態依然の“管理職”は、もはや前世期の遺物になりつつあります。

かつての管理職は、その立場から恩恵も大きなものでしたが、昨今の管理職に関していえば、もしかすると負担や苦労のほうが大きく、それゆえデメリットが上回ることもあるかもしれません。

「昇進うつ」という言葉の台頭

近年、昇進や異動によって環境が変化した後、責任が重たくなったり職種や人間関係が変わったりすることでストレスや疲労がたまり、それがきっかけで現れる「昇進うつ」という言葉が注目を集めつつあります。「昇進うつ」は医学用語ではなく俗称ですが、こうした言葉が登場することは、それだけ管理職が抱える負担が大きく、心身に不調をきたすことを示しているといえます。

日本企業の文化を現す言葉のひとつである「新卒一括採用」がまだまだ多くの企業でみられる中、それでも、小中学校や高校など各種の教育機関での教育方針の変化から人材の多様化が進み、良くも悪くも、従来の管理スキームでは監督・把握・理解が難しい新入社員や部下が増えているかもしれません。

また、管理職となればこれまでの自身の部署だけでなく、隣接する部署や、それまで全く関わりのなかった部門が自身の管轄となるケースもあります。こうした環境の変化が、心身に負担をかける要因にもなります。
昇進うつを患う人の特徴としては、「完璧な上司でなければならないと思い込む」「他者に相談しない」「仕事を一人で抱えてしまう」「上司からの期待がプレッシャー」「新しい仕事に対応しきれない」「部下が指示通りに動かない」などが考えられます。

「昇進うつ」とどう向き合うか

「昇進うつ」は医学用語ではなく俗称であるため、明確に「○○であれば昇進うつ」との定義があるわけではありません。もっとも、慢性的に寝不足や過眠、食欲不振や過食、または思考力や集中力の低下、憂鬱な気分などの症状がみられると、昇進に関連した「うつ」に該当すると考えられます。

こうした症状を防ぐためには、悩みや課題を一人で抱え過ぎることなく、上司を頼る、部下に任せる、信頼できる人に話すといった心構えが大切です。特に上司を頼る場合には、曖昧な相談ではなく、自身の業務の優先順位が何か、課題や問題の解決には何が必要かといった、個別・具体的な相談が効果的かもしれません。「とりあえず相談すれば解決する」という考えではなく、自身の悩みの解決のために、建設的に取り組んでいくことが解決への一歩となります。

上司や会社への相談を繰り返しても、なおも心身の不調が治らないというケースもあるかもしれません。上司や会社は決して治療の専門家ではないため、問題の全てを解決することは困難といえます。そのような場合は、治療や回復を諦めるのではなく、医療機関を受診することが大切です。診断の結果によっては、療養のために医師から休職を勧められることもあります。

休職は自分のためであり、会社のためにもなる

休職は自分のためであり、会社のためにもなる
「休職」というと、自宅で休む毎日を想像する人も多いかもしれませんが、それは一昔前の考え方かもしれません。近年では、休職期間は医院やクリニックに通って治療を受けるだけでなく、復職を目的としたリワーク施設を利用して復職に備えるという過ごし方も一般的になりつつあります。

リワーク施設では、それぞれの施設の特徴にあったプログラムが提供されています。たとえば、ストレスコントロールなどの心理教育プログラムや認知機能トレーニング、オフィスワーク、パソコン関連、ストレッチやウォーキング、またはクッキングなど、プログラムの内容はリワーク施設によって多種多様です。

リワーク施設を選ぶ際には、自身にどのような能力や素養が不足しているのか、どのような点を伸ばしたいのかなどを基に選ぶことが大切です。休職期間にリワーク施設で得られたものは自身にとってのプラスになるだけでなく、復職後に部下や上司、そして会社にとってもプラスになります。そのため、休職期間は単なる休暇ではなく、社会人として次のステップに進むための充電期間であると考えることが大切です。

対人関係を伸ばすためのプログラムも充実

リワーク施設が提供するプログラムには、対人関係を伸ばすためのプログラムもあります。特に管理職の場合、部下や上司との関係で心身の不調をきたすことも少なくないため、対人関係スキルは伸ばしておきたい能力のひとつといえます。

リワーク施設のひとつである「ニューロリワーク」では、コミュニケーションプログラムの一環として、「アサーション」をテーマに、対人関係スキルを向上させる機会を設けています。アサーションとは、自分の意見を押し付けず、なおかつ自分の意見を伝えることも抑えずに、話す側と聞く側の双方を尊重し、自己表現を行うための技法です。

「アサーションプログラム」では、自身にとって最適なアサーティブな表現について考えます。アサーションは、上司や部下、または職場の同僚に対してのみならず、友人・知人、家族、近所の人たちなど、職場以外でも活用できるコミュニケーションスキルです。

一般的に、自己主張には3つのタイプがあるといわれています。それぞれ、「アグレッシブ(攻撃型)」、「ノン・アサーティブ(非主張型)」、そして「アサーティブ(攻撃型と非主張型の黄金律)」です。
自己主張の3つのタイプ
上記の3つのタイプの内、まずは自身がどのタイプに当てはまるかを知ることが大切です。

【自己主張タイプ分けチェックリスト】
■A群
1.人前で弱さをさらけ出すのが苦手である
2.人の悪いところを指摘することがよくある
3.自分の思い通りにならないとイライラしてしまう
4.他人のミスについつい厳しくなってしまう

■B群
1.引っ込み思案なところがある
2.自分に自信がない
3.相手の意見に合わせて行動するところがある
4.相手に認められたいと期待することがある
5.相手に反論されると言い返せなくなる

■C群
1.他人に正直な気持ちを打ち明けることができる
2.常に積極的に行動することができる
3.人が多い場でも自己主張ができる
4.苦手な人との会話も柔軟にこなせる
5.相手に非難されても、自分を卑下せず、さらに相手の意見も尊重できる

A群に○が最も多かった場合、アグレッシブ(攻撃型)の傾向があります。自分の主張をはっきりと伝えるのに対して、相手の気持ちを無視し、主張を押し付ける言動になりがちです。勝ち負けで物事を決めたり、相手より優位に立とうとする傾向もみられます。

B群に○が最も多かった場合、ノン・アサーティブ(非主張型)の傾向があります。自分の気持ちを表現しなかったり、しそこなったりすることが多いのが特徴です。また、自分の意見を口にしないだけでなく、あいまいな言い方をしやすい傾向もみられます。

C群に○が最も多かった場合、アサーティブ(攻撃型と非主張型)の傾向があります。自分の気持ちを正直に率直に、その場にふさわしい表現方法ができるタイプです。お互いを尊重し、本音を出し合う関係をつくることができます。

上記のチェックリストで自身の傾向が分かれば、あとはどれだけアサーティブのタイプに近づけていくかがポイントとなります。アサーションが目指すものは、攻撃的でも受身的でもない相互的なコミュニケーションです。このスキルを身に付けることで、部下や上司とのコミュニケーションがこれまで以上に円滑になり、それぞれの人間関係に良い変化が期待できます。

アサーティブを実践するための心構え

アサーションを実現するには
アサーションを実践するためには、以下の4つの心構えが重要です。

1.誠実であること
自分の感情には正直であり、自分に嘘をつかず、本当の気持ちを認めることが大切です。そして、その一方で相手の気持ちも自分と同じように扱うことがポイントです。

2.対等であること
自分と相手が、互いに人としての尊厳を持っていることを意識し、相手によって態度を変えることなく誰にでも同じように接することが基本となります。

3.率直であること
感情や主張したいことに率直であると同時に、相手も率直でいられるよう相手の感情を尊重することが重要です。

4.失敗してもよいということ
多くの人に失敗はつきものなので、失敗そのものを非難する必要はありません。失敗したときは、そのことに向き合い、次に活かすことを考えます。

アサーションプログラムでは、上記のような内容を座学で学ぶことに加えて、個別にワークに取り組む時間を設けています。ワークでは問題のある部下や上司を想定して、その中でいかにして自分の気持ちや状況を伝えたり、代替案を出すかについて考えます。こうしたアウトプットを通じて、自分と相手のどちらか一方ではなく、お互いを大切にする表現方法を身に付けます。

人間関係では、最適な答えはひとつとは限りません。その人、その場面に合った良い主張の方法があり、意識して訓練を繰り返すことで、その状況に応じた自然な対応ができるようになります。

まとめ

まとめ
自身の業務だけでなく、部下の管理も求められる管理職。さらには上司との関係も加わり、管理職でなかったときと比べると負担は大きなものかもしれません。
日々の業務で負担を感じ、心身に不調が現れたのであれば、上司や会社と相談し、休職期間を設けることが大切です。休職期間を通じて治療・回復に取り組むことで、それまで抱えていた課題や問題の負担を和らげることができるかもしれません。

復職を視野にいれて休職に入る場合、リワーク施設選びが重要なポイントとなります。現在は多くのリワーク施設が登場しているので、自身のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
「ニューロリワーク」では、ビジネススキルやコミュニケーションスキルの改善・向上を目的としたプログラムも幅広く提供しています。見学も随時受け付けていますので、興味がある方はぜひご一考ください。最適なリワークプログラムが成長へとつながり、晴れて復職されることを願っております。

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【参考文献・参考サイト】
・マナラボ「管理職の仕事と役割って?管理職に向いている人の特徴を解説」
・日経BizGate「大声と強い押し…こけおどし型上司、テレワークで退場へ」
・DIAMOND online「昇進した途端、うつ病に! 平社員に戻っても治らないその理由」
・@人事「年度初めに急増する「昇進うつ」と「自信喪失」への対処法」
・en人事のミカタ「人事労務Q&A」
(写真素材:PIXTA・photoAC)

記事監修者

K.K【公認心理師/臨床心理士(インクルード株式会社所属)】

精神科クリニック、デイケア勤務の経験のなかで、「仕事」「役割」「やりがい」の重要性を感じておりました。
社会の中で生き生きと働き、その方らしく暮らすことのサポートが行いたい、と考えております。

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