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復職

復職前のリハビリ(リハビリ出勤)とは?取り組むメリットを紹介

「復職はしたいけれど、最初からフルタイムで勤務するのは不安」と感じる方も多いかもしれません。長期間の休職からの復職は、心身ともに大きな負担がかかるものです。特にうつ病や適応障害などからの復職の場合、再び職場に戻るということだけで大きなプレッシャーになることも少なくありません。

復職の負担を減らすために重要となるのが、復職前のリハビリとなる「リハビリ出勤」です。最初から本格的な復職を目指すのではなく、リハビリのように段階を踏むことで負担を減らし、安心して職場に戻ることができるというのがリハビリ出勤の大きなメリットです。

「休職中だけど、体調が回復してきた」「復職を考えたいけど、準備不足で失敗したらどうしよう」と悩んでいる方にとって、こうしたリハビリ出勤は非常に効果的な手段といえます。無理なく職場への復帰を進められるだけでなく、メンタルの安定や職場環境への慣れにもつながるため、復職の成功率を大きく高めます。

今回は、そんなリハビリ出勤について、「具体的にどのようなことをするのか?」「給与はどうなるのか?」といった疑問を持つ方に向けて詳しく解説していきます。また、多くの休職者の復職を支援し、実現してきたニューロリワークの知見を活かして、リハビリ出勤の主な流れや注意点などについても詳しくみていきます。

リハビリ出勤は、特別なスキルや訓練が必要なものではありません。誰でも簡単に取り組めるものであり、大きな効果が期待できます。安心して職場復帰のスタートを切るための第一歩として、前向きに取り組んでいくことが大切です。
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復職前のリハビリ、「リハビリ出勤」とは

リハビリ出勤
復職前のリハビリ出勤は、休職中の従業員が本格的に復職する前に、段階的に職場に慣れるための取り組みを指します。うつ病や適応障害などのメンタル不調が原因で休職していた場合、最初からフルタイムの勤務に戻ると身体的・精神的な負担が大きく、再び体調を崩してしまうというリスクがあります。こうしたリスクを減らし、スムーズな復職を目指すために、リハビリ出勤が活用されることがあります。

リハビリ出勤は、主に勤務時間や業務内容を軽減して行われます。たとえば、1日に数時間の短時間勤務から始めて、少しずつ勤務時間を延ばしていくといった方法が一般的です。また、業務の負荷も軽いものからスタートし、体力や集中力を少しずつ回復させながら、職場環境や業務フローへの感覚を取り戻していきます。

企業によっては、リハビリ出勤の制度が整備され、主治医や産業医の意見を基に計画的に進められるというケースもあります。休職者と企業が協力して進めることで、無理のないペースで復職準備を進めることができます。

このように、リハビリ出勤は会社に貢献しながらも自身の体調や業務能力を取り戻すための重要なプロセスとして位置づけられています。

また、リハビリ出勤は「体調の回復を確認しながら復職を目指せる」という点で、復職後のトラブルやリスクを防ぐ効果が期待されています。休職者は安心して職場に戻る準備ができ、企業側も再発や離職の可能性を抑えることができます。このように、リハビリ出勤は双方にとってメリットの大きい取り組みとなっています。

なお、リハビリ出勤を進めるにあたっては、事前に企業側と十分なコミュニケーションを取っておくことが大切です。勤務日数や時間、業務内容を明確にし、無理のない計画を立てることで、リハビリ出勤の効果を高めることができます。

以上のことから、リハビリ出勤は単なる復職の準備ではなく、職場復帰を成功させるための大切なステップと考えることができます。
(関連記事:休職からの復職が怖い方へ。復帰後の定着率が3.5倍といわれるリワークプログラム

リハビリ出勤のメリット

リハビリ出勤のメリット
リハビリ出勤は、休職中の従業員が無理なく復職できるようにするための重要なステップです。上述したように、最初から通常勤務に戻ることは心身に大きな負担をかけ、体調不良の再発や職場でのパフォーマンスの低下を引き起こすリスクがあります。そのため、復職前に段階的に職場環境に慣れることで、復職後の成功率を高めることが期待されています。

リハビリ出勤の主なメリットをまとめると、以下の3つが挙げられます。

1.職場環境へのスムーズな適応

長期間にわたる休職を経て復職する際、職場の環境や業務に再び適応することが大きな課題となる場合があります。休職中に新しい人員が加わったり、業務内容や手順が変わったりしていると、こうした変化にすぐに対応するのは負担が大きいものです。

この点、リハビリ出勤を通じて短時間勤務や軽めの業務から始めることで、少しずつ新しい職場環境や業務に慣れることができます。自分のペースで感覚を取り戻すことで、「最初からフルタイムで働かなければならない」というプレッシャーを和らげ、よりスムーズな復職が可能となります。また、リハビリ出勤は上司や同僚とのコミュニケーションを再構築する良い機会にもなります。こうした取り組みにより、職場での心理的な不安感を減らし、周囲との連携をスムーズに進めることができます。

2.体調の回復レベルの確認

リハビリ出勤は、自身の体調が実際に業務に耐えられるかどうかを確かめるための重要な機会です。休職中にある程度の回復を実感したとしても、職場での業務は予想以上に体力や集中力を要する場合があります。

この点、リハビリ出勤では短時間勤務や業務負荷の調整を通じて、自分のペースを確認しながら働くことができます。これにより、過度な負荷を避けつつ、その時点での体調に合わせた働き方を模索していくことが可能です。万が一、業務に支障が出る場合でも、早めに対処することができるため本格的な復職後に再び体調を崩すリスクを減らすことができるのも大きなメリットのひとつです。

3.再発防止と復職成功率の向上

メンタル不調などが原因で休職した場合に、最初からフルタイム勤務を再開するとストレスや体調悪化により再発するリスクが高くなります。一方、リハビリ出勤を活用することで、段階的に負荷を増やしていくため再発を防ぐことが期待できます。

リハビリ出勤を経ることで自分の体調や限界を把握することができるため、本格的な復職後に無理のない働き方が可能となります。その結果、復職の成功率が高まり、長期的なキャリアを築きやすくなるという点もメリットとして挙げられます。
(関連記事:復職の適切なタイミングとは?必要なステップと準備ポイントを解説

リハビリ出勤の実施・復職までの流れ

リハビリ出勤の実施
これまでに見てきたように、リハビリ出勤を取り入れることで復職を段階的に進め、心身に無理のない形で職場への復帰を目指すことができます。こうしたプロセスを成功させるためには、最適な手順に沿って進めることが大切です。主治医や職場との連携を図りながら計画的に進めることで、再発のリスクを減らしてスムーズな復職を実現することができます。

リハビリ出勤を進める上での主な流れとしては、以下のようになります。

ステップ1.主治医・産業医への相談と診断書の準備

リハビリ出勤を始める上での第一歩は、主治医や産業医への相談です。休職中の体調や回復状況を正確に伝え、リハビリ出勤の可否や適切な勤務時間・業務内容について意見を伺います。リハビリ出勤を行うにあたっては、この段階で主治医から診断書を作成してもらう必要があります。診断書には、勤務時間や業務負荷に関する具体的な制限が記載されるのが一般的です。

診断書の内容を基に職場の担当者と話し合いを行い、無理のない勤務計画を立てる準備を進めます。この段階では、会社のリハビリ出勤に関する制度やガイドラインを確認し、双方で納得のいく計画を立てることが重要です。

ステップ2.リハビリ出勤の計画作成と職場との合意

医師の診断書を基に、リハビリ出勤の具体的な計画を作成します。計画には、勤務開始日や出勤日数、勤務時間、担当業務内容などが含まれます。この計画は、体調の回復傾向や職場の状況を考慮しながら柔軟に調整されることが重要です。

職場側との合意形成も、重要なプロセスのひとつです。職場の担当者や上司と話し合い、業務内容や勤務時間をすり合わせることで、無理なく復職準備を進める環境を整えることができます。この過程を通じて職場の理解やサポートを得ることで、復職への心理的なハードルを大きく下げることがポイントです。

ステップ3.リハビリ出勤の実施と調整

リハビリ出勤が始まると、最初は短時間勤務や軽い業務内容からスタートします。これにより、職場環境や業務に少しずつ慣れることができ、身体的・精神的な負担を抑えることができます。

リハビリ出勤期間中は、自身の体調や疲労感をしっかりと観察し、必要に応じて勤務時間や業務内容を調整します。この段階では、主治医や職場担当者と定期的に状況を共有し、計画の見直しを行うことが大切です。体調が不安定な場合は無理をせず、あらためて計画を調整するなどの柔軟な対応が求められます。

ステップ4.リハビリ出勤の終了と本格的な復職

一定期間のリハビリ出勤を経て、体調が安定し、通常勤務に耐えられると判断された場合は、本格的な復職へと進みます。主治医や産業医による最終的な診断を受けた後、職場と復職日や業務内容について最終確認を行います。

この段階では、復職後も無理のないペースで業務を続けられるよう、職場のサポート体制や自身の体調管理が重要になります。なお、復職後も一定期間にわたってリハビリ出勤の延長や勤務時間の調整が必要になる場合があります。
(関連記事:メンタル不調による休職から、復職するまでの主な流れ

リハビリ出勤の実施時に気をつけるポイント

リハビリ出勤のポイント
リハビリ出勤は復職を成功させるために効果的な取り組みですが、その効果を高めるためにはいくつかの気を付けるべきポイントがあります。適切な準備や配慮を怠ると体調の悪化や復職後のトラブルにつながる可能性もあるため、計画的かつ慎重に進めることが大切です。

以下では、リハビリ出勤を実施する際に特に気をつけたいポイントについてみていきます。

気をつけるポイント(1):無理のない勤務計画を立てる

リハビリ出勤では、勤務時間や業務内容を調整して段階的に慣らしていくことが基本です。とはいえ、復職への焦りや周囲への配慮から、つい無理をしてしまうケースもみられます。その無理が原因で再び体調を崩してしまうこともあるため、無理のない勤務計画を立てることが重要です。

主治医や産業医と相談しながら、最初は短時間勤務や負担の少ない業務からスタートし、少しずつ負荷を増やしていく計画を立てるのがポイントです。また、体調や状況によって計画を柔軟に見直すことも必要です。焦らずに自分のペースを守ることが、復職成功への近道となります。

気をつけるポイント(2):職場とのコミュニケーションを密に取る

リハビリ出勤をスムーズに進めるためには、職場とのコミュニケーションが不可欠です。業務内容や勤務時間の調整はもちろん、体調の変化や不安な点についても適切に伝えることが大切です。

特に上司や同僚にリハビリ出勤の目的や自身の現状を理解してもらうことで、協力を得やすくなります。職場側の理解が深まれば、それだけ勤務計画の柔軟な調整やサポート体制の充実につながり、リハビリ出勤の効果が高くなることが期待できます。

気をつけるポイント(3):定期的に体調を確認する

リハビリ出勤中は、業務に集中するあまり自分の体調に無頓着になりがちです。もっとも、復職準備の本来の目的は体調を安定させながら業務に慣れることにあることから、日々の体調や疲労度をしっかりとチェックする習慣を持つことが大切です。

体調に異変を感じた場合は、無理をせずに職場や主治医に相談するよう心掛けましょう。リハビリ出勤の途中で休みが必要になる場合もありますが、それを後ろめたく感じる必要はありません。健康を第一に考えた行動が、結果的に復職成功への近道となります。

気をつけるポイント(4):自分のペースを尊重する

リハビリ出勤中は、「早く完全復職しなければ」「周りに迷惑をかけたくない」といったプレッシャーを感じることも少なくありません。しかし、他人と自分を比較して焦ったり、無理をしたりすることはかえって負担になってしまうことがあります。

復職の成功のカギは、自分のペースで段階的に進めることにあります。そのため、自分にとって最適な過ごし方を見つけることが大切です。必要に応じて主治医や産業医、職場の担当者と話し合い、計画を調整していくことがポイントです。自分を労りながら進めることが、長期的な復職の安定に繋がります。
(関連記事:【休職期間の過ごし方】復職成功者の多くがリワーク利用時に実践していたこと

リハビリ出勤中の給与は支払われる?

リハビリ出勤時の給与
リハビリ出勤を行う上で気になる点のひとつは、給与の支払いです。リハビリ出勤中の給与に関しては会社の就業規則によって異なるため、どの程度の金額が支払われるのか(または支払われないのか)について一括りに断定することはできません。一般的には、勤務の実態がある一方、勤務時間や業務量の関係から通常の給与とは異なる形で取り扱われるという考え方がなされています。

企業によってはリハビリ出勤は「治療の一環」とみなされることも多く、それゆえ完全な勤務とはみなされないケースが少なくありません。そのため、リハビリ出勤中の労働時間や業務内容に応じた給与の支払いが行われる場合と、支払いが行われない場合があります。具体的には、時給や日割り計算で一部のみ支払われる場合や、会社が休職扱いとして給与を支払わない場合などがあります。

なお、給与が支払われない場合でも「傷病手当金」を受け取れるケースがあります。傷病手当金は健康保険制度の一環として支給されるもので、休職中の収入減を補填する役割を果たします。リハビリ出勤を始めても医師が「労務不能」と判断した状態が継続する場合に、こうした手当が引き続き支給されるケースがあります。リハビリ出勤の頻度や時間によっては傷病手当金の支給対象外となる場合もあるため、事前に健康保険組合に確認することが大切です。

一方で、企業の独自の制度としてリハビリ勤務の期間に一定の給与を支払う取り決めを設けているケースもあります。この場合、給与額や支払い条件は会社の規定によるため事前に就業規則や人事担当者に確認する必要があります。

その他の注意すべき点としては、リハビリ出勤中に社会保険料や税金が発生する可能性がある点が挙げられます。給与の有無にかかわらずこうした経済的な負担が生じることがあるため、あらかじめ押さえておくことが大切です。

リハビリ出勤の前のリワークで、失敗しない職場復帰を

リハビリ出勤前のリワーク
リハビリ出勤を成功させるためのカギは、準備を怠らず、無理なく段階的に進めるという点にあります。そのため、休職期間中の過ごし方が重要となります。

休職期間中を有意義なものにするためには、復職の支援を専門とする「リワークプログラム」を活用することがおすすめです。リワークは、主に心身の健康を取り戻しながら、働くためのリズムやスキルを再構築するプログラムを指します。復職前にこうしたプログラムを活用することで、復職活動を円滑に進め、安定した就労を実現することが可能です。

リハビリ出勤を効果的なものにするためにも、ぜひリワークプログラムを活用しましょう。(関連記事:リワーク施設(リワークプログラム)を利用する上で知っておきたい「施設の種類」と「選び方」とは?

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