発達障害による二次障害を防ぐための大切な3ステップ
発達障害のある方は、障害特性により日常生活で悩みを抱えることが少なくありません。そのストレスから、うつ病などのメンタル不調を発症してしまうことを「二次障害」といいます。 今回は、そんな「二次障害」を予防するために大切な3つのステップについてご紹介します。(発達障害からの社会参加を目指すなら → ニューロリワークの資料請求)
ステップ1.障害特性を理解する
二次障害を予防するために大切なステップの1つ目は、自分の障害特性を自分自身がしっかりと理解することです。
例えばADHDの場合、不注意・衝動性などの障害特性があるため、下記のような日常生活での悩みを抱えることがあります。
・スケジュール管理ができない
・物を無くしたり忘れることが多い
・気が散ってしまう
・ケアレスミスが多い
・整理整頓ができない
・話し過ぎてしまう
・会話を遮ってしまう
職場でも「大切な会議を忘れてしまう」「期限内に行うべき業務を実施できず上司に頻繁に注意される」など、障害特性がきっかけの問題がしばしば起こります。
しかし、それらの原因が自分の障害特性によるものだと理解していなければ、失敗するたびに「なぜ上手くいかなかったのだ」「また失敗してしまった」と自分を責めすぎてしまい、それがストレスとなってうつ病などの二次障害を引き起こすリスクがあります。障害特性である場合は、猛省したからといって改善できるとは限りません。
こうしたケースにおいては、自分にはどういう障害特性があるのかを理解することで事前に対策を講じたり、周囲に理解を促したりすることができます。そのため、まずは自分の障害特性を理解することから始めることが大切です。
自分の障害特性が分からない場合は、医師や就労移行支援事業所・自立訓練事業所のスタッフなどに相談してみましょう。相談するときは、日頃から課題に感じていることや上手くいかなかったことをメモしておくとよいでしょう。
ステップ2.障害特性への対策を講じる
二次障害を予防するために大切なステップの2つ目は、障害特性への対策を講じることです。自分が苦手とすることに対して、具体的な対策を練るようにしましょう。
【例①:スケジュール管理が苦手な場合】
自分にあったスケジュール管理ツールを活用して、視覚で分かるように予定を管理する。
【例②:買い物での忘れ物が多い場合】
買い物に行く前に、必ずリストを作ってから出かける。
どれだけ気を付けようと思っていても、障害特性による課題の場合は「自分の意識」だけで解決するのは難しいケースがあります。「メモなど面倒だ」と感じることもあるかもしれませんが、メモを作ることによって日々の生活で生じる問題が減ると、それだけストレスも緩和されます。
なお、対策を考えるときは複数の対策を実践し、自分にあったものを見つけることが大切です。対策が見つからない場合は、周囲や医師・事業所のスタッフなどにも相談してみましょう。 (スタッフとともに休職からの復職を目指すなら → ニューロリワークの資料請求)
ステップ3.周囲に理解してもらう
二次障害を予防するために大切なステップの3つ目は、周囲に自分の障害特性を理解してもらうことです。
障害特性の場合、自分一人では対処が難しいことも多くあります。特にコミュニケーションにおいて課題を抱えている場合は、周囲の理解が不可欠です。「相手の立場に立って話すことが難しい」「自分のことばかり話してしまう」「急に脈絡のないことを話してしまう」「冗談や社交辞令を理解できない」といった障害特性がある場合は、そのような会話の得意・不得意について相手に理解してもらうことが大切です。
また、理解を得られることで日常生活で「生きやすさ」を実感できることもあります。たとえばスケジュール管理が苦手な場合、周囲の理解が足りていないと「自己管理ができていない」「ミスをしても学習をしない」と思われてしまうリスクがありますが、周囲の理解が進んでいると上司が定期的に進捗管理を行うといったサポートが受けられることも期待できます。周囲にどのような配慮をお願いしたいのかについては、ステップ1と2をふまえて整理しておくとよいでしょう。
一人で抱えずに、周囲に相談する
二次障害を抑えるためには、自分がどのようなことが苦手でストレスを感じやすいのかを明確にすることが大切です。そして、必要に応じて周囲に理解と適切なサポートをお願いすることができれば、自身の負担を減らすことができます。
障害特性は、自身の努力だけでは解決できないことも多くあります。発達障害の症状にあった服薬治療とそれに応じた訓練を行い、そして周囲の正しい理解を得ることが改善・予防の第一歩です。
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【参考文献・参考サイト】
(写真素材:PIXTA・photoAC)
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