統合失調症で休職したときの過ごし方。
~万全を期して復職を目指すには~
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統合失調症で休職したときの過ごし方。
~万全を期して復職を目指すには~

# お役立ち

2020.06.30

100人に1人の割合でかかるともいわれている統合失調症。「治らない」との誤った認識を持たれることもある疾患ですが、多くの回復事例が報告されています。

統合失調症は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同様に、早期の発見や早期の治療が効果的です。早期の治療であればあるほど再発率が低く、適切な家族の援助や関与があるほど再発率が低いという報告もあります。

ここでは、統合失調症の概要と、万全を期して復職を目指す上での休職期間の過ごし方についてみていきます。統合失調症に関する正しい知識を身に付け、心身ともに余裕のある毎日を取り戻しましょう。

目次

統合失調症とは

統合失調症とは

統合失調症の概要

統合失調症は、幻覚や妄想などの症状が特徴の精神疾患です。以前は「精神分裂病」という名称でしたが、2002年に統合失調症という名称に変更されました。

一般的に、身体のケガや病気と異なり精神疾患の診断では医師によって意見が異なる場合も少なくありません。そのため、医師が診断を迷う場合には、症状をあらわす「うつ状態」という表現で診断がなされることもあります。また、たとえ統合失調症であっても症状として「うつ状態」がある場合は、「統合失調症」という精神疾患名を用いずに「うつ状態」と診断されることがあります。これは、明確な診断名を避けることで疾患者に過度な負担にならないための配慮とも考えられます。

原因

統合失調症の原因は、明確には分かっていません。仮説のひとつとして、脳の神経伝達物質のひとつである「ドーパミン」の調節機能の異変が挙げられています。そのため、ドーパミンに作用する薬物が効果的とも考えられています。

他に考えられている原因としては、進学や就職、独立や結婚のような人生の進路・岐路を経験することが発症のきっかけになるともいわれています。また、遺伝的に同じ素因を有している一卵性双生児の発症率が約30%~50%であることから、遺伝の影響がある程度は認められながらも、遺伝でのみ決まるものではないと考えられています。

症状

代表的な症状としては、幻覚や妄想があります。他の精神疾患にも幻覚や妄想の症状がみられますが、統合失調症の場合は特に目立った特徴があるといわれています。
たとえば、自分が大切にしている考えや価値観に対して他人が悪い働きかけをするといった妄想などがその一例です。こうした疾患者本人の気持ちや考えに由来する妄想が多くみられます。また、誰かが自分を襲おうとしている「迫害妄想」や、周囲の人たちが自分を見てくるといった「注察妄想」、悪意を持った誰かが自分を尾行や監視しているという「追跡妄想」なども統合失調症の症状としてみられます。

幻聴にもさまざまな症状があり、誰もいないのに声が聞こえてくるというケースや、自分を批判、批評する内容、何かを命令する内容、自身の行動を監視する内容なども聞こえることがあります。

治療法

統合失調症の治療は、主に外来か入院のいずれかでおこなわれます。外来と入院のいずれになるかに関して明確な基準が設けられているわけではなく、概ね重度であれば入院、軽度であれば外来(通院)と考えられています。
治療法に関しては、外来・入院のいずれも主に抗精神病薬などの薬物療法を中心に、精神療法やリハビリテーションが行われるのが一般的です。いずれが効果的であるかというものではなく、薬物療法をベースに、より効果を高めるために精神療法やリハビリテーションが用いられます。

統合失調症だと思ったら

統合失調症だと思ったら

統合失調症の症状のひとつである幻覚や妄想などがみられる場合は、周囲のことも考えて休職するという選択肢が望ましいといえます。特に、周囲からの言動をネガティブに受け取る傾向や幻聴が聴こえる傾向があれば、業務に支障をきたすだけでなく、社内・社外の人とのコミュニケーションも難しくなることが予想されます。こうした症状がみられる場合には、まずは医療機関を受診し、治療を最優先にすることが大切です。

休職に抵抗を感じることもあるかもしれませんが、上述したように統合失調症は早期の発見と早期の治療によって再発率を下げることができる疾患です。自然に治癒・解消されることは期待できないため、まずは治療に専念することが重要です。

休職から復帰までの流れ

休職から復帰までの流れ

休職期間を有意義なものにするには

統合失調症を治療するためには、主治医との信頼関係が重要です。短期間で治療の効果がみられない場合に不安になることもあるかもしれませんが、医療機関を転々とするのではなく、同じ医院、同じ主治医のもとで治療に専念することが大切です。主治医の方針に納得できない場合にはセカンドオピニオンという選択肢もありますが、基本的には同じ主治医のもとで特性や傾向、症状の共通認識をもって治療に取り組むことが効果的です。

なお、統合失調症によって休職している期間の過ごし方としては、治療だけでなく、復職のためのリワークプログラムを受けるという選択肢もあります。リワークプログラムを提供するリワーク施設は、主に精神疾患などで休職した方を対象として、復職に必要なビジネススキルやコミュニケーションスキル、または生活習慣の改善方法などを提供しています。
リワーク施設と一口にいっても、医療機関が運営するものや地域障害者職業センターが運営するもの、または民間企業が運営するものなどさまざまな種類があるため、自身の特性や症状を踏まえて選ぶことが大切です。

リワーク施設で復職プログラムを

リワーク施設のひとつである「ニューロリワーク」では、復職プログラムのひとつとして「対応力発揮プログラム」を提供しています。職場では想定外の事態が発生するケースは日常茶飯事であり、そうしたケースにも焦らずに対応できる能力が求められます。この点、プログラムを通じてイレギュラーに慣れることで、復職後の職場での対応力や応用力を身に付けることが期待できます。

このプログラムでは、「対応力のある人とは?」「対応力を鍛えるには?」というふたつのテーマを軸にして、対応力について考えます。

「対応力がある」とは、主に「気持ちに余裕がある」「リスクを事前に想定できる」「相手の気持ちを考えることができる」「コミュニケーション能力がある」といった能力があることを指します。
対応力のある人とは?

それでは、対応力を鍛えるにはどのような取り組みが必要でしょうか。対応力を鍛える方法としては、たとえば「経験値を上げる」「情報収集する」「広い視野を持つ」などの方法があります。
対応力を鍛えるには?

プログラムのポイントは、「イレギュラーなケースでの対応に慣れる」という点です。職場や日常の中で起きるイレギュラーは、しばしば心や身体に負担をかけることになります。対応力は一朝一夕で身に付くものではなく、日々の積み重ねが重要となります。そのため、プログラムでは座学だけでなく、さまざまなワークを通じて対応力を磨きます。たとえば「上司のケガに対する緊急対応」というケーススタディでは、上司の不意のアクシデントによって生じたイレギュラーにどのようにして対応するかについて考えます。

こうしたケーススタディを通じて、自身の復職後にイレギュラーに遭遇したときの耐性を養っていきます。

まとめ

まとめ
心身の不調によって休職する場合、その期間の過ごし方が重要になります。治療に専念することももちろん重要ですが、治療だけでなく、自身の苦手分野を克服するためにも休職期間を費やせると良いかもしれません。リワーク施設ではさまざまなリワークプログラムを通じて苦手分野の克服や、新たなスキルを身に付ける機会が豊富にあります。

リワーク施設のニューロリワークでも、復職を目指す上で身に付けておきたいさまざまなスキルが学べるプログラムを提供しています。見学も承っていますので、ご興味のある方はぜひご体験ください。リワークプログラムを通じて高い素養を身に付け、復職後に能力を十分に発揮いただけることを心より願っています。

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【参考文献・参考サイト】
・厚生労働省 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス「統合失調症」
・独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「精神疾患で長期休業した従業員の職場復帰における配慮と工夫」
・アジア太平洋ヘルスサポート学会「うつ病だけではない職場のメンタルヘルス」
(写真素材:PIXTA・photoAC)

記事監修者

Y.U【臨床心理士(インクルード株式会社所属)】

児童福祉分野に勤務し、社会的養護の中で自立支援に従事。 経済的、精神的、社会的、この3つの自立ができてこそ「自分の人生を生きている」と実感できると考え、利用者様の自己実現のサポートを行いたいと考えております。

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