メンタル不調による休職から、復職するまでの主な流れ

メンタル不調で仕事を休職する場合、復職までに様々な過程があります。これら一連の過程は、これまでに一度も休職をしたことがない方にとっては慣れないものであり、それゆえ休職へのハードルをいっそう高いものにしている可能性があります。
ここでは、そんな方に向けて休職から復職までの主な流れについてご紹介します。また、会社に「いつ」「どういったこと」を連絡すれば良いのかという点も併せてご紹介します。
「メンタルが不安定で休職を検討している」「休職中だが、復職までの流れが良く分からない」という方は、ぜひご参考ください。(休職と復職のことが3分でわかる「簡単!初めてのリワークガイド」のダウンロードはコチラから)
目次
休職するまでの流れ
最初に、職場でメンタル不調を感じてから休職するまでの一般的な流れについてみていきます。なお、企業ごとに多少の違いはあるため、必ずしも同じ流れになるわけではないという点に注意が必要です。
①会社・精神科医に相談する
メンタル不調を感じたら、社内の産業医や保健師などに相談します。そこで「休職が必要なのか」または「休職しなくても社内調整で対応できるのか」などを検討していくことになります。
もしも会社に産業医や保健師がいなかったり、体調が優れずに精神科の受診が必要だと感じる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
②休職の診断書を提出する
医療機関を受診して医師から休職指示が出た場合は、診断書を会社に提出して休職する流れになります。休職する場合は医師の診断書が必要となるため、受診の際には必ず受け取るようにしましょう。
多くの場合、休職要件は社内規則で定められているため事前に確認しておく必要があります。休職を希望する場合は、条件や方法などを細かく確認しましょう。
一般的に、休職が決まると休職するまでに期間が空くことはありません。医師や主治医から休職の判断が出ているということは、会社に出社しないよう指示が出ていることと同義と考えましょう。このような状況で仮に出社をしたとしても、荷物の整理や人事との簡単な面談で終わるケースがほとんどです。
また、体調面からそもそも引継ぎができないというケースも多く、それゆえ責任を感じてしまうことも少なくありませんが、決して自分を責めすぎず、まずは体調を安定させるためリラックスすることが大切です。
休職から復職までの流れ
次に、休職が決まってから復職するまでの流れについてみていきます。こちらも企業ごとによって多少の違いがあるため、詳細は個別に会社に確認する必要があります。
③療養に専念する
休職間もないうちは、自宅でゆっくりと過ごすのが理想の過ごし方といえます。また、仕事のことをできるだけ考えないようにする必要があります。
生活習慣の乱れは休職期間が長引いたり再発・再休職のリスクが高まるため、規則正しい生活を送ることを心掛けることが大切です。
④復職へ向けて準備する
体調が安定し、ある程度の活動ができるようになれば、復職へ向けた準備に取り掛かります。会社から復職へ向けた課題などがある場合には、そちらに取り組みます。課題が特にない場合は、自分で必要な準備を行います。
復職へ向けた準備には、主に以下のものがあります。
・生活習慣の安定
・仕事に必要な体力づくり
・休職原因の分析
・セルフケアの方法の習得
・知識やスキル学習
1人で行うのが難しいと感じる場合は、リワークの利用を検討するという選択肢もあります。
休職期間中は、会社によっては人事や産業医との定期面談があったり、メールで定期的に状況を連絡することもあります。このような場合は、そのときに取り組んでいる復職に向けた活動内容などを報告することになります。
また、リワークに通う場合は復職へ向けた前向きな姿勢を示すためにも、企業に伝えておくことが効果的です。可能であれば、事後報告ではなく事前に「○○というリワークに通いたいと思っている」と相談することが望ましいといえます。
この期間の会社とのやり取りの有無や頻度は、会社によって異なります。どのような方法や頻度で行うかについては、事前に会社側に確認しておくことが大切です。
⑤主治医から復職承諾の診断書をもらう
復職へ向けた準備が整うと、復職への具体的な手続きに進みます。まずは主治医から、復職承諾の診断書をもらう必要があります。復職は、「復職できそう」と自分で判断して会社に報告するというものではありません。基本的には、主治医から復職承諾の診断書をもらう必要があります。「体調が良くなってきたので、医師と復職に向けた相談をしたい」といったことを企業に報告することに問題はありませんが、自己判断で復職を進めないよう注意が必要です。
⑥産業医や上長・人事と面談
診断書の提出後は、産業医や上長・人事と面談の日程調整を行います。産業医がいる場合は、最初に産業医面談を実施するのが一般的です。産業医面談で問題がなければ、現場や上長などと面談を行い、現場の状況や復帰後の働き方について互いに確認します。復職前の具体的な流れについては、会社側から事前に説明を受ける場合もあります。
⑦試し出社・慣らし出社
復職が決まると、会社によっては「試し出社」や「慣らし出社」として出社することもあります。試し出社や慣らし出社の有無は会社によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
⑧復職
産業医や上長・人事との面談で問題がなかった場合や、試し出社などで問題がなかった場合は、いよいよ復職となります。
復職後の長期の安定した就労に向けて重要なポイントは、「最初から頑張りすぎない」という点です。復職後は再び休職に至らないよう、「7割の力」で働くことが大切です。(関連記事:「【復職後も要注意!】復職後に再休職に至ってしまう3つの原因」)
復職のタイミングはいつが適切?
メンタル不調による休職からの復職を検討する上で、復職のタイミングを慎重に見極めることが重要です。復職を無理に急いでしまうと、症状が悪化したり再び休職になる可能性が高くなります。復職のタイミングは、本人の心身の健康状態をひとつの基準とすることが大切です。
復職を目指す上では、症状の改善や回復に合わせて医師や産業医の診察を受け、復職が可能かどうかの判断を仰ぐことが基本です。医師の診断は客観的な視点での判断に基づくため、自身の主観的な判断だけでは見逃してしまいがちな懸念要素なども把握することが期待できます。
具体的な目安としては、日常生活において規則正しい生活リズムが整っているかどうかがひとつの基準となります。たとえば、「毎日の起床・就寝時間が一定である」「家事や簡単な運動が問題なくできる」といった日常生活での活動がある程度スムーズに行える状態が求められます。
休職期間中は復職を急ぎたくなる気持ちが強くなりますが、少しでも不安が残る場合はリワークプログラムなどを活用し、段階的に復職活動に移っていくことが大切です。無理をせずに適度なペースで取り組むことで、適切な復職タイミングを見つけ、再休職の可能性を減らすことができます。
復職をうまく進めるためのポイント
復職を成功させるためには、無理なくスムーズに職場復帰ができるよう事前に準備を整えておくことが大切です。
復職を目指す上では、「少しずつ慣らしていく」という点が重要になります。復職後にすぐフルタイムで働くのではなく、たとえば週に数日の勤務から始めたり、一日の勤務時間を短縮するなど段階的な復職計画を立てるのがポイントです。こうした段階的なアプローチにより、職場復帰によるストレスを軽減し、安定した復職に繋げることができます。
他にも、復職を目指す上では職場や上司とのコミュニケーションが重要となります。復職にあたっては職場の理解と協力が不可欠であり、自身の体調や不安な点をしっかりと伝えておくことで必要なサポートが受けやすくなります。また、職場にリワーク担当者や人事担当者がいる場合、相談やアドバイスを受けながら進めるのもポイントのひとつです。復職後のサポート体制を整えておくことで体調不良や再発時に適切な対応を取ることができるので、安心して職場への復帰を進めることができます。
復職後は、セルフケアを怠らないことも大切なポイントです。仕事への復帰後も自分の体調管理を意識しながら、定期的に休養やリフレッシュを取ることを心がけましょう。自分の状態に気を配りつつ無理なく働くことで、長期的な職場定着が実現します。
(関連記事:「復職が気まずい」そんな方にみてほしい、休職・復職との向き合い方)
休職と復職のお悩みは、専門のスタッフに相談を
復職までの大まかな流れがみえてくると、それだけで心の負担が和らぐことが期待できます。なお、休職期間中の過ごし方や復職面談などに関して不安がある場合は、社会参加や復職を支援する自立訓練(生活訓練)事業所の利用も効果的です。
自立訓練(生活訓練)事業所では、休職の原因のひとつでもある生活習慣の改善や、自己管理能力を高めるプログラムなどを通じて、復職と安定した就労を目指します。「生活習慣を整えたい」「休職を繰り返したくない」とお考えの場合は、自立訓練(生活訓練)事業所の利用を検討するとよいかもしれません。
自立訓練(生活訓練)事業所を運営しているニューロリワークでは、健康に良い生活習慣を身に付けることを目的としたプログラムや、さまざまなセルフケアプログラムを行っています。事業所では随時見学やプログラムの体験実習を行っていますので、ご興味のある方はお気軽にご連絡・ご相談ください。(自立訓練事業所を運営するニューロリワークの見学をご希望の方はコチラから)
【参考文献・参考サイト】
(写真素材:PIXTA・photoAC)
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