リワークに通うのは強制? よくあるQ&Aを解説
「休職からの復職を目指す上で、リワーク(=職場復帰支援プログラム)に通うべきなのか。それとも、自分のペースで回復を目指すべきなのか?」
休職期間中、精神的な不安定さを抱えていると、こうした疑問に直面することがあります。周囲から「リワークは良いよ」と勧められても、「本当に必要なのか?」「まだ気持ちが追いつかない」と考えてしまうケースも多くみられます。特に、まだ休職して間もない場合には、焦りは禁物です。とはいえ、「リワークに通わないと復職が難しいのでは?」という漠然とした不安を抱えてしまう方も少なくありません。
ここでは、「リワークは強制的に通うべき?」という疑問に対する回答や、リワークの利用が特に望ましいとされるケース、または通わない選択肢が適しているケースについても詳しくみていきます。さらに、リワークに関する様々な「よくある質問」もわかりやすく整理し、多くの方々が納得できるようわかりやすく解説していきます。
「リワーク」と聞くと専門的なイメージが強く、高いハードルを感じるという方も少なくありませんが、これまでに多くの方々の復職を実現してきたニューロリワークの知見を踏まえた有益な情報をお届けします。リワークの活用を考える第一歩として、ぜひご一読ください。
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リワークに通うのは強制ではなく、本人の意志次第
リワークの利用を考える上で、多くの方が疑問に持つのは「リワークの利用は強制?」という点です。この点、リワークへの参加は本人の意思に基づくものであり、法律や職場のルールとして強制されるものではありません。医師やカウンセラーから勧められる場合もありますが、最終的な判断は自身で行う必要があります。(※ただし、企業によってはリワークに通うことを復職のための条件のひとつとしている場合があります。)
特に精神的な症状に関しては、回復は個人差が大きく、無理に進めることが回復を遅らせる可能性もあります。
リワークは、職場復帰の準備を整えるための支援プログラムです。うつ病や適応障害などによる休職からの復職では、働くためのリズムやストレス管理能力を身につけることが求められます。そして、こうした能力を身につけるためにリワークを利用するかどうかについては、上述の通り個人の状況次第であり、個人の判断となります。
たとえば、症状が安定しているが復職に不安がある場合や、医師の指導で準備が必要と判断された場合であれば、利用によって効果が見込めるといえます。
一方、症状がまだ不安定な場合や、クリニックでの治療が中心となる初期段階では、リワークへの参加を焦る必要はありません。リワークの利用が時期尚早にならないよう、周囲と相談の上で決めることが大切です。利用に関して疑問や不安がある場合は主治医やカウンセラーに相談し、自分にとって最善の選択を見つけるようにしましょう。
(関連記事:休職からの復職が怖い方へ。復帰後の定着率が3.5倍といわれるリワークプログラム)
リワークに通うのがおすすめの人
リワークプログラムは、うつ病や適応障害などで休職中の方が復職や再就職を目指すためのプログラムですが、全ての方に必要(=誰にでも高い効果が見込める)というわけではありません。症状や状況、または目的によって、リワークを活用することで得られるメリットの大きさは異なります。以下では、リワークによって特に効果が期待できるケース(対象者)についてみていきます。
1.復職に対する不安が大きい人
職場復帰を考えると緊張やストレスを感じ、再び同じ環境で働けるか不安がある場合は、リワークを活用することでこうした不安を解消させることが期待できます。リワークプログラムを通じて復帰後の職場環境に近い状況をシミュレーションしながら、段階的に適応力を高めていくことを目指します。
2.生活リズムを整えたい人
休職期間中に乱れた生活リズムを整える必要がある場合、リワークプログラムを受ける際に求められる規則的な活動(スケジュール管理)が効果的です。毎日の事業所への通所によって朝起きる習慣を取り戻し、一定の時間に活動する習慣を身に付けることができます。これにより、復職後の業務にスムーズに移行することが期待できます。
3.ストレス対処法を学びたい人
過去に過度なストレスが原因で体調を崩した経験がある場合、リワークプログラムを通じて学ぶストレスマネジメントやリラクゼーション方法などが役立ちます。こうしたスキルは復職後の再発防止にも効果を発揮し、安定した就労の実現に大きな役割を果たします。
4.復職への準備がまだ整っていないと感じる人
医師から復職の許可が出ても、それだけでは自信が持てないという場合もあります。リワークプログラムを通じて、段階的にビジネススキルを磨いたり、カウンセリングを通じて気持ちを整理することで、復職後の就労の準備を進めていくことができます。
5.他者との交流に不安がある人
休職期間中に社会的なつながりが薄れたことで他者とのコミュニケーションに不安がある場合、リワークを活用することで同じような状況にいる人たちとの交流を通じて、コミュニケーション能力を身につける(=回復させる)ことも可能です。こうした触れ合いを通じて、少しずつ社会的なスキルを取り戻していくことを目指します。
(関連記事:復職の適切なタイミングとは?必要なステップと準備ポイントを解説)
リワークに通わないことを検討するべきパターン
リワークプログラムは職場復帰のサポートとして高い効果が期待できますが、必ずしも全ての方に適しているというわけではありません。無理に通うことで体調を崩したり、ストレスを増大させてしまう可能性も考えられます。
そこで以下では、リワークに通わないことを検討すべき具体的なケースについてみていきます。
1.施設が自分に合わない場合
リワーク施設には様々な種類があり、それゆえ様々な特徴があります。プログラムの内容だけでなく、プログラムの進行ペースや他の利用者との相性、または施設の雰囲気、スタッフの人柄なども多様であり、それゆえ人によっては合わないと感じることもあります。たとえば、集団での活動が多い施設に通うと、他人との交流が負担になったり、逆に孤独感を感じたりするケースもあります。また、目標設定やサポートの方向性が自分の回復状況や復職計画と合わないこともあるかもしれません。そうした場合には、別の施設を検討するか、リワーク以外の方法で復職準備を進めるのも選択肢のひとつです。
2.体調への負担が大きい場合
リワークは定期的に通所し、一定時間の活動が求められるため、体調が十分に回復していない段階で通うことは大きな負担になります。特に、うつ病や適応障害の治療中で体力や気力がまだ整っていない場合は、無理をすることで症状が悪化するリスクがあります。このような場合は、まずはクリニックでの治療に専念し、生活リズムや体力を整えることが優先されます。医師やカウンセラーと相談し、適切なタイミングを見極めることが大切です。
3.自分なりの方法で復職準備を進めたい場合
リワークプログラムを活用することなく、復職に向けて準備を進める方法もあります。たとえば、カウンセリングや個別の治療プラン、在宅でのリハビリ活動など、自分のペースで取り組める方法などが挙げられます。また、職場の産業医や人事担当者と連携して、自分に合った復職プランを作ることも可能です。
4.リワークに対する心理的な抵抗が強い場合
リワークに対して強い不安や抵抗を感じる場合も、無理に通う必要はありません。たとえば、「他の人と比較されそう」「自分の回復の進捗が遅いと感じてしまいそう」といった心理的な負担がある場合、まずはその不安を医師やカウンセラーに相談することが大切です。必要に応じて、個別対応が可能な施設や代替プログラムを検討することも選択肢のひとつです。
5.無理に通うことで逆効果になるケース
リワークを利用することで体調が悪化したり、プレッシャーを感じる場合には、通所を中断することも選択肢として挙げられます。回復は人それぞれのペースがあり、必ずしもリワークが最適な方法ではありません。焦らず、自分に合った回復手段を見つけることが大切です。
リワークは多くの方にとって有益な支援プログラムですが、無理に通う必要はありません。自分の体調や状況をよく理解し、必要に応じて別の方法やタイミングを検討することが大切です。何よりも、自分にとって無理のない形で回復を目指すことが成功のカギとなります。
(関連記事:メンタル不調による休職から、復職するまでの主な流れ)
リワークに関するよくあるQ&A
リワークプログラムを活用するにあたって、疑問点や不明点を解消するのは理想のリワークを選ぶ上での第一歩です。以下では、これから利用を検討している方が抱きがちな疑問・質問についてわかりやすく解説していきます。
Q1.リワークは誰でも利用できますか?
リワークプログラムは、うつ病や適応障害など、主に精神的な不調が原因で休職中の方を対象としています。利用するには主治医からの診断書や紹介状が必要な場合が多く、医師と相談の上で利用を検討します。施設(事業所)によって利用の条件が異なる場合があるので、詳細は事前に確認しておくことが大切です。
Q2.リワークの利用にかかる費用はどのくらいですか?
費用は、利用する施設の種類によって異なります。医療機関が提供するリワークでは健康保険が適用されることが多く、通常は3割負担で利用できます。一方、民間のリワーク施設では全額自己負担となる場合もあります。詳細については、利用を考えている施設に確認する必要があります。
Q3.復職までに通う必要がある期間はどのくらいですか?
復職までにかかるリワークの利用期間は、体調や回復状況、目標によって異なります。一般的には、3ヶ月〜6ヶ月が目安となっています。短期集中型のプログラムや、長期間にわたって復職準備を進めるプログラムなど、施設によって実施プログラムが異なるので、自身の状況に合った施設を選ぶことが大切です。利用から復職までの期間については、医師や施設スタッフと相談しながらスケジュールを調整していくことになります。
Q4.リワーク利用時のスケジュールはどのようなものですか?
リワークプログラムは、多くの場合に段階的な通所スケジュールが設定されます。最初は週1~2回の利用から始まり、少しずつ頻度や時間を増やしていくというのが一般的です。一定期間の利用を通じて、復職後の職場の勤務時間に近いリズムを作ることを目指します。日々のスケジュールやプログラム内容は施設ごとに異なるため、事前にスケジュールを確認し、自分のペースに合う施設を選ぶことが大切です。
Q5.リワークでは具体的にどのようなプログラムがありますか?
施設によって違いはありますが、一般的には以下のようなプログラムや活動が行われています。
・生活リズムの改善:
規則的な通所を通じて、生活習慣の改善を目指します。
・ストレス管理:
心やストレスに関する座学などを通じて、セルフケア方法を学びます。
・模擬作業(模擬就労):
職場復帰を意識した作業訓練やビジネススキルのトレーニングを行います。
・グループワーク:
他の利用者との交流を通じて、対人スキル(コミュニケーション能力など)の向上を目指します。
・復職準備支援:
職場との連携や復職に向けたカウンセリングや、復職面談の準備(書類作成や模擬面談)などを行います。
Q6.リワークに通うことは義務ですか?
リワークへの参加は強制ではありません。医師や上司などの意見を基に、最終的な判断は本人に委ねられます。自分に必要だと感じた場合に、利用することが推奨されます。利用に関して疑問点がある場合には、施設(事業所)のスタッフなどに相談することがおすすめです。(※ただし、企業によってはリワークに通うことを復職のための条件のひとつとしている場合があります。)
Q7.他の参加者と話すのが苦手なのですが、大丈夫ですか?
リワークでは、必ずしも無理に他の参加者と話すことを求められるわけではありません。施設によっては、自分のペースで参加できるプログラム(=自習など)を選ぶこともできます。
Q8.復職できるか不安なのですが、相談はできますか?
リワークの利用を決める上で、事前に施設の見学やプログラムの体験実習が重要となります。施設によっては積極的に実施しているところもあるので、こうした機会を通じてスタッフに相談することがおすすめです。
Q9.リワークを途中でやめても問題ありませんか?
リワークの利用は、途中でやめることも可能です。自分に合わないと感じたり、体調が悪化したりした場合は、無理せずプログラムを中断することが推奨されます。その際は医師や施設スタッフと相談し、次のステップを決めることが重要です。また、別の施設やプログラムを検討するという選択肢もあります。
Q10.職場の上司にリワークの利用を伝える必要はありますか?
リワークの利用を職場に伝えるかどうかは、自身の判断に委ねられます。ただし、復職後のスムーズな対応を図るためには、産業医や人事担当者と相談の上で必要な情報を共有することが望ましいケースもあります。職場との連携が必要な場合には、施設のスタッフがサポートを行うこともあります。
Q11.リワークに通うことが復職の条件になることはありますか?
リワークの利用(参加)は法的に強制されているものではありませんが、産業医や企業側が復職準備の一環として提案することがあり、企業によっては復職のための条件のひとつとしている場合があります。詳しくは、人事担当者にご確認ください。
Q12.リワークを利用することで、必ず復職できますか?
リワークは復職を目指すためのサポートですが、利用によって必ずしも全員が復職できるというわけではありません。復職や安定した就労には、体調や職場環境など様々な要因が影響します。とはいえ、リワークを通じて体調が改善したり、復職に向けたスキルを身に付けることで、復職の可能性を高めていくことが期待できます。
(関連記事:【休職期間の過ごし方】復職成功者の多くがリワーク利用時に実践していたこと)
リワークプログラムはニューロリワークがおすすめ
うつ病や適応障害からの復職を目指す上で、リワークプログラム選びは重要です。限られた休職期間を有意義なものにするために、プログラムやスタッフ、またはこれまでの復職実績などを参考に、自分に合った施設(事業所)を選びましょう。
ニューロリワークでは、復職だけでなく、職場復帰後の安定した就労を目指した様々なプログラムを提供しています。施設の見学やプログラムの体験実習も実施しているので、復職でお悩みの方はぜひご相談ください。
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