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メンタル不調 新社会人

入社一年目(新入社員・第二新卒)でメンタル不調による休職
【復職・再就職を成功させる方法とは?】

新入社員として働き始めると、学生時代にはなかった責任の重さや慣れない業務内容などで戸惑うことも多いかもしれません。また、ストレスから心身の不調に陥るケースも考えられます。
そのような場合はすぐに辞職や転職を考えるよりも、まずは医療機関を受診しましょう。具体的な行動を起こすには気力や体力が必要なため、大きな決断は心身の健康を回復させてから行うことが大切です。

復職や転職を準備する段階まで回復したら、復職支援施設や若年層向けの就職支援など、さまざまな支援を利用を視野に入れます。

ここでは、新卒で入社後にメンタル不調に陥った場合の対処法と、復職や転職に向けて利用できる施設をご紹介します。適切な施設を利用して復職準備を進めることで、同じ理由で転職を繰り返すことを防ぎ、安定して働き続けることができます。

新入社員とストレス


厚生労働省の調査によると、新入社員の離職率は、3年以内で高卒が約4割、大卒が約3割、1年以内では高卒、大卒ともに1割前後と決して低くない水準です。

終身雇用の時代とは異なり、転職をキャリアアップと考える意識の変化や、3年以内の既卒者を新卒枠で受け付けるいわゆる第二新卒枠の拡充なども離職という選択を後押しする要因といえますが、ストレスから心身の健康を損ねて休職や離職を選ばざるを得ないという方も少なくありません。

内閣府の「平成30年版 子供・若者白書」によると、新入社員が離職した理由をみると「仕事が自分に合わなかった」が4割以上、「人間関係」「労働時間、休日、休暇の条件や賃金がよくなかった」「ノルマや責任が重すぎた」が2割程度となっています(複数選択可)。
さらに、就職後3年以内の離職率に影響を及ぼす要因のひとつとして卒業時の就職環境が挙げられ、就職活動が厳しかった年の新入社員は離職率が高くなる傾向があることも分かっています。これは、就職活動において自分の希望に近い企業を選ぶ余裕がなく内定を得た企業に就職したものの、業務内容や雇用条件のミスマッチがストレスとなって離職に至ったケースがあると考えられます。

メンタル不調になったらどうする?


新入社員の転職に関して、「少なくとも三年は働いてスキルや経験を身につけるべきだ」と言われることがあります。とはいえ、許容範囲を超えるストレスを感じながら働き続ければ、心身の健康を損ねる可能性が高くなります。
「仕事に行きたくない」「何をしていても楽しめない」「食欲が減った」「眠れない」といった変化が現れたら、早めに対処することが大切です。

心身の回復に必要なのは、休養です。入社して半年が経過していれば、有給休暇が取得できます。有休や連休を利用して、趣味などでリフレッシュしたり信頼できる人に相談したりストレス発散するのも対策のひとつです。
それでも気分が晴れず不調が続くようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。症状によってはしばらく通院するケースもありますが、病気の療養や通院などで利用できる病気休暇の制度がある会社も増えてきています。また、新入社員でも休職制度を利用できる場合があります。心身が回復するまで休養できるように、人事や上司、主治医と相談してみましょう。

心身の不調によって離職することになれば、企業側の損失にもなります。本来の力を発揮して働けるように、積極的に病気休暇や休職などの制度を利用して心身の健康を取り戻すことが大切です。

復職・再就職を成功させるために利用できる施設


メンタル不調の回復に時間がかかる場合は、仕事から離れて心身の状態を整えることが大切です。復職や再就職を考えると焦ることもあるかもしれませんが、まずは十分に休息し、医療機関を受診し、心身を回復させましょう。
心身が安定してきたら、復職や再就職に向けて生活リズムを整えるといった準備を進めます。また、復職や再就職した後にメンタル不調を再発させないためには、原因となったストレスへの対策や対処法を用意しておくことも大切です。

なお、30歳未満の若者のうち7割以上が、働くことについて「きちんと仕事ができるか」「仕事と家庭生活の両立ができるか」「勤務先での人間関係がうまくいくか」といった不安を感じています。特に人間関係については、学生時代に就労に関して教えてほしかったことに関する回答でも「コミュニケーション能力やビジネスマナーなど、社会人としての基礎的知識」が47.1%と最も多く、「仕事に直接役立つ専門的知識・技能など」の43.4%よりも高い割合となっています。
離職の原因でも働かない理由でも「人間関係」「コミュニケーション能力」は大きな割合を占めています。ほとんどの仕事で人間関係は避けて通れない問題であり、同時に多くの方が困難や不安を感じる点でもあります。

復職や再就職を実現するためにはストレスへの対策や対処法を身に付けることが不可欠ですが、自学自習で身につけるのは難しいかもしれません。このような場合に利用できるのが、リワーク施設です。

リワーク施設は、うつ病などのメンタル不調を抱えた方の復職や再就職を支援する施設です。リワーク施設には医療機関附属の施設や障害者職業センター、就労移行支援施設、自立訓練(生活訓練)事業所が運営する施設などがあります。このような施設では心身の状態を整えながら復職や転職活動を進めるために、就職支援プログラムだけでなく、生活習慣の改善や対人スキルの向上、ストレスの対処法などに関するプログラムも提供されています。
各リワーク施設ごとにプログラムの内容が異なるため、復職や転職後の勤務に関して感じている不安を軽減できるプログラムを提供している施設を選ぶことが大切です。

再就職に関しては、リワーク施設以外にも厚生労働省の「ハロートレーニング」という制度もあります。こちらは職業訓練制度であり、職業スキルや知識の習得がメインです。原則として無料で受講できますが、リワーク施設とは異なり対人スキルやストレス対処法などを学ぶプログラムはありません。心身の健康を取り戻した上で、キャリアアップを目指す場合に利用したい制度といえます。

メンタル不調を抱えた状態からの復職や再就職であればリワーク施設、キャリアアップであればハロートレーニングというように、それぞれの強みや特徴があります。自分の目的と状況に合った施設を選んで、復職や再就職に備えていきましょう。

まとめ

「平成30年版子供・若者白書」によれば、働くことの悩みについて相談する相手には「親」「周りの友人・知人」「恋人・配偶者」など身近な方が多く挙がっています。また「悩みはあるが、誰にも相談したことがない」と答えた方も10.8%いました。

厳しい就職活動を経て入社したにもかかわらず、メンタルの不調によって休職しなければならないのはつらいものです。また、働くことの悩みやメンタルの不調について誰にも相談できずにひとりで乗り越えなければならないのであれば、ますます苦しく感じられるかもしれません。

新卒や第二新卒で入社したばかりの新入社員であれば、相談できる相手が少なく、大きな負担を抱えてしまうケースも考えられます。こうした負担から体調を崩すことがないよう、さまざまな施設や機関を活用していくことが重要です。リワーク施設などを活用して解決策を見つけることができれば、それだけ復職や転職の成功に近づくことができます。(休職中の過ごし方の相談や施設の見学をご希望の方はコチラから

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【参考文献・参考サイト】

・内閣府|平成30年版子供・若者白書|特集 就労等に関する若者の意識
・厚生労働省|新規学卒者の離職状況
・厚生労働省|報道・広報|新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)
・厚生労働省|3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!! |報道発表資料(平成22年11 月15日)
・厚生労働省|ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
・厚生労働省|ジョブカフェにおける支援
・サポステ[地域若者サポートステーション]
・働き方・休み方改善ポータルサイト|病気療養のための休暇
(写真素材:PIXTA・photoAC)